
【2022最新】オートミールおすすめ商品比較10選!管理栄養士が教えるダイエット効果&食べ方、レシピ総まとめ (1/4)
- 健康
- 2022年8月3日
牛乳やヨーグルトなどをかけて食べる「シリアル食品」は、手軽な朝食として日本でも人気です。シリアル食品はさまざまな穀物の加工食品ですが、そのなかでもえん麦(えんばく:oat)を脱穀して調理しやすくしたものを「オートミール(oatmeal)」と呼びます。
海外の映画でも多く登場するメニューで、日本では昔から離乳食として活用されていました。最近は「オートミール米化」や「オーバーナイトオーツ」など、オートミールを活用したダイエットレシピや主食置き換え食品として人気が高まっています。
今回は、管理栄養士・佐藤樹里さん監修のもと、オートミールとは何か、その種類と栄養、基本の食べ方をはじめ、ダイエットへの効果やおすすめレシピをまとめています。また、後半ではスーパーやドラッグストアなど市販で購入できるオートミール商品の食べ比べ比較も! どのアイテムがおいしいのか、コスパ的におすすめのものはどれか、比較検討の材料にしてみてください。
オートミールとは。どんな食べ物なの?
オートミールとは、燕麦を脱穀して調理しやすく加工した食品です。オートミールの原料である燕麦は、オート麦、オーツ麦、カラス麦とも呼ばれます。
小麦・イネ・トウモロコシ・大麦・ソルガムに次いで世界で6番目に生産高の多い穀物ですが、その最大需要は馬を主とする飼料。実が硬く、また、小麦のようにそのままパンにできないため、主食としては扱いにくい食べ物でした。
しかし、1870年代に燕麦をフレーク化する技術がアメリカで発明され、手軽に調理できるオートミールが誕生。食品メーカーが大量生産をはじめ、全米へ急速に広まりました。
オートミールの種類と製造法、食べ方
オートミールには製造法によって、いくつかの種類があります。
●オートミールの種類
種 類 | 製 造 法 | 特 徴 |
スティールカットオーツ | 脱穀した麦を2~3つにカット | 生なので加熱して食べる |
ロールドオーツ | 脱穀した麦を蒸したあと、ローラーで伸ばす | 平べったいフレーク状の、いわゆる押し麦 |
クイックオーツ | ロールドオーツを細かく砕く | 細かい粒で生でも食べられる |
インスタントオーツ | ロールドオーツを調理加工 | 味がついているので手軽 |
ちなみに「シリアル食品」とは、トウモロコシ、えん麦、小麦、大麦、米などの穀物を加熱調理した加工食品の総称です。長期保存がきき、手軽に食べやすいのが特徴です。
シリアル食品の代表としては、オートミールやトウモロコシ粉などに味をつけて粒状に焼き固めた「グラノーラ」、トウモロコシ粉をフレーク状にした「コーンフレーク」でしょう。今はさらに食べやすさを追求して、砂糖などの甘みを加えたり、ドライフルーツやナッツをミックスした製品もあります。そのほか、クッキーや菓子に混ぜ込んだり、固めて棒状にしたシリアルバーなど、さまざまな形で食されています。
ただし、甘くするために糖分が多いものがあり、ハチミツやナッツが多い製品はグラムあたりのカロリーも高くなりがちです。
オートミールの栄養価。食物繊維は玄米の約3倍
全粒穀物であるオートミールは、食物繊維やミネラルが豊富です。とくに食物繊維は玄米の約3倍。便秘解消に役立ち、善玉菌のエサになることで腸内環境の改善が期待できます。さらに、水溶性食物繊維のβ-グルカンは糖の吸収をおだやかにしてくれるので、血糖値の急上昇を抑える効果があります。
食物繊維とは、体内に摂取されても消化・吸収されずに、小腸を通って大腸まで達する食品成分のことです。主なはたらきとしては、腸内環境を整える、便秘改善、血中コレステロール濃度の低下など、さまざまあることが分かっています。
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、水溶性食物繊維は水分を含むとゲル状になり、便を軟らかくするはたらきがあります。その他、小腸での栄養素の消化吸収を遅らせることより食後の血糖値上昇をゆるやかにしてくれます。また、善玉菌のエサとなり腸内環境を整えてくれます。
「食物繊維」にはどんなメリットがある?摂り過ぎ&不足のデメリットは?|マッスルデリ管理栄養士が解説 より
また、マグネシウムや鉄分などのミネラルはダイエットをしている人が不足しやすいので、ダイエット中におすすめです。なかでもカルシウムは玄米の約5倍も含まれます。
●栄養成分表示[1食(30g)あたり]
エネルギー | 111kcal |
たんぱく質 | 4.4g |
脂質 | 2.0g |
炭水化物 | 20.58g |
糖質 | 17.28g |
食物繊維 | 3.30g |
食塩相当量 | 0.0g |
カルシウム | 15mg |
鉄 | 1.4mg |
ビタミンB1 | 0.11mg |
ビタミンB6 | 0.05mg |
ビタミンE | 0.2mg |
水溶性食物繊維 | 1.85g |
不溶性食物繊維 | 1.45g |
日本食品製造合資会社「日食プレミアム ピュアオートミール」の栄養成分
カロリーは白米や玄米と比べると少々高いのですが、糖質の量は少なめで、血糖値の上がりやすさを示す「GI値」が低く、太りにくいとされます。
●主な食品のGI値
食品名 | GI値 |
食パン | 95 |
白米 | 88 |
うどん | 85 |
玄米 | 55 |
オートミール | 55 |
そば | 54 |
パスタ(全粒粉) | 50 |
一方、食物アレルギーの原因となるたんぱく質の「グルテン」はごく少量のため、グルテンフリー食材としても注目されています。
スーパーで買えるオートミール10種を比較!
ここからは、スーパーでも売られている市販のオートミール10種について、味や食感などを検証します。味付けはせず、60℃のお湯を注いで混ぜ、1分間ふやかす方法で食べ比べてみました。
※表示価格は税込み、2022年3月現在の価格です
クエーカー インスタントオートミール オリジナル
■産地:オーストラリア
■原材料:全粒オーツ麦100%
■内容量:270g
■購入価格&購入場所:354円/スーパーマーケット(クイーンズ伊勢丹)
《栄養成分表示(1食40gあたり)》
エネルギー:155kcal/たんぱく質:5.1g/脂質:3.5g/飽和脂肪酸:0.6g/コレステロール:0.4mg/炭水化物:27.8g/糖質:23.8g/糖類:0g/食物繊維:4.0g/食塩相当量:0.005g/鉄:1.3mg/ビタミンB1:0.1mg/マグネシウム:45mg/カルシウム:18mg/亜鉛:0.7mg/β-グルカン:1.8mg
アメリカで140年以上の歴史を誇る、1877年創業の老舗メーカー。お湯を注ぐだけで、すぐにやわらかくなる。少し粉っぽい感じがするが、麦の甘みで食べやすい。ちなみにクエーカーのオートミールにはほかにクイックオートミールとオールドファッションオートミールがある。前者はインスタントオートミールより粒が細かく、後者はクエーカーのスタンダードで粒が大きく、その分調理時間は長くなるが(5分程度)食べ応えがある。
日本食品(日食) プレミアムピュアオートミール
■産地:オーストラリア
■原材料:オーツ麦(えん麦)
■内容量:340g
■購入価格&購入場所:365円/スーパーマーケット(いなげや)
《栄養成分表示(1食30gあたり)》
エネルギー:111kcal/たんぱく質:4.4g/脂質:2.0g/炭水化物:20.58g(糖質:17.28g、食物繊維:3.30g)/食塩相当量:0.0g/カルシウム:15mg/鉄:1.4mg/ビタミンB1:0.11mg/ビタミンB6:0.05mg/ビタミンE:0.2mg/水溶性食物繊維:1.85g/不溶性食物繊維:1.45g/発酵性食物繊維(β-グルカン):1.2g
※水溶性食物繊維および不溶性食物繊維の値は計算値
オーツ麦を蒸してローラーでフレーク状にしたインスタントタイプのオートミール。食感はやわらかめで、調理時間も短め。お湯を注ぐだけで混ぜなくてもすぐに食べられ、粘りも弱め。無添加のオーツ麦100%で、カロリーの低さにも注目。
日本食品(日食) プレミアムピュアトラディショナルオートミール
■産地:オーストラリア
■原材料:オーツ麦(えん麦)
■内容量:340g
■購入価格&購入場所:365円/スーパーマーケット(食品館あおば)
《栄養成分表示(1食30gあたり)》
エネルギー:112kcal/たんぱく質:3.1g/脂質:2.5g/炭水化物:20.88g(糖質:18.00g、食物繊維:2.88g)/食塩相当量:0.0g/カルシウム:13mg/鉄:1.4mg/ビタミンB1:0.08mg/ビタミンB6:0.03mg/ビタミンE:0.1mg/水溶性食物繊維:1.25g/不溶性食物繊維:1.63g/発酵性食物繊維(β-グルカン):1.0g
※水溶性食物繊維および不溶性食物繊維の値は計算値
厚めのフレークで、粒のしっかりしたロールドタイプ。食感はかためで、お湯でのふやかし時間は1分より長めにした方がたべやすいかも。とろとろのおかゆ状態では物足りない人や、焙煎したオーツ麦の香ばしい風味をダイレクトに愉しみたい人におすすめ。
日本食品(日食) オーガニックピュアオートミール
■産地:フィンランド
■原材料:有機オーツ麦(有機えん麦)
■内容量:330g
■購入価格&購入場所:375円/スーパーマーケット(いなげや)
《栄養成分表示(1食30gあたり)》
エネルギー:110kcal/たんぱく質:3.3g/脂質:2.1g/炭水化物:21.03g(糖質:17.85g、食物繊維:3.18g)/食塩相当量:0.0g/カルシウム:15mg/鉄:1.1mg/ビタミンB1:0.08mg/ビタミンB6:0.03mg/ビタミンE:0.2mg/水溶性食物繊維:1.39g/不溶性食物繊維:1.79g/発酵性食物繊維(β-グルカン):1.4g
※水溶性食物繊維および不溶性食物繊維の値は計算値
プレミアムピュアオートミールと同様の製法で、簡単調理&時短で朝食にも手軽に取り入れられる。農薬や化学肥料、遺伝子組み換え種子を使用せずに栽培され、北海道の有機JAS認定製造工場で加工している。粘りは強め。梅がゆなどが合いそうだ。
日本ケロッグオートミール
■産地:オーストラリア
■原材料:全粒オーツ麦
■内容量:330g
■購入価格&購入場所:386円/スーパーマーケット(いなげや)
《栄養成分表示(1食30gあたり)》
エネルギー:117kcal/たんぱく質:4.1g/脂質:2.8g/炭水化物:20.5g(糖質:17.5g、食物繊維:3.0g)/食塩相当量:0g/鉄:1.1mg/ビタミンB1:0.09mg
コーンフレークでおなじみ、ケロッグのオートミール。粘り弱めで、サラサラとした食感。パッケージには「毎日の主食に」と書かれているが、香ばしくサラッとしているのでどんなアレンジにも合いそうだ。