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【旅ラン】「東京マラソン2021」走ってきた!コロナ禍でも継続したウォーキングの成果はいかに

 二度の開催延期を経て開催された、東京マラソン2021。参加するランナーには、事前に体調管理アプリをインストールした上で健康状態や体温を報告させ、ボランティアや関係者もマスク着用必須にするなど、大会に携わる人すべてが新型コロナウイルス対策を徹底し、新たな様式を取り入れながら行われた大会となりました。

スタート前。いよいよ3年ぶりの東京マラソンが始まります!

ランニング教室のメンバーとともに出場

 私は、目黒区や墨田区主催のランニング教室を担当しています。教室内容は、東京マラソン2021などフルマラソン完走に向けた練習というよりは、コロナ禍での生活で衰えがちな筋力や生活活動力をキープする内容です。参加者は、ミドルエイジを対象とした“超”がつく初心者……それこそ走ったことのない方でもジョインしやすいように、健康目線で和気あいあいと行っています。

 そして教室参加者にも、抽選で選ばれし東京マラソン参加ランナーがチラホラとおりました。

マラソン&ランニング教室は、和気あいあいとした雰囲気で、各自のペースで行っています。

 教室は、速歩レベルのスピードで公園内を2周(約4.0㎞)。各自、歩いても走っても良い緩めのペースで行った後、公園の空きスペースでフルマラソンに耐えうる体を作るため、体幹トレーニングを行います。

 体幹トレーニングでは、足上げやステップ運動などの自体重トレーニングを計4種行います。参加者の皆さんは、ランニングした流れで体幹トレーニングも行うことで、加齢に抗って生活活動力の維持以上にダイエットにも直結することから、より効果を体感できているようです。

教室では、公園内をゆるめのペースで走った後、体幹トレーニングを行い、最後の足上げポーズで終了します。

感染対策は万全の大会に

 今回の東京マラソン2021は、申告タイム別にスタートするウェーブスタートを導入したり、当日の体調チェックやゲート入館時にスマホ持参が必須になるなど、新型コロナウイルス感染症対策を万全に行った大会になるようで、初マラソンの方にはランニングイベントをどこまで楽しめるか予想がつかない大会になりそうでした。

大会関係者に、順番にスマホの画面を提示し当日の体調を確認していただきます。

 今回、マラソン&ランニング教室の参加者で東京マラソン2021に出場するメンバーは3名。うち二人は初のフルマラソン参加。私は、完走に向けたペースメイクをするため、一人の男性メンバーと一緒に走ることになりました。

一緒に走ることになったのは、日頃、税理士として多忙を極めるMさん。コロナ禍での業務では、各種助成金請求やテレワーク支援などで、コロナ前よりも個々の対応に追われている様子。

テニスやウォーキングを楽しんでいらっしゃるMさん。初フルマラソン参加です。

 仕事の合間にテニスやウォーキングで体を動かし、たまにランニングイベントに参加されているとのこと。体力には自信があるようで、備わる体力を信じてフルマラソンに初チャレンジしようという心意気の様子。そのため、ランニングよりも強度を落とした速歩ペースを続け、約5キロごとに設けられた関門閉鎖時刻マイナス5分前後で通過してゴールするプランニングとなりました。

 一般男性の歩幅は約80cm。歩幅を維持しながら1㎞を時速8.0~9.0kmで闊歩すれば、トイレ休憩を挟んでも、5時間30分~45分で完走ならぬ“完歩”できると試算し、Mさんとスタートラインに立ちました。

 当日スタート時点での気温は6度。この日の最高気温は、3月初旬にしてはやや高めの15℃予想ということで、約2キロごとに設けられている給水所では積極的に水を取り、5キロごとのスポーツドリンクも摂取していただくようアドバイスしました。

新型コロナウイルス感染対策のため、15か所の給水所には補食がほとんど用意されていないようで、Mさん用に給食を揃えてみました。

東京マラソン2021、スタート

 いよいよ東京都庁をスタート! Mさんは体力維持を心がけながら、まわりのランナーを視界に入れず半ばウォーカーと化して速歩き。背負ったバックを揺らしつつ、タオルを握りしめ肩を振りながら“歩く”生活活動を靖国通りのど真ん中で続けます。

Mさんは靖国通りを闊歩して5㎞を通過。10kmポイントを目指し、白山通りを速歩します。

 神田周辺の10㎞を通過。気温の上昇がみられるものの、Mさんは着実に、足を前へ運び続けています。

給水所にて。ボランティアスタッフの皆さんは、声援を笑顔に変えてランナーを迎えてくれました。

 15km手前では、東京のど真ん中での雰囲気を楽しむかのように、両手を広げてウォーキングからランニングへ昇華。自然と笑みも零れました。

 この時点で、フルマラソンの距離を3分の1以上通過したことになりますが、足を前に運ぶ動き=股関節を曲げる&伸ばすの連続は、下肢の筋肉に確実に疲労感をもたらします。また、筋肉と神経の連動がスムーズに行われている時間をいかに長く保たせるかが、フルマラソン完走には鍵を握ります。

 股関節の曲げ伸ばしに加え足首を動かし続けること3時間弱。ここで、貴重な補食であるようかんが登場! 17km前後で若干の疲労を感じていたMさんの表情が緩みます。

疲労を感じてきたMさんの表情を、羊羹の自然な甘さが緩めます。

 糖分を摂取し、元気を取り戻したMさんは、ハーフ地点を目指して足を進めました。前半、軽く走るシーンもありましたが、後半に体力を温存すべく、ここは我慢の速歩ペース。足に疲労は感じているものの、スマホで浅草周辺の景色を写真に収めたり、メールを打ったりと気持ちに余裕も見られます。

 私はMさんのペース維持に気をつけながら、時速8.0kmを切らぬように、ある一定のスピードを保っていただくよう、Mさんの少し前をグイグイと速歩で導きました。

 スピードが落ちてきて私との距離が開いてしまうと、東京マラソンの収容関門時間がどうしても気になります。時間を気にすると気持ちが焦り、足を進めようにも筋肉と神経の連動までスムーズに運ばなくなるものです。走る、歩くは普通にできるのに、急に足裏が攣ったりどっと疲労感に襲われたりするのも、気がはやってしまうのが原因でもあります。

20km通過! 次のお助け給食は、栄養ゼリー!

ハーフ地点を通過

 無事にハーフマラソン地点も通過。途中スピードが落ちるものの、Mさんは何とか速歩ペース維持しようと頑張っています。25km地点に向かう途中、最後尾を率いるパトカー、その後ろには「はとバス」。バスの全面には「収容」の文字が見られます。

最後尾のパトカー。「収容」されると、めったに経験できない、東京マラソンコースのはとバスツアーが待っています。

参考:東京マラソンの不思議。リタイアランナーを乗せる「収容バス」、なぜ「はとバス」が担うのか?

本当の闘いはここから

 焦る気持ちを抑えて、冷静に速歩ペースを保ち、ひたすら前に進むことでゴールを手繰り寄せることに。そして、疲労感との本当の闘いはこれからです。

 なんとか25kmを通過すると、メントール成分が疲労した筋肉の痛みを鎮めるエアーサロンパスコーナーを発見! 各部位にシュシュっと吹きつけた後は、自分の体力を信じて一歩一歩足を運ぶのみです。

25kmを通過。サロンパスで筋肉痛を緩和した後は、自分を信じるのみ!

 いよいよ30km通過。スタートして約5時間。25kmを過ぎてからは、私との距離もだんだんと開くようになってきました。少し歩く速度を緩めてMさんとの距離が縮むのを待っては、再び速歩ペースに乗せようというシーンが続きます。

 29.2kmの浅草橋交差点の関門や、33.5kmの数寄屋橋交差点の関門手前では、あと〇分/〇kmです! と声を掛けられるシーンも目立つようになりました。

関門突破なるか

30kmを通過すると、関門時間を知らせる声が聞こえるように。

 Mさんには、関門時間(通過制限時間)に気を取られないようにと、できる限りペースを落とさないよう、少し緩めては引っ張り、緩めては前に進んでいただこうとペースメイクをしました。

途中、関門時間などを忘れるほど、とっても微笑ましいご夫婦にお会いしました。

 速歩レベルと、普通に“歩く”レベルを行ったり来たりするスピードで足を運んでいましたが、関門時間をクリアできるタイムの貯金もだんだんと少なくなってきました。

 Mさんは、マラソン初心者によくある痛みを伴っている様子。速歩を維持したと思いきや、長時間に渡る股関節と膝関節の動きのバランスが目に見えて悪くなってきました。また、Mさんがシューズを地面につくときの接地音を聞いていると、叩いたり擦ったりする音が、より一層大きくなってきました。

35km地点を過ぎて、関門時間を告げるボードが。

さぁ、関門突破に向けて速歩! 速歩!

 まもなく38kmに差しかかるとき、ついに関門時間をクリアすることができずに、最後の関門(37.8km地点、芝五丁目交差点)であえなくタイムオーバー! フルマラソンのゴールまで、残り僅か4.0km地点で、Mさんの初マラソンは終了となりました。

ついにタイムアップ!無念の37.8km完走でジ・エンド。

はとバスには乗らず、歩くことに

 関門を突破できないとなると、残りの距離は、例のはとバスツアーが待っているのですが、ここは未完走に終わった悔しさからか、ゴールの東京駅前付近まで一緒に歩くことに。最後まで足を運ぼうとするMさんの意地。約30㎞速歩の激闘で、血豆を作ったり出血をしたりしながらも、自ら棄権することを選ばずにガッツを見せました。

 ウォーキングとテニスで備えた体力でもって参加したMさんの東京マラソン2021は、こうして幕を閉じました。

来年に向けて早くも再始動

 完走メダルと完走ポンチョは来年に持ち越しとなったMさん。日頃の体力を維持すれば、フルマラソンを完走できる手ごたえを掴んだと同時に、やはり日々のランニングやトレーニングが大切であることを改めて感じたようです。

 フルマラソン本番までにランニングやトレーニングを継続し、自信をつけた身体で臨めば、精神的にも安心することを改めてアドバイスしました。

来年の大会まで、ランニングやトレーニングを重ねて、2年越しのゴールを目指しましょう!

 東京マラソン2021の大会自体は無事に幕を閉じましたが、Mさんの東京マラソンのゴールは来年に持ち越しです。すでにMさんの心の中で来年に向けての“号砲”が鳴っているはず。新型コロナウイルスの感染対策の3密(密閉、密集、密接)回避で、トレーニングを継続しようと心に誓ったようでした。

東京マラソンの5日後のマラソン&ランニング教室で、早くもランニングやトレーニングを再開!

東京マラソン2021、未完走ランナーは約800名でした

 3年ぶりに市民ランナーが出場した東京マラソン2021。1万9千人あまりが出走した大会では、未完走に終わった方が約800名。収容バスツアーに参加してしまった800人分の悔しさを、各自がランニングやトレーニングを継続することで、来年のはとバスツアーの“空席”は大幅に増えるに違いありません。

がんばった後は、しっかりとご褒美も大事です。

参考:【特別座談会】必ずまた走りたくなる。完走者が語る東京マラソンの魅力

[プロフィール]
内田英利(うちだ・ひでとし)
1971年生まれ。茨城県出身。日本大学卒業後、立命館大学に進学。立命館大学在学中に運動生理学などを学び、その後、米国の栄養学修士課程を経る。現在は、女性や高齢者向けの生活習慣病予防プログラムの開発、フィットネストレーナーの育成、生涯フィットネスに関する講演や運動指導などを行う。日本成人病予防協会認定講師。全米エクササイズ&スポーツトレーナーズ協会(NESTA)認定講師、アメリカン・ホリスティック・カレッジ・オブ・ニュートリション (AHCN)栄養学修士、健康管理士一般指導員、健康運動指導士、京都造形芸術大学非常勤講師。大相撲の元貴乃花親方との共同開発プログラム「シコアサイズ」を販売。株式会社フィットネス・ゼロ代表取締役。シェアスタジオ「コア・フォレスト」、フィットネス・ゼロ公式オンラインレッスン運営責任者。フルマラソン歴20年。ベストタイムは2時間45分01秒。
公式YouTubeチャンネル

<Text & Photo:内田英利>

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