いざ、2020年初レース!冬季練習の成果は?│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート~for 2020~」#34
みなさん、こんにちは! 陸上競技の寺田明日香と申します!
2020年が始まって早1ヶ月。あっという間に節分の日を迎え、娘に普段から「ママは鬼」といわれている鬼ママは豆をぶつけられる前に大阪へ行き、2020年初レース(室内での60mハードル)を走ってきました。
そこで今回は、いかに私が鬼ママかという節分ネタではなく(笑)、2020年2月1日に開催された日本室内陸上@大阪の振り返りと、ここまでの冬季練習での様子を書いていこうと思います。
最後まで、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします!
速くなるために打ち込んだ冬季練習
昨年10月20日に行われた田島記念陸上@山口を終え、それから3週間ほどのお休み期間をはさんで始めた冬季練習。
今期冬季練習のコンセプトは、【1】とにかく足を速くする、【2】ハードリングを直す、【3】よりしなやかで強いからだを作る、の3つでした (昨年と変わらない……?) 。
世界陸上で見てきた世界のトップハードラーたちは、本当に無駄がなく、その上、効率的な走りをしていた走りをしていました。そういった走りを作るためには、根本的な足の速さと、その速さに対応できるハードリング技術が必要です。
“足を速くする”と、文章では簡単に書いていますが、文字で表現するよりずっと難しいことで、かなり時間がかかる作業です。
本格的なシーズンインは4月後半。それまでの時間をどう使うかを考えたとき、先に時間がかかるスプリント強化をしようと決め、ここまでの冬季練習では足を速くするための練習(スプリント練習)に大半の時間を割いてきました。
その成果もあり、昨年の2月時点と現在を比較しても、現在の方がよくなっている部分が多いなと感じています。
2020年初レースの結果は……
11月〜1月の練習の成果を確認するため、“中間テスト”のような感じで室内陸上(60mハードル)に挑戦しよう! と、高野(大樹)コーチはじめチームあすかのスタッフと話し合って出場を決めた今回の日本室内陸上@大阪大会。
今大会は今年度から“室内の日本選手権”という位置付けになり、大会カテゴリー(大会のランク)も上がったため、東京オリンピック出場のために重要なワールドランキングに大きく関係する順位ポイントも加算される大会になりました。
高野コーチと中間テストのように、と言ってはいたものの、ワールドランキングのポイントをあまり持っていない私にとっては見逃せないレースとなり、タイムとともに順位も求められました。
実は私にとっては初めての室内大会。会場の大阪城ホールには、8レーンが確保された60mトラックと跳躍種目用の砂場、棒高跳びのピットが造られ、ウォーミングアップ場は、体育館のようなホールでした。
ハードルを置く場所はなく、動きづくりとダッシュを何回かしましたが、レース前にハードルを跳ばない、むしろスパイクすら履かないのは、陸上競技を始めてから初めての経験でした。
レースの結果は、予選が8秒26、決勝が8秒14で2位。2019年日本選手権2位の青木益未選手が日本新記録を樹立し0.03秒先着されてしまいましたが、誰かと並んで走ったときにしかわからない私の弱点が浮き彫りになり、より課題が明確になりました。
悔しさはもちろんありますが、本格的なシーズンインまで約3ヶ月。ここから課題をひとつ、ひとつ解決していくことで、よりパワーアップできると考えると、本当に良いきっかけになったレースでした。
色の違う“ライオンのメダル”
今回のレース、復帰してからほとんどのレースを見てきた夫と娘は、夫の仕事の都合により東京でお留守番でした。
家に帰ってから、娘には「今度は銀メダル〜〜! また金メダルじゃない〜!」と、怒られてしまいましたが、娘憧れの“ライオンのメダル”(日本陸連さん作成の日本選手権のメダルは豪華なんです!)を1年間のうちに銀、銅と持ち帰れたことはラッキーなことかもしれません。
6月25~28日に行われる日本選手権で金メダルを獲得し、“ライオンのメダル”をコンプリートして娘に褒めてもらえるように、より一層頑張っていこうと思います。
[プロフィール]
寺田明日香(てらだ・あすか)
1990年1月14日生まれ。北海道札幌市出身。血液型はO型。ディズニーとカリカリ梅が好き。会いたい人は、大谷翔平と星野源。小学校4年生から陸上競技を始め、小学校5・6年時ともに全国小学生陸上100mで2位。高校1年から本格的にハードルを始め、2005~2007年にはインターハイ女子100mハードルで史上初の3連覇。3年時には100m、4×100mリレーと合わせて同じく史上初となる3冠を達成。2008年、社会人1年目で初出場の日本選手権女子100mハードルで優勝。以降3連覇を果たす。2009年世界陸上ベルリン大会出場、アジア選手権では銀メダルを獲得。同年記録した13秒05は同年の世界ジュニアランク1位だった。2010年にはアジア大会で5位に入賞するが、相次ぐケガ・病気で2013年に現役を引退。翌年から早稲田大学人間科学部に入学。その後、結婚・出産を経て女性アスリートの先駆者となるべく、「ママアスリート」として、2016年夏に「7人制ラグビー」に競技転向する形で現役復帰した。同年12月の日本ラグビー協会によるトライアウトに合格。2017年1月からは日本代表練習生として活動した。2018年12月にラグビー選手としての引退と陸上競技への復帰を表明。2019年シーズンから競技会に出場し、6月に日本選手権女子100mハードルで9年ぶりの表彰台となる3位に入り、7月には100mでも自己記録を更新。8月には19年前に金沢イボンヌ氏が記録していた日本記録13秒00に並ぶと、9月1日に「富士北麓ワールドトライアル2019」で史上初めて13秒の壁を突破し、12秒97の日本新記録を樹立。カタール・ドーハで開催された「世界陸上」に出場。再び陸上競技選手として、2020年東京オリンピックを目指す。
◎所属企業:株式会社パソナグループ
◎主な記録:100mハードル日本記録保持者(12秒97)/100mハードルU20日本記録保持者(13秒05=2009年世界ジュニアランキング1位)/100mハードル日本高校歴代2位(13秒39)/100m:11秒63
【今後のスケジュール】
2020年2月22日(土)スポーツ能力測定会@愛媛県松山市
2020年3月1日(日)スポーツポテンシャル測定会@東京都板橋区
2020年4月19日(日)吉岡隆徳記念第74回出雲陸上競技大会
2020年4月29日(水)第54回織田幹雄記念国際陸上競技大会
2020年5月10日(日)セイコーゴールデングランプリ陸上 2020 東京
2020年6月25日(木)~28日(日)第104回 日本陸上競技選手権大会
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<Text & Photo:寺田明日香/Edit:アート・サプライ>