ライフスタイル
2020年7月3日

運動が苦手、続かない人は「体を大きく動かす遊び」をトレーニング代わりにしよう

 カラダを鍛えたいけれど、スポーツジムでのウエイトトレーニングはきつい。とはいえ、自宅トレーニングは飽きるし続かない。痩せたいけれどランニングや筋トレは挫折しがち。それなら、遊び感覚で取り組めるエクササイズが効果的かもしれません。今回は、運動が苦手な人でも楽しく続けることできそうなメニューを紹介します。

コーディネーショントレーニング

 遊び感覚でカラダの使い方を習得するなら、コーディネーショントレーニングがオススメ。以下の7つの能力を向上させることができます。

リズム能力(動作を行うタイミングを上手につかむ能力)
バランス能力(バランスを正しく保ち、体勢が崩れた場合にすばやく立て直す能力)
変換能力(状況の変化に合わせて、すばやく動きを切り替える能力)
反応能力(合図などにすばやく反応して、適切に対応する能力)
連結能力(カラダ全体を連動させてスムーズに動かす能力)
定位能力(物体の位置と自分の位置関係を把握する能力)
識別能力(手足や道具・スポーツ用具などを上手に操作する能力)

 子どもの運動能力を鍛えるためにも最適とされており、親子で一緒に取り組んでもよいでしょう。さまざまなコーディネーショントレーニングがありますが、「リアクションジャンプ」や「複数ボールを使ったパス交換」、「手つなぎ鬼」などが挙げられます。

指示に合わせてジャンプします。「前!」と言われたら前へ1歩両足ジャンプ、「後!」と言われたら後ろに両足ジャンプなど。「前」「後」「右」「左」のほか、「高く!」でその場で高くジャンプ、「低く!」でしゃがんで立ってなど、指示を増やすと難しくなります。

子どもの運動神経を左右する「コーディネーション能力」とは?ゴールデンエイジ期におすすめのトレーニングも解説 より

ミラードリル

 ミラードリルとは、名前の通り「鏡」のように動くエクササイズです。2人で行い、一方が真似する役、もう一方が真似される役となります。

 お互いが向き合って、真似される側がサイドステップやジャンプ、切り返し動作などをすばやく行います。真似する側は、後れを取らないようにその動きをコピーします。つまり、2人の関係が「鏡」なのです。これを、10~30秒間など時間設定して行います。動作エリアを広くすればするほど、ダッシュ距離が伸びるのでハードになるでしょう。

 このエクササイズは、俊敏性や重心移動、動作を認識してからカラダを動かすまでの反応などを鍛えることができます。特に対人動作のあるサッカーやバスケットボール、ラグビーなどの球技系全般に効果の高いエクササイズです。

ツイスターゲーム

 大人であればご存知の方も多い「ツイスターゲーム」。過去に取り組んだ経験のある方は多いかもしれません。このツイスターゲームも、しっかり行えば全身を鍛えるよいトレーニングになります。複数名でゲームとして楽しみながら行えるほか、一人で行うことも可能。難しいポーズでも、できるだけその姿勢を作ってキープすれば、ハードなエクササイズとなるでしょう。

 特に刺激されるのが、肩関節や股関節まわりの関節を安定させる筋肉と体幹部。れっきとした「体幹トレーニング」として活用できるのです。

鬼ごっこ

 子どもの頃によく行う、遊びの代表「鬼ごっこ」。全力で走るダッシュとゆっくりと走るジョギング、そして立ち止まって休憩するなど、さまざまな局面があるでしょう。こうした動きは、球技をはじめとするスポーツ競技に似ているのです。

 鬼ごっこは、短時間のダッシュを繰り返し続ける「間欠性持久力」を鍛えることができます。また、鬼から逃げるときに使う切り返し動作なども、アジリティのトレーニングになるでしょう。鬼ごっこはさまざまバリエーションを持たせられるため、ウォーミングアップに取り入れるプロアスリートも多い、トレーニング効果の高い遊びです。

スラックライン

 スラックラインは2点間に張られた専用のライン上で、跳び跳ね、回転するなどさまざまな技を繰り広げるアメリカ発祥のスポーツです。世界中で数多くの大会が開かれており、テレビや動画で見たことのある方もいるでしょう。

 アクロバティックな動きをせず、ただラインの上に立つだけでも、トレーニング効果を得ることができます。立っているだけで上下左右に揺れ動くラインは、初めのうちは立つことも難しいでしょう。しかし慣れてくれば、ライン上で姿勢をキープし、歩くこともできるようになるはず。これは、バランス感覚や重心のコントロール力が養われている証拠です。

 スラックラインも、大人から子どもまで誰もが楽しめます。

ブレイブボード

 子どもの間で人気の遊びに、ブレイブボードが挙げられます。最近、子どもたちがスケートボードのようなもので遊んでいるのを目にすることは多いでしょう。従来のスケートボードは、1枚のボードに4つの車輪が付いていますが、ブレイブボードは2枚のボードそれぞれに車輪が1つ付き、パイプでつながっているのが特徴です。

 ブレイブボードは、サーフィンやスノーボートの重心の動きに似ています。そのため、プロ選手も陸上のトレーニングとして活用しているなど、本格的なトレーニングとしての効果も期待できるでしょう。このブレイブボードも、バランス感覚や重心のコントロール力を鍛えることができます。

体を大きく動かす遊びはトレーニング代わりになる

 カラダを大きく動かすものであれば、どんな遊びもトレーニングとしての効果を得ることができます。アスレチックや公園などの遊具も、意外とカラダを動かすのでいいかもしれません。運動がつらい、あるいは続かないと感じている方は、トレーニング効果のある遊びから始めてみてはいかがでしょうか。

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
【HP】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada

<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>