2019年3月5日

いだてん新キャストに寺島しのぶ、菅原小春、黒島結菜ら。大正編は女子スポーツ普及や関東大震災を描く (2/3)

パワフルで素敵で可憐な方たちとお芝居できるのは幸せ

 新キャストを迎えて、金栗四三を演じる中村勘九郎さんは次のように挨拶しました。

「四三はストックホルム・オリンピックから帰国後、女子スポーツの普及に力を注ぎます。その出会い方が、それぞれ衝撃的。二階堂トクヨさんには罵倒され、人見絹枝さんにも攻撃され、村田富江はじめ女子生徒からは冷ややかな目で見られる。とはいえパワフルで素敵で可憐な方たちとお芝居できるのは、幸せでした。これまで、『いだてん』にはオッサンしか出てこなかった。女性がいる現場は、四三としても、勘九郎としてもドキドキ、ワクワクでございます」

▲金栗四三を演じる、中村勘九郎さん

「そして、増野さん。少し頭のおかしな人たちがたくさん出るドラマで、やっと普通の人が出てきます。逆に、普段の柄本佑さんは頭がイカれていますが(笑)。宮藤官九郎さんの描く脚本には、素敵な人たちばかり出てくる。それらの登場人物たちと出会い、別れ、ともに戦っていける1年間が楽しくて仕方ありません」

実は分からない部分もいっぱい!

 質疑応答では、記者団からの質問にキャストが回答しました。

――これまでの放送を見た印象は?

寺島しのぶ:第1回から見ています。宮藤官九郎さんらしいスピーディな話の展開で、実は分からない部分もいっぱいあった。だから「これ、どういうことだったっけ?」と台本を見直すことも。見るうちに、だんだん細かいことが分かってきます。もしかしたら万人に受けるドラマではないかもしれないけれど(笑)、大河ドラマとして新風を送り込む挑戦心を感じます。このドラマの存在、そのものが“いだてん”。みんなでゴールに向かって走っていけば、きっと何かが残る作品になると思います。

黒島結菜:これまでの“難しい”大河ドラマとは違う印象です。『いだてん』は、見やすい。私はNHKならではのセット、小道具などにも目がいきがちで、かわいいな、きれいだなと思いながら演じています。

菅原小春:ネクスト・ジェネレーションを感じる大河ドラマです。考えさせてくれる暇がなく、待ってくれ、と言いたくなることも。でも思い返すと、あぁ、そうかという瞬間がある。私たちの世代は、見ている人が少ないかもしれませんが、これは身体を動かしながら時代を動かしていった人たちの物語。東京オリンピック2020を迎えるにあたり、次世代に向けたメッセージ性があると思います。

柄本佑:これまでの大河とは全然違ってスピーディ。話に追いつくのがやっとのこともあります。ワケ分からないところもあったけれど、第1回を見終わったとき、ワケ分からないなりに泣いてしまった。最後、勘九郎さん演じる四三さんがゴールに向かって走ってきたときに。それは、熱量が画面からビシビシ伝わってきたからです。

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