
筋トレは朝が効果的なのか。ヒントは「サーカディアンリズム」 (1/2)
- トレーニング
- 2022年3月4日
これまで「筋トレの頻度、効果的なのは週2?毎日?目的別で考える負荷強度と回数の決め方」にて、筋トレの効果的な頻度について紹介しましたが、トレーニングを行うタイミングにも効果的な時間というのはあるのでしょうか。
日本体育大学体育研究所助教授で健康科学・スポーツ医科学を研究する鴻﨑香里奈さんに聞きました。
筋トレに最適な時間帯を探る
ヒントは体内時計のリズム
「ヒトには24時間の中で生理現象が変動する概日リズム(サーカディアンリズム)が存在することが知られ、このリズムの中で筋トレの効果がもっとも得られるのかといった検証も、実験動物を用いて実験されています」(鴻﨑さん)
概日リズムとは一般的に体内時計といわれるもので、この体内時計と筋トレ効果についての実験があったとは興味深い。
「しかしながら、午前中に筋トレを実施した方がよいと報告している論文もあれば、夕方の方がよいと報告している論文も存在します(Camera 2018, Frontiers in physiology)。筋トレにオススメの時間帯は、実は未だ明らかとなっていないのが現状です」(鴻﨑さん)
筋トレに最適な時間帯は個人によって異なる
午前中に筋トレすることで最大の効果が得られる人もいれば、午後や夜の方が効果を得られる人もいるのだそうです。これは概日リズムが筋トレする個々人の生活背景や生活環境に大きく依存されるものであるからと、鴻﨑さん。そういわれると朝の方が調子がいい朝型の人、夜が絶好調という夜型の人がいますよね。
筋トレに最適な時間は自分で作ることができる
この概日リズムと筋トレの関係では、最近おもしろい報告もなされています。筋トレに最適な時間は自分で作ることができるというのです。
もっとも筋力が高まる時間帯は午後2~6時
ヒトの概日リズムの中で、もっとも筋力が高まる時間帯は午後2~6時で、もっとも低い時間は午前6時と夜の10時ということがわかっていて、比較すると最大で6%も向上し、ケガのリスクも減少するのだそうです。
また運動のパフォーマンスは体温と深く関係しており、ヒトの体温は早朝と夕方遅くに上昇します。オリンピックでは新記録の多くが午後に生まれるというデータもあり、ヒトの身体機能の向上が午後の時間帯にピークを迎えることが示された結果といます。ですから、筋トレもこの時間帯にすると効果がある可能性は確かなようです。