ライフスタイル
2023年6月26日

アイスバス(氷風呂)の効果と入り方。温度や浸かる時間は?疲労回復や筋肉痛対策になる? (1/2)

トレーニング後の疲労回復や筋肉痛解消のため、「アイスバス(氷風呂)」を利用するアスリートが増えてきました。しかし、その効果や正しい入り方については、さまざまな意見があります。ここでは、アイスバスのメリットとデメリット、温度、浸かる時間、注意すべき点について解説します。

アイスバス(氷風呂)の効果とメリット

筋肉の炎症を抑えるために、冷却が有効な方法であることには疑問の余地がありません。アイスパックやスプレーが患部のみを部分的に冷やすのに対し、アイスバスは全身あるいは下半身全体を一気に冷やすことができるのが最大のメリットです。

激しい運動を行った直後は体温が上がり、筋肉が腫れます。アイスバスに入って体温を下げると、血管が収縮して体の中心部から手足の先へと血流が促進され、筋肉の腫れを抑制すると言われているのです。

また、高ぶった神経を抑え、心拍数を整える効果もあるとされています。

米国の高校や大学のスポーツ施設でよく見られるアイスバス。温度や水流の調整ができる

アイスバス(氷風呂)の入り方

多くの治療法の例にもれず、アイスバスについても、その効果を肯定する説、否定する説の両方があります。これについては、それぞれ異なった研究結果が報告されている状況です。

ここでは、一般的に効果があるとされるアイスバスについて、取り組み方と注意点をご説明します。

運動終了後15分以内に、11~15度の水に8~10分浸かる

アイスバスの方法はいたって簡単。運動後できるだけ早く(運動終了後15分以内)、11~15度の水に8~10分浸かるだけです。

実際に行うとなると、かなりの気合いと忍耐が必要になります。水泳プールの適温は26~31度ですし、よくサウナに設置されている水風呂の水温は17~20度です。

アイスバスはさらに低い水温となるため、水に氷をたくさん入れます。慣れないうちは控えめの水温、短めの時間から始めた方がよいでしょう。

アイスバスを行うときの注意点

それでは、どのようなことに注意すべきなのか。ここでいくつか解説しておきます。

水温を下げ過ぎない

11度以下にならないよう注意しましょう。

足の指先が冷え過ぎないように工夫する


靴下を履いてもいいですし、足先をときどき水から出してもかまいません。

10分以上は浸からない

特に慣れていないうちは3~5分から始め、徐々に浸かる時間を長くしましょう。

体温で温まった水を体から遠ざけるため、できれば水流があった方がよい

専門のアイスバスには撹拌機能があります。あるいは、流れのある川に浸かるのもよいでしょう。

アイスバスの後で体を急激に温めない

タオルで体を拭き、自然に体温が通常に戻るのを待ちます。温水シャワーを浴びてもかまいませんが、温度はぬるめにしましょう。

軽い運動程度のときはアイスバスの効果は薄い

激しい運動を行った直後だとアイスバスの効果は大きいですが、軽い運動程度ではアイスバスの必要性は低くなります。

アイスバス(氷風呂)は多くの有名選手も行っている

クロスフィットの世界大会クロスフィット・ゲームズで4連覇を成し遂げ、今でも伝説的な存在となっているリッチ・フローニングは、アイスバスに浸かりながらインタビューに答えることもありました。

クロスフィットの大会では数日間に渡り、しかも1日に複数の競技を行うことが普通です。そのため、大会期間中いかにして体力を回復するかということが、競技成績を上げるために重要な要素になります。

大会会場の脇にアイスバスが設置され、ひとつの競技を終えた選手がアイスバスに飛び込み、次の競技までに回復を図る姿は、クロスフィットではおなじみの光景です。

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