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5大栄養素のひとつ「ビタミン」とは。脂溶性・水溶性の種類、摂取時の働き、不足したときの症状[管理栄養士監修]

 アスリートやトレーニング愛好家にとって、筋肉づくりや疲労回復に必要な栄養素の摂取は重要事項です。カラダの維持に必要不可欠な「5大栄養素」のひとつが、「ビタミン」。ビタミンといえば食品や化粧品にも添加されている身近な存在ですが、意外にその効果を正しく理解しないまま、サプリメントなどを飲んでいる人も多いのではないでしょうか。

 そこで、栄養素としてのビタミンの基本を徹底解説! その種類や効能はもちろん、管理栄養士の佐藤樹里さんにトレーニングやスポーツへの影響、実践的な摂取の仕方など、具体的なアドバイスをいただきます。

ビタミンとはどういう栄養素か?

 人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養素には、炭水化物(糖質)・脂質・たんぱく質という「3大栄養素」のほか、ビタミンとミネラルがあり、合わせて「5大栄養素」と呼ばれます。

 3大栄養素はカラダの筋肉や内臓などをつくるほか、エネルギー源となりますが、ビタミンはその代謝を助ける“潤滑油”のような存在です。ミネラル(無機質)も骨や歯を構成したり、カラダの働きを調整するなど、健康維持に欠かせません。ともに必要な量はほんの微量なのですが、カラダを陰ながら支配する“縁の下の力持ち”です。

 ビタミンには働きが異なる13種類があり、性質ごとに以下のように分類できます。

◎脂溶性ビタミン

ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

◎水溶性ビタミン

ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸)、ビタミンC

 健康に関わる多くの成分のなかでも、ビタミンと認められるには4つの条件があり、ビタミンとは、それを充たすものの総称です。

 1.生理作用(栄養素作用)を有している栄養素である
 2.必要量は微量である(微量の摂取で健康が維持できる)
 3.有機化合物である
 4.ヒトの体内で合成することができない

 ビタミンと同じような働きをする物質でありながら、この条件を満たしていないものは「ビタミン様物質」と呼ばれます。コエンザイムQ、コリン、ビタミンP、ビタミンU、リポ酸、カルニチンなどがあります。

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの違い

 ビタミンはまず、脂溶性と水溶性の2つに分けられます。脂溶性ビタミンは油脂に溶けるのが特徴のため、食事では油脂と一緒に摂ると吸収効率が良くなります。また、熱に強いので、加熱しても大丈夫。安心して調理しましょう。ただ、摂りすぎると体内に溜まって過剰症を起こすことがあります。

 一方、水溶性ビタミンは水に溶けやすいのが特徴。調理の際に水で洗ったり、水に浸けるだけで流れ出ていってしまいます。摂りすぎても尿と一緒に排泄され、たとえば、ビタミンCの体内滞在時間は1~2時間、ビタミンB群は3時間です。

 そのため、多めに摂っても、脂溶性ビタミンのように過剰症を必要以上に心配することはありません。しかし、熱に弱く加熱すると壊れてしまうので、不足がちになりやすいのが欠点です。

ビタミンたちの働きを知ろう!

 それでは、それぞれの働きを具体的に見ていきましょう。まずは脂溶性の4種類のビタミンです。

◎ビタミンA(レチノール)

 働き:皮膚や粘膜、目の働きを正常に保つ。免疫力を高める
 不足した場合:視力低下、暗い場所で目が見にくくなる(鳥目)、肌がカサカサに

◎ビタミンD(カルシフェロール)

 働き:カルシウムとリンの吸収を促進し、骨や歯をつくる
 不足した場合:骨がもろくなる、くる病、骨粗鬆症など

◎ビタミンE(トコフェロール)

 働き:脂質の酸化抑制、細胞の老化防止、血液の流れを活発化、ホルモン分泌の円滑化
 不足した場合:血行障害による肩こり、腰痛、冷え性など

◎ビタミンK(フィロキノン・メナキノン)

 働き:血液を凝固して止血、骨や歯をつくる助けをする
 不足した場合:内出血、鼻血、胃腸からの出血、月経過多など

 次は水溶性のビタミンです。ビタミンC以外の8種類は「ビタミンB群」というグループに分類されます。

◎ビタミンB1(チアミン)

 働き:糖質の燃焼を助ける、神経機能を正常に保つ
 不足した場合:疲れやすい、眼精疲労、肩こり、腰痛など

◎ビタミンB2(リボフラビン)

 働き:脂質の代謝に欠かせない、老化を進行させる過酸化脂質を分解、細胞再生を促進
 不足した場合:肌あれ、口内炎、子どもの成長を阻害する

◎ビタミンB6(ピリドキシン)

 働き:たんぱく質の代謝に必要、ホルモンや神経を正常に保つ
 不足した場合:肌あれ、口内炎、貧血、聴覚障害、免疫力低下など

◎ビタミンB12(コバラミン)

 働き:赤血球の生成に必要、神経の機能を正常に保ってカラダのリズムを調整する
 不足した場合:悪性貧血、神経障害、記憶障害、うつ病、慢性疲労など

◎葉酸(プテロイルグルタミン酸)

 働き:たんぱく質をつくる、細胞や赤血球の生成に必要、認知症予防
 不足した場合:動脈硬化、巨赤芽球性貧血、神経障害、腸機能障害など

◎ナイアシン(ニコチン酸・ニコチンアミド)

 働き:皮膚・粘膜の健康維持、3大栄養素の代謝に必要
 不足した場合:肌あれ、口内炎、食欲不振など

◎ビオチン

 働き:皮膚・目・髪の健康を保つ、3大栄養素の代謝に関与
 不足した場合:皮膚炎、脱毛、白髪、疲労感など

◎パントテン酸

 働き:3大栄養素の代謝に役立つ
 不足した場合:副腎障害、手足のしびれ、頭痛、不眠、食欲不振など

 最後はビタミンの超有名人、ビタミンCです。

◎ビタミンC(アスコルビン酸)

 働き:メラニン色素の生成を抑える、皮膚や血管などをつくるコラーゲンやエネルギー 産生に関わるカルニチンの生成、抗がん作用、抗ストレス
 不足した場合:しみ・そばかす、歯肉炎、歯ぐきからの出血、倦怠感など

 ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEには強い抗酸化作用(カラダをさびつかせる活性酸素を除去し、細胞を修復する力)があり、特に3つを同時に摂ると効果がより高まります。ビタミンACE(エース)と覚えておきましょう。

 さて、ビタミンの種類や働きなど、ここまでで基本的な知識を理解していただけたと思います。引き続き後編では、実際にビタミンを摂取する際の効果的な方法や、おすすめのメニューについて解説していきます。

後編:ビタミンを多く含む食べ物一覧、効果的な摂取方法、おすすめレシピ[管理栄養士監修]

[監修者プロフィール]
佐藤樹里(さとう・じゅり)
管理栄養士。フィットネスクラブにて水泳インストラクター兼管理栄養士として勤務後、フィリピン留学を経てカナダ・バンクーバーへ渡航。現地のブランチレストランでカナダ人のシェフと共にシェフアシスタントとして働く。帰国後はアスリート向けの食堂と老人ホーム厨房にてWワークを経てスポーツ栄養系健康会社に転職。その後、「アスドリファクトリー」代表として独立。好きな食べ物:チャーハン。趣味:チャーハンめぐり・筋トレ
【公式Twitter】https://twitter.com/jurijapan1

<Text:渡辺幸雄/Edit:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

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