東京五輪のマラソン、札幌で開催か?IOCが検討を進めていると発表
国際オリンピック委員会(IOC)は10月16日、2020年東京オリンピックのマラソンおよび競歩を札幌開催とする計画を検討していることを発表しました。
暑さが深刻化する近年の東京
両競技が開催される夏場は近年、暑さが深刻化しており、これまでにも開催時間を早朝にずらすなどすることで"猛暑対策"を講じることが検討されてきました。しかし、IOCはこのほど北海道での開催を計画。北海道といえば東京から北に800キロも離れているとあって、夏場は避暑地としても人気を集めますが、なんと五輪期間中の気温は東京よりも日中5~6℃も低いといいます。
すでにこの計画は国際陸上競技連盟も伝えているそうで、IOCの東京五輪調整委員会が10月30日から11月1日にかけて東京で開催する会議の中でも検討が進められるといいます。なお、暑さについては2013年に東京が五輪開催地として立候補を表明したときから考慮されてきたそうですが、IOCと組織委員会は状況の監視を続け、今回の計画発表に至ったそうです。
IOC会長や国際陸連会長もコメント発表
IOCのトーマス・バッハ会長は「アスリートの健康と幸福は常に私たちの懸念の中心です。アスリートを保護するためのさまざまな対策がすでに発表されています。マラソンや競歩開催地を移動するための新しい提案は、私たちがそのような懸念を真剣に考えていることを示しています。オリンピックは、アスリートが一生に一度のパフォーマンスを行うことができる場であり、こうした措置により、最高の状態を確保することができると考えています」と述べています。
▲IOCのバッハ会長(Photo:Getty Images)
また、国際陸連のセバスチャン・コー会長は、「私たちは東京五輪でIOCおよび東京2020と気象条件について検討しており、開催地を札幌に移動する提案についてはIOCおよび東京2020と引き続き協力していきます」と、今後の展開を伝えています。
先日、カタール・ドーハで開催された世界陸上のマラソンでは30℃超えの気温の中で、途中棄権する選手が続出しただけに、こうした検討は選手にとって朗報のはず。今後の行方に注目です。
<Text:辻村/Photo:編集部、Getty Images>