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2023年5月15日

【柔軟ストレッチ】子どもの体が硬いとデメリットだらけ!この動きでチェックしてみて

 最近、体が硬い子が増えています。幼児でも、前屈で地面に手がつかないということも珍しくありません。「幼児なのに?」と驚かれる方は多いですが、これが現状です。

 小さい頃から体が硬い子は、それが自分にとって普通なのだと思ってしまい、無意識的に体を上手に使えなくなりがちです。そして運動が苦手になったり、ケガをしやくなってしまうのです。幼児でこのような状態なので、小学生、中学生と年齢が上がるにつれて、さらに体が硬い子が増えます。

 あなたのお子さんはどうでしょう。ここでは、体が硬い子どもに向けた、家庭でできる柔軟性を高めるストレッチのやり方を紹介していきます。

まずは身体の硬さを調べてみましょう

 まずはお子さんに、立った状態から前屈をさせてみてください。地面に手は届くでしょうか。手が届くとは、手のひらが地面につくということです。

 そして、この状態を5秒キープできるなら成功。できなかったら体が硬いといえます。中には足首にさえ届かない子もおり、これはかなり重症です。

子どもたちのストレッチへの理解度は低い

 幼児・小学生には、ストレッチで体が伸びるという認識がありません。ストレッチは痛いもので、何がいいのか意味がわからない状態でしょう。これは中学生もほぼ同様です。部活動やスポーツクラブなどでストレッチに取り組んでいる子でないと、その価値を認識していません。

 そのような子たちに「ストレッチをやりなさい」と言っても、取り組んでくれないでしょう。たとえ取り組んでも真似事だけで、実際に体が伸びるようなストレッチは行えません。そのため、最初のうちは保護者が手伝ってあげるといいでしょう。ぜひ、以下の記事のようにパーソナルストレッチを行ってあげてください。

関連記事:運動後の子どもには「ストレッチ」を。その理由と効果的なケア方法を専門家が解説

 子どもがスポーツや運動をして疲れて帰ってきた際、マッサージでケアするご家庭は多いでしょう。そこに、パーソナルストレッチを加えてあげてください。「専門の知識がないので、それはちょっと……」という方に、オススメの方法をご紹介します。

柔軟性をチェックする「SLRテスト」とは

 ストレッチの前に、下半身の柔軟性を確認しましょう。

 まずは子どもを仰向けで寝かせます。その横に膝立ちとなり、子どもの足を片方ずつ持ち上げます。このとき、もう片方の足もつられて持ち上がらないよう気をつけてください。膝を伸ばした状態で足がどこまで上がるかチェックしましょう。

 これを「SLRテスト」といい、90度以上、足が上がるのが基本です。右足と左足を比較し、上がらない方からストレッチを行ってみましょう。

 小さい子どもや初心者に行う場合、直線的に力強くストレッチをかけてしまうと、痛がってやらせてくれません。そこで、円を描くように足を回しながら動かすと、徐々にストレッチがかかるのでオススメです。

パーソナルストレッチのやり方

1.お尻を伸ばす

 子どもを仰向けに寝かせ、足側に膝立ちとなります。子どもの片足を持ち、膝を曲げて身体内側にねじり、すねを胸に近づけていくとお尻の筋肉が伸びるでしょう。膝が胸につく体勢が基本です。

 3~5周、円を描くように動かしながら行いましょう。右回しと左回し、両方行ってください。もう片方の足は伸ばしたまま、持ち上がらないようにして行います。

2.太ももの裏を伸ばす

 子どもを仰向けに寝かせ、足側に膝立ちとなります。今度は膝を伸ばしたまま片足を持ち上げるようにすると、太ももの裏が伸びるでしょう。なお、持ち上げた足は90度を越えるのが基本です。

 3~5周、円を描くように動かして伸ばしていきます。3~5周ほど右に回したら、次は左に回します。この場合も、もう片方の足は持ち上がらないように押さえ、まっすぐ伸ばしたままにしてください。

3.ふくらはぎを伸ばす

 子どもを仰向けに寝かせ、今度はその横に膝立ちとなります。軽く持ち上げて、かかとをつま先側から包み込むようにつかみ、前腕の内側で足の裏を押すようにしてふくらはぎを伸ばしてください。このとき、子どもの頭側に体重移動しながら行うといいでしょう。

 円を描くようにできるのが望ましいですが、難しい場合は直線的に伸ばしても問題ありません。見えにくいかもしれませんが、45度を越えるのが基本です。

ストレッチ後の変化を「SLRテスト」で再確認する

 まずは片足だけ行い、ストレッチをかけた足とかけていない足で、再度SLRテストを行ってみてください。

 施術した足の方が柔らかくなっていないでしょうか。動かしてみると、かなり軽くなっていないでしょうか。これが、パーソナルストレッチの威力です。うまく施術できると、30度くらい変わることもあります。

 親子で確認できたら、反対の足も行いましょう。何回か行って慣れてきたら、直線的に伸ばすパーソナルストレッチにも徐々に挑戦していってください。そうすれば、より劇的な変化が出るようになるはずです。また、マッサージを行ってからストレッチすると、さらに効果が現れやすくなります。

[筆者プロフィール]
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年生まれ。静岡県出身。小中学校・大学でバスケを指導し、小・大で全国出場、公立中学で県Best4 に入るなどの実績を残す。最高は全国準優勝。選手育成は独創的理論による論理的指導で行い、新体力テストが最低水準校で県大会優勝、高校時代に日の目を見ない大学の選手で東海1部に昇格した。また幼児・高校の体育も行い、全年齢の子どもに携わる。現在は群馬医療福祉大学で教鞭を執り、幼児の体育・健康の授業や研究を行っている。また学校における働き方改革の部活動問題の解決に向け、社会体育クラブを設立・活動している。
[HP] https://mt-a.jimdo.com

<Text:赤堀達也/Photo:Getty Images>