2021年7月21日

「オリンピック」、名前の由来は?選手村ってどんなところ?オリンピック雑学まとめ【スポーツ雑学百科】

 知って得するスポーツトリビアを厳選してお届けする「スポーツ雑学百科」。いよいよ開催が迫る「東京2020オリンピック・パラリンピック」。都内では、オリンピックに向けた準備が着々と整いつつあります。そんな「オリンピック」に関する雑学を2つ紹介していきます。

【第1話】なぜ『オリンピック』という名前なのか?  

 近代オリンピックが始まったのは1896年のこと。その前身となる古代オリンピックが誕生したのは、今から2700年以上も昔といわれています。今でこそオリンピックは、世界の平和を目的とするスポーツの祭典として親しまれていますが、昔は趣が異なっていました。

 古代オリンピックは神話の最高神「ゼウス」をはじめとする多くの神々を崇めるためのスポーツや芸術のお祭りでした。つまり、宗教的な行事だったのです。祭典は、オリンピアというゼウスの神域の場で開催されていたことから「オリンピア祭典競技」と名付けられ、これこそが「オリンピック」の語源となっているのです。

 古代オリンピックでは、近代よりも多くの個性的な種目が行われていました。一部例を挙げると、「ディアロウス競走」と呼ばれる中距離走や、今のマラソンに近いルールの「ドリコス競走」。短距離走、幅跳び、円盤投げ、やり投げ、レスリングの5種目を1人の選手がこなす「ペンタスロン」。さらには、ボクシングやパンクラティオンと呼ばれる格闘技など、今でも耳にするスポーツ名と重なる部分もあるようですね。

 古代オリンピックは、293回開催され、回を重ねるごとにルールや種目も変化していきました。古代オリンピックでは、ギリシャ人以外の参加が認められていませんでしたが、次第にローマが支配する地中海全域の国から競技者が参加するようになりました。

 しかし、392年にローマ帝国がキリスト教を国教と定めたことにより、1169年もの歴史を誇った古代オリンピックは終焉の時を迎えたのです。

▲1896年、アテネで開催されたオリンピック

 その後、1500年という時を経て、近代オリンピックとして再開催されます。オリンピック復興構想が明らかになってから4年後となる1896年、ギリシャのアテネで「第1回近代オリンピック大会」が行なわれたのです。

 平和の祭典として開催され続けるオリンピック。4年に一度、世界中が注目するスポーツの大きなお祭りとして、多くの方から愛され続けているのです。

【第2話】いくつ知ってる!? オリンピック雑学まとめ

  次は知っているようで説明できない、そんな歯がゆい「オリンピックの雑学ネタ」をいくつか紹介しましょう。みなさんは、いくつ知っているでしょうか。

どうして4年に一度の開催なのか?

 古代ギリシャには、4年間を「オリンピアード」という「年代の基準」にしており、古代オリンピックはそれにしたがって4年に1回開催されたそうです。あいまいな基準が正式に採用されたのは、近代オリンピックが開催された1896年です。その後4年ごとに開催することが決まりました。

 つまり、4年の理由は古代ギリシャの年代の基準にあったのです。

出場に年齢制限はあるの?

 実は種目ごとに年齢制限が異なります。たとえば、スケート(スピード、ショートトラック、フィギュア)は大会前の7月1日現在で15歳以上、体操競技は16歳以上(その年の12月31日までに満たせばよい)など、年少のうちに第一線で活躍できる選手になり得る競技の場合は、年齢制限を設けているとのこと。

金メダルって本当に純金でできているの?

リオオリンピックの金メダル

 実は金メダルも銀メダルも材質は同じ銀です。違いは、金メッキが施してあるかどうかのみ。さらに、銀の材質も純度が1000分の925なので、純銀ではなく、銅を混ぜた銀合金ということになります。

 ちなみに、第1回アテネ大会では、1位選手に銀メダルとオリーブの葉冠、2位に銅メダルが与えられ、3位には何もなかったそうです。

「入賞」って何位まで?

 入賞の概念はスポーツごとに異なりますが、オリンピックの場合、入賞は個人・団体とも8位までと決められています。入賞なので、もちろん4位から8位までの選手には、賞状が授与されることが定められています。

 ちなみに冬季14回サラエボ大会、夏季23回ロサンゼルス大会までは、「入賞は6位まで」だったそうです。

選手村ってどんなところ?

リオオリンピックの選手村の様子

 参加選手がホテル不足で困らないよう、1924年のパリ大会に木造のコテージが建てられたのが選手村の原形といわれています。選手村と呼ばれ、利用され始めたのは、1932年の第10回ロサンゼルス大会からのこと。当時は男子のみ選手村に宿泊し、女子にはホテルが用意されたそうです。

 最近は選手村内の充実ぶりは素晴らしく、24時間営業の食堂や銀行、郵便局、娯楽施設など至れり尽くせりの施設になっています。

《参考文献》
日本オリンピックアカデミー 監修『オリンピック・パラリンピック大百科3』小峰出版
石出法太・石出みどり 著『これならわかるオリンピックの歴史Q&A』大月書店

<Text:アート・サプライ/Photo:Getty Images>