年齢は記号以下。今年で50歳を迎える彼女はアスリートのようだった│連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#25 (2/2)
最初は黒いキラキラに袖と裾にファーがあしらわれたドレスで(左足には太ももまでのスリット入り)、それを脱ぐとラインストーンびっしりの水着みたいなボディスーツ。タイツにもラインストーンが付いてました。その後、ピンクのファーと黒いボルサリーノをかぶって歌い、ダンサーに囲まれたかと思うと、今度はピンクの羽がたくさんついたミニワンピ。さっきまで黒いロングブーツだったのがシルバーのショートブーツに履き替えてました。やー、わずか6分の間に、4回のお召替え。これ、歌って踊る間にやるんですよ。
最後、モータウン・レコードの功績を讃え、音楽への感謝を述べ、モータウン所属のNE-YO(ニーヨ)を紹介し、彼の歌とハモったかと思うと、また激しく踊る。ダンスの中でダンサーの手を借りて、宙返りを2回も披露しました。スパンコールと羽根付ワンピとハイヒールで、ですよ。曲の終わりはグランドピアノの上に乗ってヒップを激しく振って踊り、身体をのけぞらせての決めポーズで締めくくってました。
時間にしてみれば6分間なんですが、インパクトの質量に換算してみると、もうその何十倍って感じでした。口開けて見とれちゃった。たった6分で4回の衣装替えもすごいですよね。早着替えってむずかしいと聞いたことありますが、彼女はブーツまで履き替えてるんですよ。たった6分間のために。(それにしても、世界のトッププロに失礼なんですが、これ、6分間でどれぐらいのカロリーを消費したんだろう?)
先日、LIMでのトレーニングの後、ちょっとだけダンスを教えてもらったので、ジェニファー・ロペスの体幹のすごさがひしひしとわかります。彼女は今年の7月で50歳。女性誌でよく見かける「年齢なんて記号」云々のフレーズ、正直いうと苦手だったのですが、J.Lo(※ジェニファー・ロペスの愛称)を見ていると、年齢は記号以下という気がします。
私も言い訳ばっかりしてないで、もっとトレーニングに励もう!と自分に誓いました。動ける中年、目指してね。単純ですか?
[プロフィール]
甘糟りり子(あまかす・りりこ)
神奈川県生まれ、鎌倉在住。作家。ファッション誌、女性誌、週刊誌などで執筆。アラフォーでランニングを始め、フルマラソンも完走するなど、大のスポーツ好きで、他にもゴルフ、テニス、ヨガなどを嗜む。『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』『エストロゲン』『逢えない夜を、数えてみても』のほか、ロンドンマラソンへのチャレンジを綴った『42歳の42.195km ―ロードトゥロンドン』(幻冬舎※のちに『マラソン・ウーマン』として文庫化)など、著書多数。『甘糟りり子の「鎌倉暮らしの鎌倉ごはん」』(ヒトサラマガジン)も連載中。河出書房新社より新著『鎌倉の家』が刊行。
<Text:甘糟りり子/Photo:Getty Images>