目標は「体育嫌いをなくす」こと!スポーツキッズアウラで運動プログラム体験
サッカーや野球、水泳など……。子どもを対象とした運動系の習い事には、さまざまな種類があります。私にも3人の息子がいますが、子どもに「何を習わせようか」と頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
子どもに運動させる理由には、運動能力や競技力の向上、あるいは健康な体づくりなどが挙げられます。もしかしたら子どもが運動嫌いで、それを克服させたいと考えている方がいるかもしれません。いずれの理由でも、「何を」「どんな環境で」「どのように」習うのかは、非常に大切なポイントと言えるでしょう。
東京都国立市にある『スポーツキッズアウラFAM国立校』。こちらでは毎週土曜、年少〜小3の子どもを対象とした運動教室を開催しています。特徴的なのが、「運動を楽しむ」という点に着目した指導を行っているということ。今回、私は長男・次男を連れて、実際にスクールを体験してきました。いったいどのようなスクールなのか、その模様と合わせご紹介します。
スポーツキッズアウラの思い
広い可動式のスペースを活かし、子どもたちのために何かできないか。スポーツキッズアウラは、そんな思いから誕生しました。現在は10名程度が通っており、跳び箱やマット、鉄棒、縄跳びなど、さまざまな運動を行っています。
しかしこちらは、もともと学習塾を母体としています。もちろん運動にも“学び”はありますが、なぜスポーツ教室を始めるに至ったのか。その背景には、池田先生の次のような思いに対する共感があったようです。
「とにかく、体育嫌いをなくしたいんです。身体にコンプレックスがあったり、運動が苦手だったり。いろんな子どもがいますが、全員に『運動の楽しさ』を伝えたいと思っています」
確かに、体育が嫌いという子どもは少なくありません。それはなぜなのか。例えば、思うようにできなかったり、あるいは、他の友達と比べて劣っていたりということが、原因の1つではないでしょうか。
「人と比べる必要はないんです。大切なことは、自分自身がどのように代わって、どう成長するのか。ここでは競争するのではなく、そのように1人1人の成長と向き合うことを大切にしています」
結果として、子どもたちはどんどんできることが増えていきます。例えば、昨日できなかった二重跳びだって、何度も練習を重ねれば、やがてできるようになるでしょう。そのとき、なぜできるようになったのかを、子どもたち自身が考えること。その経験は、体育以外にも活かされるのではないでしょうか。
それでは実際に、スクールでどのようなことが行われているのかご紹介しましょう。
全身を使った準備運動からスタート
まずジャンプなど準備運動を兼ねたものから始まり、ちょっとした体幹トレーニングのようなものも。先生の見本を見ながら、初参加の子どもたちも見よう見まねで行っていきます。最初は上手くできなくて当然。先生が見回りながら、1人1人に教えてくれるので安心です。次々と新しい動きに切り替えながら運動が進められ、
「次は何だろう!?」と、子どもたちも楽しみに先生の話を聞いているようでした。思いっきり身体全体を動かすので、その開放感に子どもたちはいきなり笑顔全開です!
印象的だったのは、動きの多くが「全身運動」という点。決して難しい動きではないものの、手足が上手く噛み合わなかったり、バランスが取りづらかったり。動きを通じて、子どもたちそれぞれの課題が浮き彫りになるように思えます。
こちらのスクールで行われる運動は、学校などで馴染みのあるものと少し違うかもしれません。しかし「新しいことを学ぶ・実践する」のは、子どもにとって楽しいのでしょう。先生の見本を見ながら真剣に取り組み、できたときには「できた!」と笑顔が生まれる。その繰り返しが、運動の楽しさとなって心に残り、さらなるやる気へと繋がっていくのではないでしょうか。
いろんな生き物になり切って動く
1時間という限られた時間の中では、実に多種多様な運動が盛り込まれていました。中でも一風変わっていて、特に印象に残ったのがこちら。
四足歩行で進んだり、両手を着いてジャンプしたり……。実は、いろんな動物になり切って、その動物と同じように動くというものでした。ワニ、クマ、カエル、サルなど馴染みある動物がたくさん登場!見ているだけで楽しそうです。きっと、自分たちの頭の中で、動物の動きをイメージしながら取り組んでいたことでしょう。
日常では、あまり地面に手を着いて動くという機会などありません。あるいは、カニのように横歩きすることもないでしょう。いつもと違う動きだからこそ、子どもたちの好奇心を掻き立ててくれるのかもしれません。
毎月変わる運動プログラム
スクールでは、毎月運動のプログラムが変わります。運動会シーズンだからか、今月は“走る”ことにスポットを当てた内容でした。これは、スクールに通う子どもたちを飽きさせない工夫かもしれません。ちなみに、来月は『跳び箱』がコンセプトのようです。
まずはスタートの練習から。どんな構えが早く走れるのか、理屈ではなく実践で学んでいきます。ただがむしゃらに走るのではなく、ちゃんと“走るための技術”を子どもたちに教えてくれるのは、このスクールの特徴かもしれません。一通りみんながスタンディングスタートの姿勢を覚えたところで、実際に室内を思いっきり駆け回ります。
笑顔いっぱい、力いっぱいに走り回る子どもたちの姿。おもしろいのは、ただ何度も走るのではなく、ゲーム制のあるトレーニングとなっている点です。例えば、伏せた状態などから走り始める変則スタート、2人1組での追いかけ走など。“競う”というより“遊ぶ”ような感覚でしょうか。そのため走り方を“学ぶ”というより、さまざまな動きを通じて“自然に身に付ける”といった内容のように感じました。
「楽しい」という気持ちは、それだけで大きな力になります。その証拠に遊びとなれば、子どもたちは時間を忘れ、夢中でいつまでも楽しそうにしているはずです。だからこそ運動も「楽しい」ということを伝えたい。その思いが、実際のスクールを通じてひしひしと感じられました。実際に体験してみた私の子どもたちも、終了後すぐさま「次はいつ?」「次もやりたい」と前のめり。しっかり、運動の楽しさに魅了されたようです。
スポーツキッズアウラでは、随時体験も受け付けているとのこと。今回は小学生クラスを体験しましたが、未就学児を対象とした幼児クラスも設けられています。気になった方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
【スクール情報】
スポーツキッズアウラFAM国立校
◎レッスン内容:跳び箱・鉄棒・マット運動・縄跳び など
◎開催日時:毎週土曜日(月3回)
・幼児クラス10:30〜11:20
・小学生クラス11:30〜12:20
◎定員:幼児クラス16名、小学生クラス14名
◎料金:月額受講料8,000円(税別)、入学金10,000円(税別、初回のみ)
◎電話番号:042-505-4510
◎アクセス:〒186-0004 国立市中1-8-5 茜サマリヤプラザ4F
【公式サイト】 http://fines-group.com/bunka2/sportkid.php
三河 賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心に取材・執筆・編集。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】http://www.run-writer.com
<Text & Photo:三河賢文>