アミノ酸とは。種類と働き、必須アミノ酸の1日摂取量│管理栄養士の食トレ学
トレーニングやダイエットに欠かせない「食事」。多くのトレーニーが抱えている栄養・食生活のギモンについて、ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士が解説します。今回のテーマは、筋トレやランニングをする人から関心が高い“アミノ酸”について。
アミノ酸とはなにか、体の中でどんな働きをするのか。また、1日にどれくらい摂ればいいのでしょうか。
アミノ酸とは何ですか?どんな種類があり、体にどんな働きをするのでしょうか。1日に必要な摂取量の目安があれば教えてください。
アミノ酸とは
アミノ酸とは、基本的にはたんぱく質を構成する最小単位のことです。アミノ酸が鎖状に複数個以上つながったものをたんぱく質と呼びます。
種類と働き
カラダづくりの材料となるアミノ酸は20種類あり、体内で合成されない「必須アミノ酸」、体内で合成可能な「非必須アミノ酸」に分けることができます(表1)。必須アミノ酸は食事から摂取する必要があります。
主な働きとしては、骨格筋の主要な原料であるたんぱく質の構成要素となることと、運動時のエネルギー源として利用されることです。
表1)必須アミノ酸と非必須アミノ酸
出典:厚生労働省「特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム」より編集部作成
1日に必要な摂取量の目安
体内で合成されない必須アミノ酸に関して、WFO(世界保健機関)、FAO(国際連合食糧農業機関)、UNU(国際連合大学)から発表された計算値(表2)に当てはめると、1日あたりの必要量が以下の通り計算できます。この計算式は1日あたりの非必須アミノ酸も含めたすべてのアミノ酸必要量が満たされていることが前提です。
1日あたりのたんぱく質必要量が1.5g/kgである成人(体重:75kg)の場合
たんぱく質必要量(g/体重)×体重(kg)×アミノ酸必要量(mg/kg体重/日)
1.5×75×183=約20.6g/日
表2)必須アミノ酸の推定平均必要量
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」より編集部作成
表2を見ると分かる通り、算出された全9種類の必須アミノ酸の必要量には内訳があり、アミノ酸の種類別に設定されています。また、消化吸収率や加熱などの影響でも必須アミノ酸必要量は変動します。そのため、必須アミノ酸値のみに着目して食品を摂取するのは、日常生活において現実的な方法とは言い難いのが現状です。
1日あたりのアミノ酸摂取量の目安に関しては「たんぱく質摂取量」で考えるのをオススメします。体重(kg)あたりたんぱく質1.0〜2.0gの摂取を1日分の目安量とし、肉や魚、野菜などさまざまな種類のたんぱく源をバランスよく摂ると、必須アミノ酸の必要量も網羅しやすくなるでしょう。
[プロフィール]
瀧川みなみ(たきかわ・みなみ)
株式会社Muscle Deli管理栄養士、調理師。青山学院大学文学部卒業後、専門学校で調理師、食生活アドバイザー、栄養教諭を取得。専門学校卒業後は大手外食企業で働きながら管理栄養士を取得。接客、店舗管理、副料理長を務めたのち本社の商品企画・開発部門でデザートメニューの商品開発をおこなう。その後、クラウドレストランを運営するベンチャー企業に転職し、8ブランドの立ち上げを実現。より多くの人に向けて体・健康づくりの手伝いがしたいと思い、Muscle Deliに入社。商品開発、栄養指導、レシピやコラム作成等を担当。プライベートでは料理教室や食事に関するセミナーなどのイベントを主催。
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<Text:編集部/Photo:Getty Images>