富士登山シーズン到来!山頂は寒い?混んでる? KDDIが情報提供サービスを開始へ (1/2)
今年も、夏休みシーズンが間近に迫ってきました。休暇を利用した富士登山を計画している人も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、山の上の状況。「気温は?」「混み具合は?」「電波はつながるの?」―――。こんな疑問を解消する、KDDIの取り組みを取材してきました。
富士山をめぐる、これまでの歩み
スマホが手放せなくなった現代人。仮に富士登山の最中であっても、ネットにはつながっていたいものです。そこで携帯電話各社も、山のエリア化を進めてきました。KDDIでは2013年から登山道の通信エリア化を推進。その結果、現在では富士山の頂上でも4G LTEが使えるようになっています。また訪日外国人の利便性にも配慮し、2016年には山小屋にフリーWi-Fiを提供開始。現在ではKDDIグループ傘下のワイヤ&ワイヤレスが全山小屋を含む49箇所に無料Wi-Fi(Fujisan_Wi-Fi)を提供するに至っています。
▲長く険しい富士登山。登っている最中も、また山小屋でもネットにつながることで安心感が生まれます
スマホで最新情報を取得できる!
そんなKDDIが2017年よりスタートさせたのは、利用者の登山状況を見える化するプロジェクト。昨年は実証実験の段階でしたが、今年になり開山期の情報サービスとして本格的な運営が開始されています。スマホやPCからミエル フジトザン公開WEBサイト(http://fuji.kddi.com)にアクセスすれば、山の上の「温度」「湿度」、そして「登山者数」がチェック可能です。更新頻度は30分に1回。御殿場口の2箇所、宝永山馬の背の2箇所、須走口の1箇所、それ以外のハイキングコースの4箇所(計9箇所)に設置されたIoT機器からデータが送られています。
▲ミエル フジトザン公開WEBサイトでは、富士山の9箇所で取得した温湿度、登山者数をチェックできる
KDDI 中部総支社長の渡辺道治氏は「ハイキングで富士山を訪れた方から、本格的に登頂を目指す方まで、幅広いお客様にご利用いただける。山の上でより快適に過ごすために、どんな服装を用意すべきか。スマホから情報にアクセスして欲しい」と説明。登山者にとっては「快適な登山・下山のタイミングを知れる」、自治体にとっては「整備計画やツアー造成の検討データとして利用できる」メリットがある、とアピールします。
▲KDDI 中部総支社長の渡辺道治氏
担当者の案内で、実際にIoT機器の中身も確認してきました。蓋を開けると、そこには各種センサー(赤外線の人感センサー、超音波の距離センサー、光を使った距離センサーLIDAR、温湿度センサー)のほか、通信モジュールも入っています。詳しくはKDDIの4G LTEネットワークを利用する低消費電力のLPWA(LTE-M)という規格を使い、クラウドにデータをアップロードしているとのこと。また、バッテリーには単一型のアルカリ乾電池4本を使用。担当者は「1か月に1回の頻度で交換する」と話していました。
▲富士登山で気になるのが、気温、混み具合、電波の状況
▲御殿場口など、富士山の9箇所に設置されたIoT機器