2018年12月29日

秋田豊に聞く!安全で効率の良いトレーニング方法 (2/3)

効率の良いトレーニング方法

----- 1日10分程度しか時間が割けない場合、何を優先してやるべきですか?

ウエイトや体幹を鍛えることを優先してやった方がいいですね。なぜかというと、筋力が落ちてしまうと代謝が悪くなり、免疫力が低下し体調を崩したり、女性の場合ダイエットの妨げになります。

-----10分間という短い時間の中で、より効率的に身体を鍛える方法を教えてください。

大学時代からやってきた方法は、部位ごとに分けてトレーニングをするというやり方です。たとえば、「月曜日は胸と体幹」「火曜日は足と体幹」「水曜日は背中と体幹」のように、日ごとに部位を分けて鍛えてあげると、より効率的に鍛えることができます。

筋肉には超回復という現象があって、鍛えてから48時間、筋肉を休息させてあげることで、休息の間に筋肉の総量が増加するのです。それを上手く利用してあげることで、たとえ1日10分のトレーニングでも効果はすぐに得られますよ。

また、部位ごとに分けて鍛えることによって、身体のバランスを保つことができるのです。ある部位を一点集中で鍛えてしまうことで、身体のバランスが崩れ、姿勢などに悪影響が出るほか、怪我の原因にもつながります。トレーニングをする際は、身体のバランスを考えて鍛えることが効率の良いトレーニングと言えます。

-----10分間で鍛える場合、その短時間の間にたくさんトレーニングしなければいけない、ということになるのでしょうか?

闇雲に腕立てを20回やってもあまり意味はありません。それよりも10回を目標にして、その10回により大きな負荷をかけられるかどうか、ということの方が重要なのです。

-----より大きな負荷をかけるというのは、具体的にどのようなことをすればいいのですか?

たとえば、小さいお子さんがいる家庭なら、子どもを背中に乗せて腕立てをすることで、より負荷がかかるうえ、子供も喜びますし、一石二鳥ですよね。ほかにも、ペットボトルを抱えて腹筋をすれば、水の量に応じて自分に合った負荷に調節することができます。あと、僕の場合は「サンクトバンド」というゴムチューブを使い、負荷を増加させています。なぜゴムチューブを選んだのかというと、安全で且つ効率が良いからです。

一般的に、安価で容易に入手できるトレーニングアイテムと言ったら、ダンベルなどを想像しますよね。でも、実はダンベルってすごく危険なものでもあるのです。たとえば、ダンベルは持ち上げる瞬間に力を入れます。このことを初動負荷というのですが、初動負荷は、関節に負担をかけたり、肉離れや腱鞘炎のような筋肉の怪我をする恐れがあります。また、ダンベルを落として怪我をしてしまう、なんてこともあり得ます。

しかし、ゴムチューブの場合、軽いですし、柔らかいので、落として怪我をするなんてことはまずありませんし、終動負荷といって、一定の負荷をキープするかたちなので、関節に優しく安全で、筋力もしっかりアップできます。最近では、プロ野球チームやサッカークラブもゴムチューブの導入を検討していて、トレーニングの効率性を向上させるアイテムとして注目されています。

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