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2023年5月1日

「乳酸」とは。乳酸がたまるとどうなる?疲れの原因になるの? (2/2)

また、乳酸は心臓を動かす心筋や脳のエネルギー源としても使われます。

筋肉で生成される乳酸ですが、知らずと食事から摂取しています。肉や魚介類、ヨーグルト、ワイン、漬け物などが例に挙げられます。

乳酸はいろいろな食品に含まれており、食事から摂取した乳酸もエネルギー源として使われています。

乳酸をパフォーマンスアップに活用するには

血中にある乳酸を測定することで、体内の状況を把握し、スポーツ競技に活用することが可能です。

運動では、ある強度を境に血中の乳酸濃度が高まるポイントがあり、それを「乳酸性作業閾値:LT」といいます。これは、運動強度が高まり、糖の利用が増えることによって、乳酸が多く発生していることを示しています。

運動強度を上げていった場合、このLTが遅く出る人の方が、高い運動能力を持っているということになります。定期的に測定し、LTが出る強度が遅くなっていれば、運動能力が上がっているということです。

このように、アスリートは乳酸測定を行いながらトレーニングメニューを組み、フィジカルの強化をしています。

関連記事:「心拍トレーニング」の基礎知識!心拍数・LT・VO2MAXの計算式とおすすめトレーニング方法

また、血中乳酸濃度は測定しやすく、疲労している時ほど乳酸濃度が高くなります。そのため、疲労の目安としてコンディションのチェックにも活用されているのです。

参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット 乳酸

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳>

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