ウェルネスフード
2021年8月10日

最近よく聞く「EAA」とは。「BCAA」との違いは?コナミスポーツクラブの管理栄養士が解説

 ボディメイクに勤しむトレーニーたちが疑問に思っていることをピックアップし、専門家にぶつける本企画。今回は、筋トレ民やランナーの間で人気が高まっているサプリメント「EAAとはなにか、どんなサポート効果が期待できるのか、BCAAとはどう違うのか」について、コナミスポーツクラブの管理栄養士が解説します。(記事初出:2019年10月31日)

Q.最近ランナーやトレーニーの間で「EAA」を飲んでいる人を見かけますが、「EAA」とは何ですか?「BCAA」なら飲んでいるのですが、どう違うのでしょうか。

A.『EAA』は必須アミノ酸9種類を配合したサプリメント。摂取して高強度トレーニングを行うことで、筋肥大が狙えると言われています。

  『BCAA』も『EAA』もアミノ酸を摂取するためのサプリメントです。『BCAA』には、必須アミノ酸のうち異なる構造を持つバリン、ロイシン、イソロイシンが配合されていて、筋肉の合成促進のほか、筋肉の分解を抑制する働きがあるため、連続した運動をした場合の疲労感の軽減を狙えると言われています。

 トレーニングによる筋疲労を軽減させることにより、質のよいトレーニングを重ねることで効果を得たい場合は『BCAA』が利用されます。

 一方、『EAA』は20種類のアミノ酸のうち、体内では合成することができない、食品から摂取する必要のある必須アミノ酸9種類を配合したものです。摂取して高強度のトレーニングが行われたときに筋肥大が狙えるほか、筋たんぱく合成は『BCAA』を上回るとも言われています。

 ただ、『EAA』は一気に摂取すると浸透圧性の下痢を引き起こしてしまう可能性があります。運動中に少しずつ飲むとよいでしょう。

 『BCAA』と『EAA』、どちらも用途(目的)や体調、自分の消化吸収能力などを考えながら選ぶ必要があります。そして、筋肉をはじめとするタンパク質の合成には20種類のアミノ酸すべてが必要なので、『BCAA』にしても『EAA』にしても、食事と体内で合成される11種類のアミノ酸に合わせた量で合成されるとお考えください。

[プロフィール]
宮本和代(みやもと・かずよ)
コナミスポーツ株式会社 施設運営部 運営管理グループ所属。管理栄養士、健康運動指導士、食品保健指導士など数多くの資格を保有する栄養と運動指導のスペシャリストとして、コナミスポーツ体操競技部とコナミスポーツ水泳競技部の栄養管理を担当。また、シニア向けプログラムの開発と指導者の育成や、コナミスポーツクラブの会報誌の栄養ページ、受託施設向けの栄養コラムの校閲も行っている。運動に消極的な方からトップアスリートまで、健康増進・健康寿命の延長にとどまらず、自己実現に向けてサポートすることをモットーにしている。

記事協力
・コナミスポーツ株式会社
・公式サイト https://www.konami.com/sportsclub/

<Text:編集部/Photo:コナミスポーツクラブ提供、Getty Images>