秋の登山ファッションは「ウールのレイヤリング」【最旬♪スポーツ×ファッション通信 #4】
日々進化し続けているスポーツウェア&ギア。機能美と融合したファッション性の高さ、スタイリッシュなデザインを備えた最新&人気アイテムをご紹介する本企画。第4回は、大自然を満喫するのにぴったりなこの季節におすすめの「最新登山ファッション」をお届けします。
山だけではもったいない! 街でも着たい登山ウェア
秋は色鮮やかな山々の景色を楽しみながら歩くのに絶好の季節。今回は秋の登山ウェア&ギアのおすすめポイントについて、世界中のアウトドアグッズを取りそろえるA&Fカントリー本店店長の平戸隆志さんにお話を伺いました。
「登山用品は、つきつめていくと、自分の命を預ける道具なんですね。登山は自己責任なので、何か起きた場合は自分で処理をしなければならない。そのためのサポートをするのがウェアや道具になってくるんです。気候の変化に対応する意味でも、登山ウェアは重ね着をすることが基本です」
まず、ベースレイヤーのおすすめは肌触りの良いメリノウールを使用したアンダーウェア。伸縮性に優れていて動きを妨げず、天然ウールの抗菌性による防臭効果も。
▲ウーリーズ1クルー ストライプ 左:メンズ 右:レディース 各11,880円(ibex)
「ウールは保温効果があって、さらに汗冷えを防げます。山歩きをしていて、汗をかいてから風を受けると一気に身体が冷えてしまったりするんですが、ウールだと汗冷えが起こりにくい。普段着でもシャツの下にこれを1枚着ると、薄着でいられて便利です」
中間着として1着は持っていたいのが、登山ウェアの定番であるクラシカルなフランネルチェックシャツ。ウールとナイロンの混紡で、快適な着心地です。軽く羽織ったり、腰に巻いたりとオシャレな着こなしで街着としても重宝します。
▲タオスプレイドシャツ 左:メンズ 右:レディース 各27,000円(ibex)
「山では朝晩の寒暖差が大きく、また標高によっても気温が変わってくるので、これからの季節はある程度の寒さに対応できるアウターを用意する必要があります」
小さく折りたためて軽量なウィンドシェルは、携帯に便利。動きやすいストレッチ素材が使用されています。
▲タントラムフーディ 左:メンズ 右:レディース 各16,740円(OUTDOOR RESEARCH)
「従来、登山ウェアはエマージェンシーカラーの赤、青、オレンジ、黄色っていうのが多かったんですが、最近は街着としても違和感のないダークな色のアウターも増えています」
▲左:Msフェロッシーフーディ 左:メンズ 右:レディース 各17,280円(OUTDOOR RESEARCH)
「パンツは足の動きを妨げないような伸縮性のある素材っていうのが重要になってきますね。デニムだと突っ張りますし、綿は汗かくと乾きにくく、汗冷えで身体を冷やしてしまうので、素材はウールや化学繊維がおすすめです」
▲フェロッシーパンツ 左:メンズ 右:レディース 各11,880円(OUTDOOR RESEARCH)
街着として着回せるものをそろえて普段から着慣れておけば、登山の際にもより快適に歩を進めることができそうですね。
快適な山歩きを実現するフィット感バツグンのバックパック
「重たい荷物をいかに安定させて身体への負担を減らすかっていうのがバックパックの大きな役割です。それを実現するために、腰に荷重をかけるパーツと背中にフィットさせるパーツを別々にするスタイルを開発したブランドのバックパックが注目されています」
▲左:スクリー 24,840円 右:ケルン(女性向け) 24,840円(すべてMYSTERY RANCH)
バックパック本体は軽量ながら、安定感がバツグン。女性向けモデルには女性の身体に合わせて専用設計されたハーネスが付いているというこだわりようです。
「シューズ選びは登山道の整備状況と荷物の重さによって変わってきます。日帰りで荷物も軽く、整備された登山道を歩くのであれば履きなれたローカットのシューズのほうが歩きやすいかもしれません。重い荷物を背負ってデコボコ道を長時間歩くのであれば、ハイカットのシューズのほうが足首を保護してくれるので安全です」
▲インヘイラーⅡGTX 左:メンズ 右:レディース 各25,920円(VASQUE)
「ソックスのおすすめは、クッション性があって、できるだけ蒸れを抑える素材のもの。歩いていて疲れにくく、靴擦れを防ぐ効果があります」
▲左:ブーツソック フルクッション 左:メンズ 右:レディース 3,456円(DARN TOUGH)
シューズは必ず試し履きをして自分に合ったものを選びましょう。ソックス選びも意外に重要。足元が快適だと、疲労度も全然違ってきます。
「帽子は日よけ、防寒だけでなく、落石など上からの落下物から頭を守る意味でも登山には必需品です。これからの季節、気温が低くなる時間帯もありますので、ウールやフリース素材がおすすめです」
▲左:ニットロゴビーニー 4,320円 右:ユーロローデンキャップ 6,480円(すべてibex)
寒くなってきたら耳まですっぽり包まれるものがうれしいですね。ウールは蒸れにくいので、暖かい日にかぶっていても不快感がありません。
「ひとつ持っていると便利なのが、タオルマフラー。日本に昔からある今治タオルです。登っている時は首に巻いてUV対策に、汗をかいたら汗ふきタオルとして。下山して温泉に寄ったりしたときにも便利です」
▲今治オーガニックコットンマフラー ショートタイプ 各1,080円(宮崎タオル)
全20色あって、長さも2種類。熱がこもりすぎず、風よけにもなるので、山だけでなく街中でもオシャレに便利に使えそうです。
「もしも」のときに持っていたい登山アイテム
「山中でもしものときのために、コンパスは持っていたいですね。小さいものでいいので、こまめに自分の歩いている方向と、目的地はどっちかというのを確認して、使い慣れておくといいと思います。それと、笛。荷物だけが滑落してしまうという状況も考えられますから、笛はバッグに入れておくのではなく、身に着けておくことをおすすめします」
▲ミニコンポ1,728円(SUN COMPANY)
▲オリジナルIDホイッスル 各1,404円(A&F)
「オリジナルIDホイッスル」には防水カプセルが付いていて、中に入っている防水紙に緊急時に必要な情報が書き込めるようになっています。ジッパーの留め具に付けるなどしておくと安心ですね。
うつろいゆく季節を目で、肌で感じることができる登山。経験を積めば積むほど、さまざまな楽しみ方ができるようになります。ウェアをそろえたらまず、気軽にチャレンジできる低山から始めてみてはいかがでしょうか。
【取材協力】
A&Fカントリー本店
住所:東京都新宿区新宿6-27-56 新宿スクエア1階
TEL:03-3209-0750
営業時間:11:00~20:00 不定休
[公式HP]
http://aandf.co.jp/stores/afcountry/shinjuku_honten
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<Text&Photo:丸山美紀(アート・サプライ)>