2017年7月30日

多彩なセンサーで自転車の走りを丸裸にする! 進化したサイクルコンピュータ・Cerevo「RIDE-1」

 最新技術によって日々、さまざまなデジタルグッズが登場しています。その中には、スポーツや運動をもっと楽しくしたり、トレーニングを効率化したりできるものもあります。 

 今回、紹介するのは7つの内蔵センサーで自転車の詳細な状態を記録し、スマホやクラウドに保存、分析できるCerevoの「RIDE-1」です。この手のガジェットではサイクルコンピュータがありますが、一体どこが違うのか? 実際に試してみました。

5つのセンサーで9種のデータをリアルタイムに記録する 

 サイクルコンピュータとはセンサーを取り付けることで、自転車の速度やペダルの回転数、走行距離などを計測してくれるアイテム。RIDE-1はそれをさらに進化させたものです。

 本体に9軸センサー(加速度・角速度・地磁気)、温度センサー、気圧センサー、照度センサー、GPSと、5種類のセンサーを内蔵。それらをスマホで記録して、リアルタイムで見ることができます。

 多くのサイクルコンピュータは、データを数字だけで表示するだけです。しかし、RIDE-1はスマホのアプリという特性を活かし、ビジュアルを多用したグラフィカルな表示をしてくれます。

 また、Wi-FiとBluetoothだけでなく、スポーツ向けデバイスで多く採用されているANT+という無線通信規格にも対応。従来の心拍計やケイデンスなどとも連携してデータを記録できるのです。

 これによって、長距離走行をする人なら、速度やケイデンスといった走行中のデータを地図や高度、気温などのデータと合わせて分析することができます。レースやトレーニングの様子を多角的に振り返り、次に向けた計画立案などに活かせるというわけです。

テレメトリー機能で離れた仲間の状況も

 では、RIDE-1を実際に自転車に取り付けて走ってみます。自転車への取り付けは、フレームのドリンクホルダーなどを取り付けるネジを利用して、専用マウントにて行います。必要な部品はすべて付属しており、作業自体は簡単なものです。

 また、リアルタイムでデータを見たい場合は、自転車にスマホホルダーを取り付ける必要があります。こちらは別途、購入する必要があります。

 実際に走行してみると、速度だけでなく、自転車の傾きや登坂角度、さらには気温や湿度などの環境データが一目でわかります。画面の表示を地図モードに切り替えれば、地図上で走行位置も同時に確認できるわけです。

 

  さらに、テレメトリー機能を使うと、他のユーザーと現在の走行地点を共有できます。残念ながら今回は単体でのテストだったので試すことができませんでしたが、グループでのツーリング時などには便利な機能になりそうです。

 このテレメトリー機能は、ユーザー同士だけでなく、それ以外のスマホやパソコンから見ることもできます。家族やサイクリング仲間が今どこを走っているのか、離れていても分かるというのは、コミュニケーションにも役立ちそうです。

データはすべてクラウド管理、今後の機能追加に期待

 RIDE-1のもうひとつのメリットは走行後にあります。記録したデータはWi-Fiを経由して、専用のクラウドサービスへとアップロードされており、それをブラウザ上で見ることができるのです。

 この機能では地図上での走行ルートと合わせて、時系列を追いながら速度、心拍数、ケイデンスなどが一覧にできます。データは日付など1回の走行ごとに管理。同じルートを走った違う日付のデータと比較して、自分の成長度合いを測るといった使い方もできます。

   ちなみに、走行中の自転車の“動き”を詳細に測定できるので、BMXのトリックの練習で参考にしたり、MTBでのコーナーリング速度や精度の向上にも役立てられます。とはいえ、この辺りの機能はまだまだアプリが練られていないため、単に数字として見られる程度。ロード系以外での活用は、今後のアップデートに期待したいところです。なお、現在はiPhoneのみの対応ですが、8月上旬にはAndroidへの対応も予定しています。

<Text & Photo:青山祐輔>