フィットネス
ヘルス&メンタル
2021年10月5日

トレーナーが教える、筋肉痛のおもな原因と対処法 (2/2)

筋肉痛の予防・回復方法

 筋肉痛を予防したり、回復を早めたりするためには、どのような方法があるのでしょうか。残念ながら、筋肉痛を100%防ぐことはできません。ただ、その痛みを少しでも軽減することは可能です。

アイシング

 運動で熱を持った筋肉に対しては、アイシングすることで炎症を抑え、痛みを軽減することができます。氷嚢やビニール袋に氷水を作り、熱を持った筋肉に当て10分~20分冷やしましょう。

 筋肉痛が出たからといって1〜2日後にアイシングしても効果はあまり期待できません。アイシングは、運動直後に行うのが最適なタイミングです。

関連記事:スポーツ時の打撲・捻挫・突き指は「アイシング」で応急処置。患部を冷やす" RICES"の効果とやり方

ストレッチ

 運動前後にストレッチして筋肉の緊張を和らげておくことで、筋肉痛を抑えることができます。運動前はカラダを動かしながら行うダイナミックストレッチを、運動直後はゆっくりと伸ばして行うスタティックストレッチを行いましょう。

強めの筋肉痛(骨膜刺激)がある場合は、セルフマッサージや筋膜リリースなどで筋走行を正常化する必要があります。急ぐ場合はケアの専門家に相談するのがよいでしょう。それまでは、痛みのない範囲でそっと動くようにしましょう。

筋肉痛の部位は動かさないほうがいい?運動は休むべき?メガロストレーナーが解答 より

ウォーキングや入浴などの軽い運動

 筋肉痛が出ているときでも、軽い運動を行うことで筋肉痛を早く解消することができます。ウォーキングや軽い筋トレのほか、お風呂に入ってカラダを温めることも血行をよくして代謝を高め、筋肉痛の解消を早めるでしょう。

筋肉に有効な栄養素(たんぱく質)を摂取し、ウォーキングやストレッチ、半身浴などで血流の速度を上げ、栄養を早く筋肉へ届けてあげるのが有効的なのではないかと私は考えています。

筋肉痛の痛みを早く治す方法はある?ライザップトレーナーが解説 より

筋肉痛は約1週間前後で回復する

 筋肉痛の痛みは動くのもつらいし嫌なものです。ただ、その痛みはカラダが悪くなっているわけではなく、成長しているという証でもあります。「筋肉痛は運動につきものだ」と認識すれば、筋肉痛が出たことによって「しっかり運動を行ったな」と、むしろよろこぶようになれるはずです。

 筋肉痛はどんなにひどいものでも、約1週間前後で解消・回復します。もしそれ以上に筋肉痛の痛みを感じる場合は、遅発性筋肉痛ではなくケガの可能性を考えてください。長く続く筋肉の痛みは、医療機関で診察してもらいましょう。

筋肉痛の解説を、動画でもチェック!

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
公式サイト公式Facebook

<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>

1 2