2019年8月6日

厚底ブーム起こすNIKE、新型ランニングシューズはビーズ約1万個搭載の「ナイキ ジョイライド」。その履き心地とは?[現地レポート] (2/3)

ナイキランニングシューズの新たな柱「EASY」を担うジョイライド

 では、「ナイキ ジョイライド」とは、一体どんなランナーに向けたテクノロジーで、どんなランニングスタイルに適したものなのでしょうか。

 発表会でプレゼンテーションを行なった、ナイキランニング シニアプロダクトマネージャーのウィリアム・モロスキー氏によれば、「ナイキ ジョイライド」は、EASYをテーマにした、4つ目の新しい柱を構成するテクノロジーなのだそうです。

▲ウィリアム・モロスキー氏

 従来からあったのは、STRONG、FAST、LONGという3つの柱。STRONGは足を鍛えるためのもので、「ナイキ フリー」が該当します。FASTは、文字通りスピードを追求するためのもの。“ナイキの厚底”としてランニングシーンを席巻している「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」や、「ナイキ ズーム シリーズ」などが、それにあたります。LONGは、長く走るためのシューズ。「ナイキ リアクト」がその主軸です。

▲左から、STRONGの「ナイキ フリー RN 5.0」、FASTの「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」、LONGの「ナイキ エピック リアクト フライニット 2」

 テクノロジーの構想自体は10年前からあったそうです。しかし、望んだ反発性や、必要な耐久性を実現するのが当時の技術では難しかったとのこと。それを可能にしたのが前述したTPEという素材。この素材にたどり着くまでに、150以上の素材をテストし、ビーズのサイズも試行錯誤したそうです。

 砂粒のように小さくするとクッション性があっても反発性が出ず、ビーズを大きくし過ぎるとパーソナライズされた足裏のフィット感がなくなってしまうのだとか。テストランナーによる450マイル(約720km)以上の製品テストが行われていて、その距離であれば素材の劣化などは見られないそう。耐久性も十分です。

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