2019年8月3日

高齢者のプロテイン購入が増加。介護予防の切り札として「高たんぱく質食材」に注目か

 誰だって健康で元気に生涯を過ごしたい。そんな思いもあってか、いま、介護予防の切り札に高タンパク食品を取り入れるべく、高齢者のプロテイン購入が増えているようです。

加齢に伴う身体的症状とは?

 最近疲れやすい、どこかしらが痛い……加齢に伴って起きる症状はさまざまですが、実際に高齢者はどのような悩みを抱えているのでしょうか?

 インテージヘルスケアが、全国の16~79歳の男女2,632人に対し、最近1年間に経験した健康に関する自覚症状について聞いたところ、加齢に伴って現れる「足腰の衰え」や「筋力の低下」といった症状を経験している人の数は、50代で約20%、60代で約25%、70代では30%となりました。年齢と日常の運動機能低下は相関していることが分かります。

 足腰の衰えや筋力の低下は、運動できるか否かに直結する部分。生涯にわたって楽しくスポーツやトレーニングを楽しむためにも、なんとか防ぎたいものですが、こうした衰えを抑制するために注目を集めているのがプロテインです。

高齢者に人気のプロテイン、売上推移は

 プロテインといえば、トレーニング前後のたんぱく質補給や筋肉を付けるためのドリンクと思われがちですが、"高タンパク質食品"というのが正しい表現です。

 プロテインの全国での売上は2015年度に79億円、2018年度で96億円と、3年間で22%も伸びていることが分かります。

 個人の購買状況では、2018年度にプロテインを購入した経験がある割合は、2015年度と比較して、50~70代で増加していることがグラフから見てとれます。また、プロテインを購入した人の年間平均購入金額は、2018年度で13,337円となっており、2015年度の11,613円と比べると15%も増加しています。

 プロテイン=筋トレのイメージが先行してしまい、これまで購入を踏みとどまっていた方も多いかも知れませんが、すでに世間では、たんぱく質を介護予防のための食品として活用され始めているようです。

<Text:辻村/Photo:Getty Images>