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神木隆之介『いだてん』インタビュー。「ムカつくけど如才ない、五りんはそういう役としてありたい」 (1/3)

 日本人初のオリンピアンとなった金栗四三と、1964年の東京オリンピック招致に尽力した田畑政治を描いた、宮藤官九郎さん脚本によるNHKの大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』。

 物語の語り部である、古今亭志ん生(演:ビートたけし)の弟子として活躍する五りんですが、これまで出生の秘密はベールに包まれたままでした。しかし第2部も佳境に入る中、驚きの事実が徐々に明らかになっていきます。

 都内では、本作で五りんを演じている神木隆之介さんを囲んだ合同インタビューが実施され、今後の見どころ、落語への思い、宮藤官九郎さん、ビートたけしさん、大根仁さんとのエピソードなどが明かされました。

【あらすじ】第40回「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(10月27日放送)
1959年。東京オリンピックの招致活動が大詰めを迎えていた田畑(阿部サダヲ)は、東京都庁にNHK解説委員の平沢和重(星野源)を招き、きたるIOC総会での最終スピーチを引き受けるよう頼みこむ。断る平沢に対し田畑は、すべてを失った敗戦以来、悲願の招致のために全力を尽くしてきた自分の「オリンピック」を語って聞かせる。それは、戦後の食糧不足の中、浜松で天才・古橋廣之進(北島康介)を見いだすところから始まる──。

落語はやらないと思ってたのに

――五りんは、落語家としても成長していきます。落語シーンの思い出は。

個人的には、いっぱいいっぱいで一生懸命、演技しています。五りんは、みんなに話しつつも自分にも聞かせているような話し口ですよね。それで真実がどんどん明らかになっていくわけですが、その内容が本人が最初から知っていたことなのかはわからない。作品を見てくださっている方が「オリンピックには、こんな歴史があったんだ」「こんな関係性なんだ」と理解していく、それと一緒に五りんも勉強していく、そんなキャラクターだなと思っています。

はじめてお話をいただいたとき、落語に興味がない人物だと聞いていたので、落語はやらないものだと思って安心していたんですけど(笑)。徐々に落語のシーンが入るようになって「あれ?」と思いました。

五りんは、視聴者の目線にイチバン近いキャラクターなので、それを守って演技しようと思っていて。初めて歴史を聞いた人の反応の鮮度が保たれるように頑張っています。

――落語の指導はあったのでしょうか。

最初の方に2、3回、NHKに通って先生に所作を習いました。扇子の使い方、手ぬぐいの使い方など。五りんがやっているのは現代落語なので、直接的には使う機会はないのですが、扇子を箸の代わりにして蕎麦を食べる所作だったり、扇子がときには杖になったり。音を出したり、何でも表現できるわけです。そうした基本的なことと、あとはセリフの抑揚。速度や、どう言ったらサゲが分かりやすいか、などを教えていただきました。撮影中はずっと見守っていただいており、ボクも分からないことがあったらすぐに先生に聞いています。

五りんはオリジナルキャラクターですが、他の演者の方は、本当に大変だと思います。森山未來さんなんて、古今亭志ん生の若い頃だけでなく、金原亭馬生さんや、古今亭志ん朝さんも演じてられました。その姿を目の前で見ましたが、喋り方からして「全然、違う人だ!」と驚きました。これは、未來さんと話していたときのことなんですが――。やっているときにご本人のファンの方、落語を聞いたことがある方がいらっしゃるわけで、その方たちが、ちょっと首をかしげることがある。「この言い回しがな」「こうなんだよな」なんて顔をしている。「それを見るとすごいショックなんだ。どうしようと思うよね」と未來さんが言っていました(笑)。あたかも本人のような動き、喋り方、目線の使い方に至るまで、意識しなくちゃいけないプレッシャーがあって、大変なんだなと。その点、オリジナルキャラクターの五りんは、求められているレベルが圧倒的に違い、少しのほほんとしています(笑)。

――見ていて、楽しそうな印象です。寄席に来ているお客さんの反応などは。

たとえ芝居でも、笑ってくれるとうれしいです。反応してくれると、こちらも乗ってくる。芝居ですけど、人と楽しさを共有するというのは現場の一体感にもつながりますし、演者としては一緒に楽しめているなという実感が沸いてきます。オリジナルキャラクターだからこそ、楽しくやらなくちゃと思っています。師匠にも「こいつ段々と上手くなってきたな」とか「まだまだだな」などと言われていますが、落語をマスターするわけではありません。でも二ツ目となり、今松(演:荒川良々)を超えて(笑)。もともと部外者だった者が志ん生の目に留まり、弟子になり、お客さんも反応してくれるところまでいったわけですね。

だから下手くそなりに、お客さんに楽しんでもらえる落語をしなきゃいけないんだろうな、という思いを持っていたので、自分自身も落語を楽しまなきゃいけない。セリフを噛む・噛まないという部分で緊張はしますが、撮影だから噛んでもやり直しはできる。それは気にしないで、思いっきり楽しんで1回やってみよう、ということを大事にしています。それが伝わったらうれしいですね。

お父さんが分かったときの衝撃

――お父さんの真実が明らかになったときの反応は。

「仲野太賀(小松勝 役)かよ!まじか」と思いましたね(笑)。映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)でも共演していますが、太賀がお父さんって(笑)。時代的に2人が会うことはないのですが、何かで会う機会があったら「お父さん」って呼ばないといけない。同級生が父親というのは、すごい複雑です(笑)。

(NHK大河ドラマ第51作の)『平清盛』(2012年)でも(自身が演じた源義経の母親 常盤御前役だった)武井咲さんはボクと同じ歳でした。何なら5か月、ボクの方が早く生まれているのに「母上」って。でも芝居だからやりますよ。もちろん、そこに疑問はないのですが、うれしさ半分、「そうなんだぁ」という思い半分で、演じていました(笑)。

――劇中では、金栗さんや小松さんのように、五りんも水を浴びるシーンが出てきました。

ボクははじめから、『あぁ五りんは金栗さんと関係があるんだ』と思っていました。でも、こんなに早く伏線を張ることはないのにな、とも思いました。第1回の撮影に入るとき、ボクは何も知らないまま現場に入りました。初回の方で、ハガキだったかな、手持ちの小道具で五りんの名字が「小松」ということは知っていたのですが、それほど重要だとは思っていなくて。

水を浴びるシーンで、スタッフさんには「参考として金栗さんの映像を見ますか?」と言われて。その時点で「じゃあ、やっぱ自分は金栗さんと深く関係している人物なんだ」とか思うじゃないですか(笑)。まぁ、狙い通りといったら狙い通りなんですけれど。ボクが何の疑問も持たずに金栗さんを真似するルートに持っていったスタッフさんの指示は正解でした。

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