子育てとコーチングの共通点。暴力・パワハラ問題で現役ママアスリートが感じること│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート~for 2020~」#11 (1/2)
みなさん、こんにちは! 7人制ラグビーの寺田明日香と申します!
最近のスポーツ界は、テニスの大坂なおみ選手が日本人初の四大大会優勝を成し遂げたり、競泳の池江璃花子選手が女子で初めてアジア大会のMVPに選出されたりと、とてもうれしい話題が続きました。その一方、指導者や協会と選手間でのパワーハラスメント問題に関するニュースも多く取り上げられました。
現役選手の私が指導者の立場になる機会は多くはありませんが、子どもたちへのかけっこ指導や学生への技術指導の中で感じること、選手の立場からみた指導者との関係性についての考えを書いていきたいと思います。今回も、最後までお付き合いのほどよろしくお願いします!
選手を萎縮させてしまう指導はNG
はじめに、私がスポーツを始めてから出会ったコーチたちについて思い返してみると、殴られたり、蹴られたりという、暴力的なことはなかったと記憶しています(学校の先生には、殴られた経験があります)。
しかしながら、PMS(月経前症候群)や生理痛がひどく、思うように練習ができないときなどに、「気持ちが弱い」、「生理になると、毎回試合に出ないつもりなのか」と言われたことはありました。その頃から、生理が止まることもあり、何か言われるくらいならとピル(経口避妊薬)を使用してコントロールを始め、顔面蒼白の中、泣きながら練習をしたことは何度かあった気がします……。
また、毎回コーチの機嫌や行動を探っては、仲間たちと「今日は大丈夫、今日は駄目な日」など、相談をすることがありました。なぜ、コーチの機嫌を探らなければならなかったのかと考えると、“怒られる”回数が増えることや、コーチからの“ことば”が強くなること、練習全体の空気感が悪くなることで練習がしにくくなるためです。
コーチが選手に危機感を持たせることは必要ですが、コーチの言動にビクビクしながら練習するのは、意味が変わってしまいます。
選手は競技力向上のために日々努力していますし、コーチも選手の競技力向上のことを考えています。しかし、やらされる&やらせるの関係になってしまうと、お互いに余計な不安を抱くことになりかねないのです。
その点、現在所属している我がチーム「千葉ペガサス」では、熱さと愛が共存しています(笑)
(写真協力:千葉ペガサス)