2017年6月21日

日焼け防止を制するものは美髪を制す! 頭皮、毛髪の紫外線予防&ケア(前編)【美トレの教室 Vol.3】

 野外でのトレーニングが一番気持ちいいこの季節。しかし紫外線が一番強いとされているのも5〜6月。そして当然9月頃までは紫外線量が強い日が続きます。肌に日焼け止めは常識ですが、髪の毛はどうしていますか? 紫外線のダメージに弱いのは毛髪や頭皮も一緒。しっかり予防して健やかなヘア&頭皮をキープしましょう!

紫外線ダメージ。髪の毛にはどう影響するの?

 紫外線が毛髪に当たると紫外線は吸収され、毛髪を構成しているアミノ酸が酸化されて別の物質に変化してしまいます。こうなることで、毛髪を構成しているケラチンタンパクがダメージします。

 また健康な毛髪はS—S結合というものができています。紫外線による酸化によってS—S結合を切ってシステイン酸(SO3H)が生成されてしまうのです。このシステイン酸、できてしまうと毛髪のS—S結合は元には戻りません。プールや海水浴などで髪が濡れた状態で紫外線を浴びるとシステイン酸の生成が加速され、さらにダメージが大きくなります。 

 毛髪を構成する成分や結合がダメージしてしまえば、毛髪の中身がスカスカ。もちろん表面のキューティクルもボロボロ。よりダメージを受けやすくなる悪循環に陥ってしまいます。そして、乾燥、強度の低下による枝毛切れ毛、表面の粗雑化、ヘアカラーの退色や光沢の消失などの影響を受けてしまうのです。

 毛髪は明らかに手触りが変わってしまうので、紫外線ダメージを意識しやすいのですが、頭皮は炎症を起こすくらい酷くなるまでなかなか気付かないもの。頭皮の日焼けも肌への影響と同じこと。紫外線により炎症を起こしたり、乾燥してしまったり。肌老化が引き起こされ、毛母細胞がうまく働くなることも。頭皮は髪の毛を作るための大事な土壌です。健康な毛髪には頭皮のケアも必須なのです。

トレーニングでの日焼けを防ぐオススメアイテム

とにかく浴びない!キャップで紫外線予防

 屋外でのトレーニングでは、直射日光を避けるためにもまずは物理的にUVカット。ランニングキャップは紫外線予防以外にも、汗止め効果もあるので流れる汗が気になりにくいのもいいですね。選ぶポイントは、速乾性、通気性がよく蒸れにくいメッシュ素材のものならこちら。

▲adidas(アディダス) ランニングウェア クライマクールキャップ BUH65 [ユニセックス]

 見た目からして、とても実用的なランニングサンキャップ(首の後ろまでカバーされている)ものもいろんなメーカーから出ています。髪の毛が日に当たらないようキャップに収めましょう。

▲ASICS(アシックス) ランニングサンキャップ XXC202

キャップには、布用UVカットスプレー&UVカット洗剤を

 そもそもキャップを始め、衣類などのUVカットとはどうなっているのでしょうか? 一つは、UVカット素材を繊維に織り込む方法。紫外線だけでなく赤外線や可視光線などが含まれますが、練りこまれた無機微粒子がこれらの投下も防ぐので、強い日差しの中でも衣服内の温度上昇を抑えます。UVカット効果は持続し、洗濯によるUVカット率の低減はないとされています。

 しかし、ランニングキャップ製品にUVカット素材を使ったものは見つけられず……、UVカットをうたってる製品は紫外線吸収剤などを吹き付ける後加工タイプ。こちらは洗濯するたびに効果が落ちていきます。そこで!布用UVカットスプレーとUVカット洗剤を使って、効果を持続させましょう。

▲衣類用UVカット&色あせ防止スプレー

 紫外線吸収剤の効果で色あせ防止効果も。肌に直接つけることがちょっと不安な紫外線吸収剤もキャップやウェアになら安心。UVカット率は98%!

▲UVカット液体洗剤「UV CUT LAUNDRY DETERGENT」

 こちらも紫外線吸収剤が繊維をコーティング。洗うたびにUVカット率が上がり、5回のお洗濯でUVカット率は97%まで上昇します。柔軟剤と併用することでさらに紫外線カット効果が高まります。

 これらがあれば、よく洗濯するアイテムも、UVカット効果が期待できますね。次回は、髪の毛や頭皮の日焼け止めアイテムをご紹介します!

[監修&著者プロフィール]
八重嶋美彩(YAESHIMA MISAI)
代官山の美容院にてヘアメイク、SPAセラピストや着付けなど多方面で活躍。スポーツをされるお客様の美容サポートから、自身もスポーツや身体を動かすことが好きでその活動の幅を拡大中。

<Text:八重嶋美彩/Photo:Getty images>

《関連サイト》
http://shop.adidas.jp/
http://www.asics.com/jp/ja-jp/