2019年3月29日

夏が待ち遠しい!スポーツするなら対策しておきたい日焼け止め│連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#26

 アラフォーでランニングを始めてフルマラソン完走の経験を持ち、ゴルフ、テニス、ヨガ、筋トレまで嗜む、大のスポーツ好きにして“雑食系”を自負する作家の甘糟りり子さんによる本連載。

 都内では桜が満開になり、過ごしやすくなってきたなか、ランニングやトライアスロン、テニスなど屋外でスポーツをする皆さんが気になってくるのが、日焼け止め対策。そこで今回は、甘糟さんが愛用する日焼け止めを紹介します。

求められるのは、ユーザーにも環境にもやさしいこと

 只今、代官山 蔦屋書店で『鎌倉の逸品物語』というフェアを行なっております。蔦屋書店の「一冊の本の世界観を空間で再現する」という試みで、昨年秋に出しました私の『鎌倉の家』という本がテーマ。

 私が影響を受けた本&自著を100冊ほど壁に並べてもらい、その前では、私が鎌倉の暮らしに彩りを与えてくれる品々を選び、販売しております。ハワイのアロハシャツを使ったTシャツだったり、アンティークの器だったり、前衛的な水墨画だったり、どこかシックなサーフアートだったり。

 「サーフボードと鎌倉彫が溶けあう空間」がテーマ。これが鎌倉という街の個性がもっとも伝わるのではないかと思っています。よろしければ、ぜひ足をお運びください。

 このフェアをやることが決まってから、とにかく街を歩き、「これ、好き!」を大切に、いろんなものに触れました。

 そんな中で見つけたのが、「バートラ」という日焼け止め。ハワイアンライフガード協会の正式なプロバイダの銘柄です。

 まず、ピンときたのが、これが海に溶けても有害にならない「リーフセーフ」だという点。正直なところ、この製品を知るまで、日焼け止めが海に有害になる可能性なんて考えたこともありませんでした。お恥ずかしい……。バートラの日焼け止めには、オキシベンゾンとオクチノキサートという成分が含まれていないそうです。

▲バートラの日焼け止め

 確かに、日焼け止めやらサンオイルやらって海に入っていれば溶けますよね。溶けた物質は海水に流れてしまうわけで、当たり前なんですが、海を汚しているわけです。広〜い海からしたら、一人ひとりが溶かしてしまう日焼け止めは微量かもしれません。でも、それが何百人何千人何万人と蓄積していったら……。想像してみるだけで、恐ろしいです。

 話が逸れますが、今、プラスチックごみ問題が深刻になってますよね。2017年いっぱいで中国が受け入れをストップしたため、日本のプラスチックごみは、もう捨てる場所がなくなってきているんだとか。でもこれ、中国云々ではなく、どこに捨てるかとかでもなく、プラスチックのごみを出さないことが一番の対処だと思います。出さない、つまりは産み出さない。

 そんな中、コーヒーチェーンのスターバックスは、2020年までに全店舗でのプラスチックのストローの全面禁止を宣言しました。そのために紙のストローを開発中です。なんでも、スタバは1年に10億本のストローが使われているそう。自分が今使っているストローなんて微々たるもの、なんて思っていると、積りに積もって10億本になるんですよ。

 だからといって、普段の生活を大きく変えようとは思いません。ていうか、自堕落な私には無理。一度知ってしまった安易な便利は、残念ながらそう簡単には手放せません。でも、ストレスにならない範囲で、地球のこと海のことを考えたい。開き直っていえば、そういった問題を自分なりに考慮するのも、ファッションのひとつなのです。

 そう、最近のトレンドである「エシカル・ファッション」ですね。持続可能であること、これが流行り。今やファッションのトレンドって、カラーやら形だけではなく、こうした姿勢がもてはやされています。

 そんな「気分」はさて置き、実際にバートラを使ってみました。カラーが豊富で、2種類のベージュ、コナゴールドにトランスルーセント、クリアの5種類です。私が選んだのは、SPF38のエフカイベージュ。化粧水、乳液の後にこれをしっかり塗りました。

 スティック状なので、顔面にいくつか線を描き、それを指先で伸ばしてみる。これだけだと顔がハニワっぽくなっちゃうので、ウォータープルーフのマスカラと日焼け止め効果のあるリップグロスを塗って完成。これで4〜5キロのジョギング、小一時間の筋トレをこなし、帰り道は20分ほど歩いて帰ってきました

 汗かきの私が、2時間ほどみっちり運動しましたが、顔はほぼ家を出る時の状態を保ったまま。バートラってサーファーの間ではみーんな知っている銘柄だそうですが、さすがサーファー御用達だけあって耐水性は抜群です。私、これまで某ブランドのウォータープルーフの日焼け止めで2回ほど、ひどいかぶれを経験しましたが、こちらは大丈夫でした。一切、痒くもならなかったし。

 海のそばで育ちましたから、海で遊ぶのは大好きです。夏は何をするでもなく砂浜にいるのも好き。ですが、その度に、帰ってきて鏡を見ると「老けたなあ」なんて落ち込んでました。海辺の紫外線は照り返しなんかも入れると、街中の3倍ぐらい強力ですからね。海岸線のジョギングでも、夏はけっこう焼けちゃいます。

 しかし、この日焼け止めがあれば、なんとかなりそうです。今年の夏はたくさん海で遊ぼう。まだ桜が咲いたばかりなのに、今から待ち遠しい!

《お知らせ》
甘糟りり子さんの新著『鎌倉の家』の世界観を再現する企画展「鎌倉の逸品物語」が、代官山 蔦屋書店にて期間限定で開催中! 甘糟さん本人が愛用品をはじめとする「逸品」をセレクトし、販売。また「鎌倉の家」に登場する食卓や花器の再現したディスプレイも。本から広がる、鎌倉的空間を楽しめる内容に。

「鎌倉の逸品物語」
開催期間: 2019年3月20日(水)~4月19日(金)
会場:代官山 蔦屋書店 人文フロア(渋谷区猿楽町17-5)

[プロフィール]
甘糟りり子(あまかす・りりこ)
神奈川県生まれ、鎌倉在住。作家。ファッション誌、女性誌、週刊誌などで執筆。アラフォーでランニングを始め、フルマラソンも完走するなど、大のスポーツ好きで、他にもゴルフ、テニス、ヨガなどを嗜む。『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』『エストロゲン』『逢えない夜を、数えてみても』のほか、ロンドンマラソンへのチャレンジを綴った『42歳の42.195km ―ロードトゥロンドン』(幻冬舎※のちに『マラソン・ウーマン』として文庫化)など、著書多数。『甘糟りり子の「鎌倉暮らしの鎌倉ごはん」』(ヒトサラマガジン)も連載中。河出書房新社より新著『鎌倉の家』が刊行。

<Text & Photo:甘糟りり子>