求められるのは、スピード、パワー、アジリティ。アメフトの身体能力テストを現地アメリカで取材してきた (1/2)
毎年恒例、アメリカンフットボール・NFLのスカウティング・コンバインが、今年もインディアナポリスで行われました。この時期になると、アメリカのスポーツニュースは、この話題で持ちきりになるほど。
NFLスカウティング・コンバインには、カレッジ・フットボールから選ばれたNFLドラフト候補生たちが一堂に会し、NFLチームのスカウトやGM、コーチ陣の前で身体的能力や精神面などをテストされます。そしてテスト結果が、NFLドラフト会議の指名順位を大きく左右するのです。
実はアメリカでは、中学生や高校生たちを各年代で選考する際にも、このNFLスカウティング・コンバインと同じ形式による身体能力テストが行われています。今回は、そのうちの1つ、カリフォルニア州・ロングビーチで行われた「オープニング・コンバイン」を取材しました。
NFLスカウティング・コンバインでは、どんなテストが行われる?
NFLスカウティング・コンバインは、大学アスリートのトップ中のトップが集まる場。今年は、メジャーリーグのオークランド・アスレチックスからもドラフト1位指名を受け、野球ではなくアメフトを選択して話題を呼んだカイラー・マーレイ選手(オクラホマ大学3年)も参加し注目を浴びました。
NFLスカウティング・コンバインの身体能力テストは、以下の7種目です。
・40ヤード(約37メートル)走
・ベンチプレス(約100キロ)の連続挙上回数
・垂直跳び
・立ち幅跳び
・20ヤードのシャトルラン
・60ヤードのシャトルラン
・3コーンドリル
アメフトというスポーツの特性上、テストされる身体能力は、おもにスピード、パワー、アジリティに集中されます。持久力などは、アメフトに不要なためテストされません。ポジションによって重視される身体能力も異なり、結果の比較もポジションごとによって行われます。上記に加えて、選手たちはポジションごとの実技テストを受け、チームとの面接や身体測定、薬物検査、メディカルチェック、さらには知能テストまでが課せられます。
このNFLスカウティング・コンバインと同じ形式を踏襲し、中学生や高校生を対象に選手たちを集め、身体能力をテストするイベントも全米各地で行われています。今回は、そのうちの1つ、カリフォルニア州・ロングビーチで行われた「オープニング・コンバイン」を取材してきました。