2017年9月5日

四股、股割り、ちゃんこ……。鳴戸部屋で小学生たちが相撲体験!

 元大関琴欧洲の鳴戸親方が指導する鳴戸部屋にて、8月30日、EPARKスポーツ主催の特別企画「夏休み親子スポーツ教室」として、「鳴戸部屋 相撲稽古体験&ちゃんこ食事会」が開催されました。

 間近で見る稽古の迫力

 東京スカイツリーのすぐ近く、閑静な下町の住宅街の一角にある鳴戸部屋(東京都墨田区)では、朝早くから稽古が始まっていました。真剣な表情で四股を踏んだり、腕立て伏せを繰り返したりしながら、身体を温める力士たち。やがて、目の前でぶつかり稽古が始まります。「相撲はテレビでは見るけれど、間近で見るのは初めて」という参加者も多かったようで、力士の大きさと迫力に、子どものみならず親御さんたちも驚いていました。

▲力士の稽古を間近で見学する参加者たち

▲欧翔山(東序二段)ら、部屋の若手力士たちにも力が入ります

 指導するのは鳴戸親方(元大関琴欧洲)。まわしを着けた凛々しい姿は、現役の頃と変わりません。「頭をつけて」「腰が伸びてる、もっと落として」「逃げない!前に出る」といった親方の叱咤に、礼儀正しく「はい」と返事をする弟子たち。背中に光る大粒の汗が飛び散り、土俵に吸い込まれていくのが分かります。


▲鳴戸親方(元大関琴欧洲)による稽古の様子。丁寧に優しく教えるスタイルには、親方の穏やかな性格が反映されているようでした

いよいよ稽古体験!

 子どもたちによる、約1時間の“稽古総見”が終わり、次はいよいよ稽古体験。集まった9名の男の子たちは、短パン姿に着替えると元気よく土俵入りを果たしました。勇ましく四股を踏んだ後、柔軟体操、そして股割りにも挑戦。なかには親方に軽く背中を押され、「イテーっ」と笑いながら悲鳴を上げる身体の硬い子もいたようです。

▲四股を踏む子どもたち。片足でバランスを保たなければならず、苦労していました

▲柔軟体操、そして股割りにも挑戦

 次は、すり足です。腰を落として裸足で床を擦りながら歩くという、日常生活であまり行わない所作に、はじめは戸惑う子どもたち。若手力士に、手取り足取り教えてもらいました。これで準備運動は終わり。素足で土俵に上がり、四股、股割り、すり足という相撲の伝統的な稽古を体験したことは、子どもの頃の大切な思い出になったことでしょう。

▲すり足を体験。ガニ股で足を擦りながら歩くという、慣れない所作に戸惑う子どもも見受けられました

 そして稽古の仕上げに、現役力士と取り組みを行いました。勢い良くぶつかってもビクともしないことが分かると、後ろに回りこむ、足をとるなど、子どもたちも頭を使い始めます。しかし、どう頑張っても倒れないばかりか、やがて持ち上げられて空中でグルグルと回されてしまいます。見ている側としては、途中から相撲の取り組みを見ているのか、遊園地のアトラクションを見ているのか、分からなくなりました。

▲素早く後ろに回る、足を取るなど、頭を使って現役力士を攻める子どもたち。でも健闘むなしく、持ち上げられて空中でグルグルと回されてしまいます

▲4、5人で力を合わせて親方にも挑戦。元気の良い子どもたちを前に、親方も笑顔が絶えませんでした

楽しみなちゃんこ食事会!

 足を洗って着替えると、ちゃんこ食事会となりました。コンソメベースの優しいスープには軟らかい鶏肉、野菜もたっぷり入っています。ちなみに、この日は4kgもの鶏肉を使ったとの話でした。ポテトサラダのほか、カボチャの肉巻き、ごぼうのピリ辛和えなど、白いご飯が進むサイドメニューのほか、デザートとしてアップルパイも登場。鳴戸部屋の食事は非常にグルメでした。

▲ちゃんこ食事会の様子。配膳も若手力士たちが行いました

▲コンソメベースの優しいちゃんこに、ポテトサラダ、カボチャの肉巻き、ごぼうのピリ辛和えなどグルメな鳴戸部屋の食事を楽しみました

 食事を終えた家族から自由に解散に。「また稽古を見学に来ます」と話す母親も。参加者の一人には、親方から「相撲をやってみない?」なんて誘いもあったようです。最後は親方と写真を撮り、握手して別れを惜しんでいました。

<Text & Photo:近藤謙太郎>