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桐谷健太インタビュー「アスリートたちが五輪の舞台でパフォーマンスを見せる前に、すでにたくさんのドラマが始まっている」(いだてん) (1/3)

 日本人初のオリンピアンとなった金栗四三と、1964年の東京オリンピック招致に尽力した田畑政治を描いた、宮藤官九郎さん脚本によるNHKの大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』。

 新聞社で田畑政治(演:阿部サダヲ)の同僚だった河野一郎ですが、記者を辞めて政治家に転身します。河野は、田畑とは別のアプローチながら、やはり東京オリンピックと深く関わっていくことになります。

 本作で河野を演じている桐谷健太さんを囲んだ合同インタビューが実施され、宮藤官九郎さんの作品への思い、阿部サダヲさんとの共演エピソード、オリンピックへの思い、河野一郎さんのご家族との秘話などが明かされました。

実在の人物を演じる難しさ

――桐谷健太さんは、かつて宮藤官九郎さんのTVドラマ『タイガー&ドラゴン』(2005年)でも阿部サダヲさんと共演されていました。

いまから15年くらい前ですね、ボクは24歳くらいだった。宮藤さんの作品に参加するのはそのときが初めてでした。ボクが演じたのはチビ Tというあだ名のトリッキーな役柄で、阿部さんは落語家をやっていましたが、ほとんど絡みはありませんでした。

今回は2人ともスポーツを愛する人物を演じます。水と油のような、持っている空気感が全く違う2人。ライバルとして、よき仲間として切磋琢磨していく。ボク自身、宮藤さんの作品で河野一郎のような重厚感がある役柄を演じるのは初めてでした。うれしかったですね。宮藤作品において、これまでは基本的におかしなことばかりしてきたので(笑)、(タイガー&ドラゴンの)チビTとか、(映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』2016年、宮藤官九郎監督で)緑鬼の役だったり、(TVドラマ『流星の絆』2008年、東野圭吾原作、宮藤官九郎脚本で)妄想係長だったり。今回は初めてちゃんとした役(笑)。阿部さんとの共演は、タイガー&ドラゴン以来でしょうか、それも光栄でした。

――いつものドラマとはイメージが違います。

実在する人物の役だからでしょうね。そうじゃなかったら、もっと変なことさせられていたところです(笑)。宮藤作品って、真剣なテイストの中にもお笑いがあり、緩急がある。あらためて、相変わらずすごいなぁと思います。

――政治家を演じるにあたり、気を付けていること、意識していることは。

この時代の政治家には、しっかり顔がありました。その存在感もすごかった。存在感って、簡単には出せない。出そうとして出せるなら、みんな出している。自分としては、役をやる前に河野一郎さんの資料をたくさん読ませていただき、インスピレーションを膨らませました。でも史実をたくさん読んだあとに、息子の河野洋平さんが「父のことを、周りを顧みずに傍若無人に突き進んだ人だったって言われるのは心外だ」みたいに話している回顧録も目にした。「父は、本当は周りに気遣う部分があった」と。それを読んだら、あ、またちょっと印象を変えないといけないな、とか思い直して。自分の中で人物像がどんどん変化する。だからイメージを変えながら臨んでいます。あとは、史実と脚本の空気感も違ったりする。そこをすり合わせながら、どうしたら魅力的な河野さんになるのかな、と意識しました。政治家だからということではなく、素の河野さんが人間力があった人だったんだ、と感じています。

――実在の人物を演じる難しさは。

写真が残っているんですよね。だからといって顔が似ているかどうかとか、気にし出すと何もできなくなる。声も違うし、身長も違う。その中で、真似するとか似せるとか、それとはまた違う話。自分の中で、そして「いだてん」の世界観の中で”生きた河野一郎”が存在すれば、それが良いと思っています。

本当の河野一郎さんがタイムスリップして、この役をやったとしても「ちょっと違う」と言われるかも知れない。本当の人物と、「いだてん」の世界で生きないといけない人物はまた違う。だから、そこはプレッシャーと思わずにやりました。

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