
なぜ「フラフープ」は戦後日本で爆発的ブームとなったのか【懐かしのスポーツ回顧録】 (1/2)
- 趣味
- 2023年10月18日
かつて人気だった懐かしいスポーツや遊びにフォーカスして紹介していく本企画。今回は、近年ではダイエット道具として密かに注目を集める「フラフープ」のお話です。
爆発的ブームは1958年。日本中で大流行!
フラフープは、腰に通して身体を前後あるいは左右に振って回転させて遊ぶシンプルなおもちゃ。1958年にアメリカで大流行していたフラフープが、同(昭和33)年10月に日本に上陸するやいなや、たちまち日本中を席巻。都内各デパートには早朝からフラフープを求める人々で長蛇の列ができたそうです。
販売価格は大人用が270円、子ども用は200円で、当時のラーメン一杯が40円だったというから、決して安い買い物ではないにもかかわらずの大ブーム。日産2万本のフラフープは、1ヶ月で80万本が売れたのだとか。
美容と健康によいとの宣伝文句から、老若男女にかかわらず、子どもたちは路上や広場で学校で、大人は職場で昼休みに腰をフリフリ、この単純で愉快なフラフープ遊びに興じました。
アッという間に日本中に広まったフラフープですが、ブームの終焉はあっけなくやってきます。発売からわずか1ヶ月後の11月、都内の15歳の少年がフラフープの使用によるとされる胃穿孔で重体となる事態が発生。
さらに横浜や神戸でフラフープ遊びをしていた子どもが車に轢かれる事故が起き、その後千葉県では少年3人がフラフープ中に腸捻転などの内臓障害を引き起こしました。
さらにさらに、遊戯中にフラフープのつなぎ目が外れて目を突く事故なども重なり、警察庁や厚生省が問題視。千葉県東金市の小学校がフラフープ禁止令を出したことが新聞で報道されると、全国の小学校でも同様の措置がとられて一気にブームは沈静化してしまいます。
各地で競技大会が開催され、フラフープを題材にした日活映画の公開やフラフープ・ソングまでもが発売されるほど日本中を熱狂(!?)させたフラフープムーブメントは、たった40日足らずで幕を閉じたのでした。
2000年代。海外セレブがダイエットに活用してブーム再燃!?
フラフープの世界的大流行からちょうど50年後の2008年、フラフープ再ブームの予感がアメリカからやってきます。