2018年10月29日

体幹、集中力、バランス感覚の強化に。子育てや健康に役立つ変幻自在のスポーツトイ「スラックレール」とは (3/4)

公園の不審者対策から生まれたスラックレール?

――スラックレールはもともと、スラックライン(※1)の練習用ツールとして生まれたとお聞きしました。

私の子どもが通っている小学校に「おやじの会」という保護者のサークルがあって、私はそこの代表をやっているんです。昨年春に近くの公園で不審者が多く出没したことがあって、メンバーからパトロールを提案されたときに、どうせなら楽しくみんなでスラックラインをやってみれば抑止力になると思い始めてみました。

スラックラインは1人ずつ順番にやるスポーツなので、待ち時間に板切れを拾ってきて練習してたんです。それがきっかけです。

(※1)綱渡りに似たスポーツ。2本の木や柱に張ったベルト状のラインの上でジャンプをしたり、バランスを取ったりする。

▲高島社長は、地元でスラックラインを楽しむ会を定期的に開催している

――スラックレールの原型は拾ってきた板切れだったんですね(笑)。

公園でスラックラインの朝練をしていると、地域の高齢者も興味を持ってくれるんですよ。お年寄りがスラックラインをやるのは無理だけど、板切れに乗って遊ぶのはわれわれもお年寄りもいっしょに楽しめる。板切れは硬くて痛いので、試行錯誤をして現在の形になりました。

国内では長野県の小布施町がスラックラインの聖地なんです。そこの浄光寺というお寺の副住職さんが、スラックライン普及のためにいろいろ動いている方で。彼は「スラックライン推進機構」という団体の代表理事を務めているんですが、試作品を見せたら「早く商品化しましょう」と言われまして。

――2018年の6月30日にリリースしたとのことですが、最初の反応はどんな感じだったのでしょうか?

7月に展示会に出したところ、体幹が鍛えられて身体の軸が定まり、姿勢改善、ヒップアップの効果があるということで、パーソナルトレーナーやヨガのインストラクターをしている人たちに興味を持ってもらえました。足を止めてもらうために「ただのかまぼこじゃありません。僕よりも長く乗っていられたら差し上げますよ」といって掴んで離さないように(笑)。

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