コロナ禍におけるランニングイベント運営の工夫とは。宮城県・作並トレイルツアーの場合 (3/3)
2日目:鎌倉山・定義
2日目は岩松旅館からほど近い、鎌倉山や定義を中心とした約23kmのコース。累積標高差は1日目と同程度なので、比較的ゆるやかです。天候にも恵まれ、さらなる絶景との出会いに期待が高まります。
序盤から見晴らし最高のポイントにご案内いただき、カメラのシャッターが止まりません。幻想的な曇り空もいいですが、やはり晴れ渡った空は最高です。
2日目もまた、なかなかおもしろいコースになっていました。金属板のような橋で川を渡ったり、ぬかるみを回避するため、ずらりと並べられた丸太の上を通ったり。足がぬかるみに入って汚れてしまう方もいましたが、それすら笑って貴重な思い出になります。
2日目は山道だけでなく、半分ほどがアスファルトになっています。トレイルランナーの中にはアスファルトが苦手という方も多く、やはり苦戦したという声もチラホラ。しかし、あまり高い場所まで登らないため、周囲を囲んでいた見事な紅葉が気を紛らわせてくれます。
距離が長いことから、2日目は定義にてエイドが設けられていました。そこで振舞われたのが「定義三角油揚げ」。地元の名物で、厚みのあるボリューム満点な油揚げです。
疲れていても下りになれば走れる! 秋から冬へと移り変わる山の姿を楽しみながら、周囲との距離を意識しながら走る参加者たち。多くの方は久しぶりのトレイルイベントだったようで、常に笑顔が輝いていました。やはり誰かと一緒に楽しむトレイルランニングは、普段のトレーニングと比べても別格なのでしょう。
作並温泉旅館組合をはじめ運営側からの徹底した配慮によって、2日間にわたり多くの参加者を楽しませてくれた「作並トレイルツアー」。幸いにも雨に降られることもなく、山ならではのすばらしい景色を目にしながら走ることができました。
まだ新型コロナウイルスは猛威を振るっており、決して安心できる状況ではありません。しかし運営側、そして参加する側の双方がしっかり感染対策を徹底することで、このようにイベントが実施できるようになっています。コロナ禍で大切なのは、自分たちにできること、やるべきことを徹底する。そして自分だけでなく、一人ひとりが周囲へ配慮する気持ちなのかもしれません。
岩松旅館 公式サイト
https://ssl.iwamatu-ryokan.com/
[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】https://www.run-writer.com
<Text & Photo:三河賢文>