2018年6月1日

「がんばる」は呪文?│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート~for 2020~」#4 (2/2)

 “好きこそ物の上手なれ”という言葉がありますが、私はその通りだと思うのです。好きなことは自然と継続してでききているはずで、そのことに関する知識も豊富だと考えられるため、他のことよりも上達度ははるかに高くなるはずなのです。これが、“がんばりたい”のかたちなのだと思います。

 一方で、“好きだけではやっていけない”という言葉もあります。確かに、好きだけでは食べていけないこともあると思います。嫌いなことでも、どうしてもやらざるを得ないときがやってきます。

好きを伸ばして、嫌いをチャンスに

 しかし、嫌いなことをやらなければいけないときこそ、チャンスに繋がるものを見つけられる機会であるとも思うのです。どうしてそれが嫌いなのか、嫌だと感じるのかを深掘りすることで、新しい気づきがあるかもしれません。

 好きなことも嫌なことも、すべてを好きになってがんばることは、難しいことです。ただ、見方や考え方を少し変えてみることで、“がんばらなければ”を“がんばりたい”に変えることは可能だと思っています。

 社会に出ると、責任や義務が増え、いつの間にかがんばることが当たり前になり、結果を出すことが求められがちです。その中でも、“好きだからがんばりたい”を見つけることで、こころにも余裕ができ、作業の効率も上がるのではないかと思います。

 思い返すと、私自身も陸上選手時代や大学進学、子育て、仕事、ラグビーへの挑戦など、何かにチャレンジをすると、ぜんぶ“がんばらなければ”と思い過ぎていたように思います。2020を目指していく中でも、スポーツを通してたくさんの人たちの喜ぶ顔が見られるよう、やるべきことの“好き”を大切にして、取り組んで行きたいと思っています。

《プロフィール》
寺田明日香(てらだ・あすか)
1990年1月14日生まれ。北海道札幌市出身。血液型はO型。ディズニーとカリカリ梅が好き。小学校4年生から陸上競技を始め、小学校5・6年時ともに全国小学生陸上100mで2位。高校1年から本格的にハードルを始め、2005~2007年にはインターハイ女子100mハードルで史上初の3連覇。3年時には100m、4×100mリレーと合わせてこちらも史上初となる3冠を達成。2008年、社会人1年目で初出場の日本選手権女子100mハードルで優勝。以降3連覇を果たす。2009年世界陸上ベルリン大会出場、アジア選手権では銀メダルを獲得。同年記録した13秒05は同年の世界ジュニアランク1位だった。2010年にはアジア大会で5位に入賞するが、相次ぐケガで2013年に現役を引退。翌年から早稲田大学人間科学部に入学。その後、結婚・出産を経て女性アスリートの先駆者となるべく、「ママアスリート」として、2016年夏に「7人制ラグビー」に競技転向する形で現役復帰。同年12月の日本ラグビー協会によるトライアウトに合格。2017年からは日本代表候補として活動している。日本ではほぼ類をみない「世界レベル選手の競技転向、同一シーズン間の競技転向、幼児を子に持つママアスリート」として、2020年東京オリンピックを目指す。

◎所属企業:株式会社リブラン
◎所属チーム:千葉ペガサス
◎主な記録:100mハードル日本ジュニア記録(13秒05=2009年世界ジュニアランキング1位)/100mハードル日本高校記録(13秒39)

《今後の活動予定》
・9/8(土)・9(日)【出場予定】太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ第3戦@静岡・裾野市運動公園陸上競技場 ▶詳しくはこちら
・10/13(土)・14(日)【出場予定】太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ第4戦@三重・三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場 ▶詳しくはこちら

【関連URL】
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<Text&Photo:寺田明日香/Edit:アート・サプライ>

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