インタビュー
2018年12月11日

高校から凝縮した柔道生活が送れたのは、詰め込まないで幼少期をのんびり過ごしたから。柔道家・小川直也(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #19 (1/3)

 スポーツ界の第一線で活躍しているアスリートに、幼少期の習い事について訊く連載。自身の経験を振り返っていただき、当時の習い事がどのようにその後のプレーに活かされたか、今の自分にどう影響しているかを伺います。

 剣道や野球に励んでいた小中学校時代を経て、高校入学とほぼ同時に柔道を始めた小川直也さん。剣道や野球の経験はどのように生かされたのでしょうか?

2人の息子はバレエ教室に通っていました

――柔道のスタートが高校からというのはかなり遅いほうだと思います。

子どもらしい子どもでしたからね。小中学生のころは遊んで塾にも行って、のほほんとしていました。のほほんとした期間が長かったからこそ、15歳で柔道を始めてからオリンピックにたどり着いて28歳で辞めるまで、ものすごく濃く凝縮できたのかもしれないですね。

僕は詰め込まれるのは無理な性格なので、小さいころからやりすぎていたら、大人になるころには疲れちゃっていたと思う。でも、自分が詰め込まれても真剣になれるものに出会えてなかったからふらふらしていたのかもしれない。なぜか柔道だけは詰め込まれてもできた。柔道だけは「俺に合っている」と思いながらやっていましたね。

――子どもが習い事に夢中になれないと気になっている親御さんの励みになりますね。

親御さんたちは自分の子どもに多くを求めてしまいがち。自分の子どもなんだから自分以上のことは求めないくらいの心構えのほうがいいんじゃないですか。僕は息子たちが小学校のころは押し込むことはまったくしませんでした。自分が押し込まれると嫌だったから。

――息子さんにはどんな習い事をさせましたか。

何かしら体を動かしたほうがいいとは思っていたので、長男(柔道男子100キロ超級日本代表の小川雄勢選手)は2歳半から駅前のクラシックバレエ教室に通っていました。スイミングスクールにも行かせていましたね。5歳下の次男は、兄貴についてやはり物心つく前からバレエと水泳を習っていました。2人とも、てっきりバレエの道に進むのだと思っていました。

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