
筋トレすると「幸せホルモン」が出るってホント? (1/2)
- 健康
- 2023年10月11日
筋トレや有酸素運動をすると、多くの人がカラダが爽快になり、気分が良くなると感じているでしょう。これは、トレーニングがカラダに影響を与える「ホルモン」の分泌によるものです。
今回は、運動によって活性化されるテストステロンやセロトニン、ドーパミンなどのホルモンの種類とその効果についてご紹介します。
1.成長ホルモン
まずは「成長ホルモン」から。トレーニングを行うと分泌が活性化することで有名なホルモンです。
成長ホルモンはたんぱく質の合成を促進し、筋肉を増やしたり、脂質の代謝を活性化して体脂肪の蓄積を制御したり、体脂肪を燃焼させる働きがあります。ただし、成長ホルモンの分泌は年齢とともに低下していきます。
成長ホルモンの分泌が不足すると、やる気が低下したりイライラしやすくなるなど、メンタル面にも影響を及ぼすことがあります。しかし、トレーニングを行うことで、これらのメンタル面の影響を改善することができるのです。
成長ホルモンは筋肥大には関連がない?
一時は成長ホルモンが筋肥大に不可欠とされていましたが、最近の研究では、成長ホルモンの分泌量と筋肥大には直接の関連がないとの説も広がっています。その代わりに注目されているのが、「インスリン様成長因子(IGF-1)」と呼ばれるホルモンです。
IGF-1は肝臓から分泌され、その分泌には成長ホルモンの刺激が必要とされています。成長ホルモンの分泌が活性化され、それがIGF-1の分泌に繋がることで、筋肥大に効果があると考えられています。実際、成長ホルモンの分泌が増えるトレーニングによって、IGF-1の分泌量も増加するデータがあります。
成長ホルモンを増やすためには、瞬間的に大きな力を発揮するクイックリフトよりも、持続的に力を発揮させるスロートレーニングのような方法が効果的でしょう。
2.テストステロン
男性ホルモンと呼ばれるテストステロンは、骨格を逞しくしたり、ヒゲや体毛を生やしたりするなど男性的なカラダを作るホルモンです。その中の働きの一つに、筋肉を作る効果もあります。
しかし、加齢やストレス、肥満などによりテストステロンの分泌が低下し、これが筋肉の成長を妨げる悪循環を生む可能性があります。定期的なトレーニングが重要です。
テストステロンでモチベーションアップはできる?
また、テストステロンはメンタルにもよい影響をもたらします。テストステロンの分泌量が少なくなると、落ち込みや性欲・意欲の低下などを引き起こす可能性も懸念されます。
そのため筋トレを行うことで、「意欲が向上する→体型が変わる→自信がつく→行動が積極的になる→さらにトレーニングに励む」という好循環を生み出すことに繋がるでしょう。
なお、テストステロンの分泌を増やすには、大筋群・高重量・複数のセット数・セット間のインターバルを短めにするなど、ハードな筋トレが効果的とされています。
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3.セロトニン
セロトニンは、三大神経伝達物質とよばれる脳内ホルモンです。精神の安定を司り、気分を高揚させる働きから“幸福ホルモン”とも呼ばれます。
日常生活で継続的に受けるさまざまなストレスによって、セロトニンの分泌量は低下し働きが弱まってしまいます。トレーニングでセロトニンの分泌を促すことで、ストレスに耐えうるメンタルを保てるでしょう。
また、セロトニンはよい睡眠をつくるメラトニンというホルモンを作る材料にもなります。日中にしっかりトレーニングを行い、セロトニンを多く分泌させることで快眠に繋がるのです。
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4.ドーパミン
セロトニンと同じく、三大神経伝達物質のひとつ。幸福物質とも呼ばれる脳内ホルモンです。トレーニングで汗をかいた後に気分がスッキリするのは、このドーパミンの働きです。
また、ドーパミンが多く分泌されるとモチベーションが向上し、ポジティブ思考になります。これらの影響によってカラダを動かすことが好きになり、運動が習慣づくようになるでしょう。
5.ノルアドレナリン
ノルアドレナリンも三大神経伝達物質のひとつです。交感神経を刺激し、心拍数の上昇や血管を拡張させたり、集中力や思考力を働かせるために必要なホルモンです。また、脂肪を分解させたり、セロトニン分泌を促す働きもあります。
セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンを増やすためには、ランニングなど一定のリズムで続ける運動や、自分が楽しいと思える運動が効果的です。
ハードに行うことよりも、楽しんで行う運動を取り入れてみましょう。
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