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2023年9月4日

プロテインは筋トレ後すぐの「ゴールデンタイム」じゃないと効果ない?元ボディビルダーの大学教授が解説 (7/8)

たんぱく質補給を目的に飲んでいる人は「不足分を食事や間食時に摂る」

「朝・昼・夕の食事で均等にたんぱく質が摂取できるように、不足する食事があればプロテインで補います。プロテインの種類としては、一般に利用されるホエイ、カゼインおよびソイプロテインのどれでもよいと思います。基本は、普段の食事からたんぱく質を摂取すべきですが、それでも不足する場合にプロテインを追加することになります。」(御堂先生)

やはり基本は食事からたんぱく質を摂取するよう意識したいとのことですが、どうしても不足する場合は、以下の内容を目安に摂取します。

「仮に1日のたんぱく質として、18~64歳の推奨量である男性65g/日、女性50g/日7)を摂取したい場合、これを三等分すると、それぞれ約22g、約17gになります。この量は一度に効率的に吸収できる量に近いので、これを満たすことを目標に、プロテインを追加するのがよいでしょう。食事中のタイミングとしては、食前でも食後でも摂取しやすいタイミングでよいと思います。もし、食事と同時に摂取できないのであれば、間食として摂取しても問題ありません。」(御堂先生)

たんぱく質不足を補う場合、おすすめのプロテインの種類はありますか?

「プロテインの種類としては、必須アミノ酸をバランスよく含み、大部分が消化吸収されるものであれば問題ありません。通常使用されるホエイ、カゼインおよびソイプロテインは、いずれもたんぱく質の栄養価を示す指標のDIASS※が比較的高いため 20)、違いを気にする必要はないと思います。」(御堂先生)

※DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア):現在推奨されているたんぱく質の栄養価を表す指標。食品中のアミノ酸含有量とそれぞれのアミノ酸の小腸までの消化吸収率から割り出した数値。1が必須アミノ酸の必要量を満たす値であるが、それ以上の過剰量を表す数値もとる。

体を大きくしたい人、太りたい人

体を大きくしたい、むしろ太りたいという人もいるかと思います。そういった方がプロテインを活用する場合のポイントを教えてください。

「筋肉も体脂肪もつけたい場合、プロテインについては『筋肉量を増やすために運動をしている人』と同じです。これに加え、エネルギー摂取量を増やす必要があるため、より多い分量を食べること、食事の頻度を増やすこと、および高カロリーの食品を選ぶことが必要です 21)。単に体脂肪をつけたい場合、プロテインは不要です。上記と同様の方法で、エネルギー摂取量を増やせばよいと思います。」(御堂先生)

プロテインのなかには、ハードゲイナー向けに糖質を多く含むウエイトゲインプロテインなどがありますが、こういったアイテムはどうでしょうか。

「プロテインには体重増量用として炭水化物を含むものがありますが、私は使わなくてもよいと考えています。食事と同時に摂取する場合、炭水化物は他の食品から摂取できるためです。たんぱく質を炭水化物と同時に摂取することにより、インスリンが分泌され、骨格筋へのアミノ酸の取り込みが促進されます 22)。そのため、理屈上は、これを期待して炭水化物を含むプロテインを選択すべきと考えることができます。たしかに、短時間の筋たんぱく質の合成速度を調べた研究では、炭水化物との同時摂取の効果が認められたとする研究結果があります 22)。しかし、それとは逆の研究結果 23)があることや、たとえばHulmi JJらの報告  24)のように筋力や筋量を指標とした研究で効果が認められなかったことから、炭水化物の同時摂取は不要であると考えています。」(御堂先生)

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