BCAAと筋トレの関係
2023年2月10日

必須アミノ酸「BCAA」の効果とは。飲み方と飲むタイミング、おすすめの食べ物[管理栄養士監修] (1/3)

アスリートやトレーニング愛好家にとって、筋肉づくりや疲労回復に必要な栄養素の摂取は重要事項です。日常の食事だけでなく、サプリメントを積極的に利用している人も多いでしょう。

すばやく体内に吸収され、筋肉づくりに役立つといわれるのが、必須アミノ酸の集合体であるBCAA(ビーシーエーエー)です。BCAAというとサプリメントを思い浮かべる人もいると思いますが、通常の食品にも多く含まれています。

それでは、1日の中でどのようにBCAAを摂っていけばいいのでしょうか。

BCAAの効果的なとり方や、EAAとの違いといった基礎知識をまとめ、さらに管理栄養士の佐藤樹里さんにおすすめの食事メニューについてのアドバイスをいただきました。

BCAAとはどういう栄養素なのか

筋肉や臓器、肌など人体をかたち作っている「たんぱく質」は、「アミノ酸」から構成されています。

このアミノ酸は全部で20種類あり、体内で合成することができないため食事から摂る必要がある「必須アミノ酸(9種類)」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸(11種類)」に分けられます。

●必須アミノ酸

バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、ヒスチジン

●非必須アミノ酸

アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸

必須アミノ酸、非必須アミノ酸の図

必須アミノ酸の中でも、枝分かれした分子構造(分岐鎖)をもつのが「ロイシン」「イソロイシン」「バリン」の3種類で、その構造から「Branched Chain Amino Acids」(分岐鎖アミノ酸)、略してBCAAと呼ばれます。

BCAAは「ロイシン」「イソロイシン」「バリン」

BCAAの効果とは

BCAAは筋たんぱく質中の16%を占め、筋肉づくりにとくに効果が高いとされている注目のアミノ酸です。

その働きには「筋肉を増やす」「回復を促進する」「集中力を高める」などの効果があるとされます。

EAAとの違いは?

BCAAを調べている人なら、「EAA」という単語も聞いたことがあるかもしれません。

BCAAもEAAも、アミノ酸を摂取するための栄養です。

BCAAには、必須アミノ酸バリン、ロイシン、イソロイシンが配合されていて、筋肉の合成促進のほか、筋肉の分解を抑制する働きが期待できます。そのため、連続した運動をした場合の疲労感の軽減を狙えると言われています。

トレーニングによる筋疲労を軽減させることにより、質のよいトレーニングを重ねることで効果を得たい場合はBCAAが利用されます。

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