インタビュー
2019年9月15日

三宅弘城「幼い頃の夢はオリンピック選手。宮藤さんに『身体鍛えておきます』とアピールしてました(笑)」│いだてん:インタビュー (3/3)

宮藤さんにはずっと「出して欲しい」と言ってました

――三宅さんも、宮藤さんと舞台をやっているときに、初めて『いだてん』の話を聞いたんですか。

情報公開になったのが、そのタイミングでした。少し前に、宮藤さんがブラジルに行ったという話を聞いていたんですけど、何で行ったのか、聞いても言わないんです(笑)。ずっと言葉を濁していて。それで、その舞台のときに発表になって。脚本、宮藤官九郎と。「それでリオに行っていたのか」と思いました。その情報解禁のときに、一緒の楽屋だったんです。

皆川くんが「よろしくお願いしまーす」と挨拶に来ましたが、ボクもずっとアピールしてました。「身体を鍛えておきますのでね!」みたいな(笑)。勝地涼くんと一緒に舞台をやったときも、勝地くんを介して「三宅さん出ないんですか、って宮藤さんに聞いといてよ」とお願いしたり(笑)。そしたら「オリンピックの話なのに、三宅さん出ないなんておかしいでしょう!」って、ボクの想いを増幅させて宮藤さんに伝えてくれたみたい(笑)。もう、常に「出して欲しい」って思ってましたよ。

オリンピックは子どもの頃から釘付けになって見ていました。幼稚園のときだったかな、将来の夢で「オリンピックの選手になりたい」って書いた記憶もあるんです。そうしたら、脚本を書いている人が、すぐ側にいるわけじゃないですか。それはね、これで出なかったら悲しいし、寂しい気持ちになったと思います。

と思ったら、想定外の呼ばれ方をしましたが(笑)。でも、参加させていただいてうれしいですし、辛作さんで良かった、とも思うんです。スポーツ選手の役でもうれしかったでしょうけれど、あえてそっちにはいかない路線で。オリンピックを一緒につくっていく側の人間で。

前面に出ないけれど、しっかり支えている、屋台骨になっているというのが、バンドの中のドラムの役割と一緒だなと思うんです。立って演奏している人は、お客さんの近くに行ったり自由ですが、ドラムは大抵、イチバン後ろで座っている。そして動けない。でも、ドラムがしっかりしていればバンドも安心して演奏できる。そういうところが、辛作さんにもある。表には出ないけれど、金栗さんも辛作さんの足袋がなければ、あんなに走れなかったと思うし、あまり言いたくないけれど”縁の下の力持ち”的なところは、共通点があるなと、ふと思いました。

――裏方の役を演じてみて、感じるところは。

衣装さんが良いものを着せてくれて、メイクさんがお化粧してくれて、照明さん、音声さん、カメラさん全てのスタッフさんがあっての役者だなと、あらためて思います。やっぱり役者って、何もないところに放り出されても、何も出来ないんです、極端に言うと。脚本があって、演出していただいて、ようやく人前に立てる。一人じゃ何もできない。あらためて感謝の思いがあります。

東京2020はずっと続けていた体操に注目

――次のオリンピックでは、シューズにも注目しそうですね。

これはボクシングの話なんですが、日本製のシューズを履いている外国人選手もけっこういるんです。だから、そういうところも注目するとおもしろいですよね。やっぱり日本人は手先が器用なところがある。日本製は外国人にも評判が良いんじゃないですかね。外国人にとって、知らないメーカーのシューズのかっこよさ、みたいなこともあるのかな。

――2020年の東京オリンピックでは、何の競技に注目しますか。

やっぱりマラソンを見ちゃうでしょうね。あと自分がずっと続けていた体操にも注目しています。いまの選手たちって、昔なら考えられなかったような技をやっていますからね。ボクらが人形で「こんな技ができたら良いよね」なんて遊んでいたことを、現実にやっちゃっている。器具の発展もあると思いますが、昔は10点満点だったのが、10点でおさまらなくなっています。日本人にも、若くて有望な選手がたくさん出てきましたね。

<Text:近藤謙太郎/Photo:NHK提供>

1 2 3