2021年12月23日

なぜ「卵」は筋トレ民に人気?管理栄養士が解説

 卵は「完全栄養食」とも呼ばれ、良質なタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルなどをバランスよく含んでいます。スーパーやコンビニなどで安価で手に入り、手軽にたんぱく質が摂れることから、バルクアップを目指す筋トレ民に人気の食材となっています。

 今回は卵と筋トレの相性について、Japanマラソンクラブで走り方や食事指導を行なう管理栄養士の深野裕子さんに聞いてみました。

卵がトレーニーにおすすめの理由

卵は多種多様な栄養素がバランスよく含まれている

「卵は『完全栄養食』と呼ばれるほど栄養価に優れ、トレーニーに必須のたんぱく質はもちろん、多種多様な栄養素がバランスよく含まれています。また、簡単な調理で食べられるので、朝食や昼食のほか、トレーニングの合間の間食として利用しやすいことも魅力です。ゆで卵でもしっかり噛めば少量で満足感が得られ、腹持ちがいいのもトレーニーにおすすめの理由になります」(深野さん)

良質なタンパク質をはじめ、トレーニー必須の栄養素が豊富

 トレーニング後は、プロテインやプロテインバーなどの食品を摂る人も多いかもしれません。プロテインバーと卵のたんぱく質量を比較してみると、コンビニなどで売られている一般的なプロテインバー1本あたりのたんぱく質は約10g前後のものが多く、一方コンビニのゆで卵は1個あたり約6~7g(約50g前後のSサイズ)のたんぱく質が含まれていて、2個入りで売られているものならプロテインバーのたんぱく質量を上回ります。

 卵に含まれる良質なたんぱく質がトレーニー注目の栄養素なのはいうまでもありませんが、たんぱく質以外でトレーニーが注目したい栄養素には何があるのでしょうか。以下は、卵の鶏卵の成分と卵1個あたりの主な栄養素と1食あたりの摂取目安です。

▲『女子栄養大学出版 調理のためのベーシックデータ』より監修者制作
註:1日あたりの摂取目安は男女ともに30~49歳より算出。
エネルギー、炭水化物、脂質量は身体活動レベルⅡとして算出。
1食あたりの摂取目安は1日あたりの摂取目安×1/3として算出

 「たんぱく質に注目するのは当たり前ですが、ほかにもバルクアップを目指すトレーニー必須の栄養素があります。特に筋たんぱくの合成を促してくれるビタミンD、たんぱく質、糖質、脂質の代謝に必要なビタミンB群が豊富なのは大注目ですね」(深野さん)

ビタミンCと食物繊維は補う必要がある

 ただ、卵にはビタミンCと食物繊維が含まれていないため、「野菜や果物も併せて摂取するとなお栄養バランスが整います」と深野さん。不足する栄養素を補うことは重要です。

ビタミンCを多く含む野菜とセット

→温野菜サラダ(ブロッコリー・パプリカ・トマト)+ゆで卵 など

果物とセット

→ビタミンCを多く含むいちご、キウイ、グレープフルーツ など

まとめ

卵が筋トレ民におすすめの食材である理由

✓ さまざまな栄養素がバランスよく含まれている
✓ 高たんぱく質、低糖質である
✓ 筋たんぱくの合成を促すビタミンD、脂質の代謝に必要なビタミンB群が豊富
✓ 簡単な調理で食べることができる
✓ 腹持ちがよく、しっかり噛めば少量で満足感を得ることができる

関連記事:卵は1日何個まで?ゆで卵と目玉焼きどっちが体にいい?管理栄養士が解説

[監修者プロフィール]
深野祐子(ふかの・ゆうこ)
管理栄養士・ジョギングインストラクター。Japanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行なう。
【Japanマラソンクラブ公式サイト】https://www.jmcrun.com/

※本記事はMELOSで公開された記事「筋トレやダイエットに最適な“卵”の実力&栄養素を徹底解説。高たんぱく質の理由、1日に何個まで、食べ方[栄養士監修]」を再編集したものです。

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>