2020年7月29日

“手のひらを冷やす”暑さ対策グッズ、デサントがシャープと共同開発、その狙いや効果とは？顔を冷やせるフェイスガードも登場

　デサントジャパンは7月28日、グローブ型のクーリングアイテム「CORE COOLER（コアクーラー）」、適温クーリングフェイスガードなど、夏場のスポーツ活動を快適にする新商品を発表しました。体温の上昇を適度に抑制できる蓄冷剤「TEKION」（シャープとの共同開発）を活用した、目新しいコンセプトの商品に注目です。

手を冷やすCORE COOLER

　CORE COOLERは、手のひらを『適温』で冷やすことで、深部体温上昇を抑制できるアイテム。グローブ型なので、手先の自由を妨げません。すでに6月19日より公式通販サイト「デサントストア」などで先行発売中です。そもそも、なぜ手のひらを冷やすのでしょうか。その狙いと効果について、デサントジャパンの井上大輔氏は次のように説明しました。

▲CORE COOLERはグローブ2個（両手用）、蓄冷材2個入りで税込3,960円。カラーはブルー、レッド、ブラック、グレー（ロフト限定）の4色展開

「一般的に、暑熱対策としては首・脇・鼠径部などを冷やすことが知られていますが、急激に体温が下がることで脳が反応し、逆に体温を上げてしまうことも考えられます。一方で、手のひらにはAVA血管（体温を調整する特殊な血管）が流れており、適度に冷やすことで身体の中心部の温度を下げることが期待できます」（井上氏）。スポーツにおいては、手のひらを冷やすことでパフォーマンスの持続が期待できる、と井上氏。

▲グローブの中に入れる蓄冷剤「TEKION」は、シャープとの共同開発。肌に触れても痛みを感じない”優しい冷却”を目指して開発されています

　ちなみに以前、国際的なマラソン大会でトップアスリートが保冷剤を握りしめて走ったところ、好成績を収めた例があるんだとか。そこでデサントでも、実業団の陸上チームに協力をあおぎ、CORE COOLERの開発を進めてきました。

▲デサントジャパンエキップメント開発部の井上大輔氏

　利用シーンとしては、運動前の“プレクーリング”が効果的とのこと。例えばマラソンなら、走る前に20～30分ほど使用することで、運動中の体温上昇の抑制になり、また熱中症予防にもつながるそうです。もちろん運動中に使っても効果があり、また運動後や休息時に着用すればリラックス効果が得られ、身体の負担のリカバリーにもなるとしています。

▲効果的な使用シーンについて。手が自由に使えるので、走っている途中でドリンクを飲んだり、ということも問題ないようです

　このほか、夏場は寝苦しい熱帯夜が続きますが、就寝前に手のひら、あるいは足の裏に当ててAVA血管を冷やすことで、ぐっすりと眠れるとしています。このほか、通勤前に利用すれば移動中に汗をかきにくくなるという期待感も。スポーツ以外にも活用できるということで、試してみたくなりますね。

　蓄冷剤「TEKION」の持続時間は約20分間（気温35度の中、握り続けた場合を想定）。使用後も、冷凍庫に入れたり、クーラーボックスや氷水で冷やしたりすることで、何回でも繰り返して使える仕様になっています。

顔を冷やす適温クーリングフェイスガード

　続いて、適温クーリングフェイスガードが紹介されました。こちらはCORE COOLERの技術を応用したマスク。両頬に蓄冷剤をあてることで、顔のAVA血管を冷やすことを狙っています。「一般的なマスクでは熱がこもり、湿気で蒸れることが予想されます。適温クーリングフェイスガードなら、屋外でも飛沫エチケットに気を付けながら運動できます。今夏のスポーツ観戦などにも利用いただけたら」と井上氏。