現役選手だからできること。チームあすか新プロジェクト「A-START」を始めた理由│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート〜for2020〜」#47
みなさん、こんにちは! 陸上競技の寺田明日香と申します。
2020年もあっという間にもう12月。わが家にサンタは来るのかと、ソワソワする毎日を送っております。
そして、本格的に始まった冬季練習のダメージをいかにリカバリーするかが、最近の大きな課題となっています。新型コロナの猛威も身近に迫っているので、みなさん体調管理には十分お気をつけください!
さて、今回のコラムは、このたび始動したチームあすかのプロジェクト、「A-START」についての概要と、企画の裏話などをお届けしようと思います。今回も、最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします!
「A-START」始動の背景
そもそも、このプロジェクトの原案が出たのが、8月前半に行った菅平での合宿時のこと。私は大迫傑選手と桐生祥秀選手とともに、6月から「高校陸上ウィズ・アスリーツ・プロジェクト」と題して、高校生に向けたオンラインイベントや発信をしていたので、3人でできなかったことや、もう少し踏み込んだ内容でイベント企画をしたいなぁとぼんやり考えていました。
そのぼんやりした考えを、高野大樹コーチと齋藤大輔トレーナーが集まった私のケア時間中に「私たちしかできない企画をやりたいんだよね〜」と、本当にざっくりとお話しました。2人も若い選手に向けた活動や、若い指導者に向けての活動は有意義だと考えてくれていたので、やってみようか〜と、ゆるく決定していきました。
和気あいあいながらも真面目なMTGでした😎
— 寺田明日香(てらだあすか) (@terasu114) December 3, 2020
オンラインの講座だけでも、かなり充実した内容になる模様。
「受けてよかった!」と思ってもらえるコンテンツを作っていきます!
申し込んでくれた人も申し込もうとしている人も、お楽しみに〜!! https://t.co/EqIY4PTuS3
また、個人競技の選手で多くのスタッフに関わってもらっている選手や、チームとして動いている選手はあまりいないのではないかと考えていました。そこで、せっかくなら高野コーチと齋藤トレーナーだけではなく、「チームあすか」のスタッフに関わってもらった方が、若い選手のより良い経験になるのではないかとも思え、チームのいちプロジェクトとして動かせないかを相談したところ、みんなが力を貸してくれることになりました。
ちなみに、私はアイディアだけ出して放置しがちなので、そのアイディアをすぐに形にしようと、「チームあすか」調整役の藤本伊織くんが頑張ってくれました。こういうところでも、チーム力を感じます(みんなの苦笑いが頭に浮かびます……)。
プロジェクト第1弾
藤本くんの全力コミットのおかげで、サクサクと動き出した「A-START」第1弾企画。まだまだコロナ禍真っ只中ですが、やれることからやってみようということで、まずは高校生と大学生を対象に12月20日から3ヶ月限定のオンラインサロンを始めることになっています。
毎週「チームあすか」のスタッフから栄養や休養、トレーニング、技術的なことについて講義を受けられるようになっていて、学生のみなさんに必要だと思われる情報を提供していきます。その中で、新しい気づきや考え方などを持ってもらいたいと思っています。
また、私は来年1月からいくつかの国内合宿を予定していますが、「A-START」参加者の中で合宿参加を希望し、かつ選ばれた選手には、その中の1つの合宿に参加してもらいます。その合宿では、「チームあすか」スタッフがトレーニングと栄養、ケアの部分でサポートし、私とほとんどの時間をともにするようなスケジュールを組む予定です。
トップの選手を感じてもらいたい
私が北海道ハイテクACに入る以前は、トップの選手と交流できる機会はなかなかなく、SNSなどのツールも発達していなかったので、トップの選手たちがどんなトレーニングをしているのか、どのような生活をしているかを知るのは難しいことでした。
👟 動画解説プログラム👟
— A-START 【公式】 (@teradaasuka1284) December 5, 2020
締切まであと6日
オンラインプログラムでは寺田明日香の普段のスプリントやハードリング動画をメンバーに共有しながら具体的な動作解説をしていきます!
自分の動きと何が違うのか?何を意識すればいいかを考えながら取り組んでみてください
お楽しみに✨ pic.twitter.com/j0RGtURzyR
現在は、情報を受け取ることができるツールが発達し、選手によってはSNSを通じて直接交流できるようにもなり、私がジュニア世代だった頃よりは圧倒的にトップ選手との距離は近くなりました。
しかし、実際にトップ選手と同じようなサポートを受けたり、選手の考え方や動きを直接見聞きしたりすることは現在でもなかなかできることではないので、そう言った機会を設けることで若い選手の皆さんのモチベーションにしてもらえたら良いですし、寺田明日香と自分を比較することで、足りている部分と足りない部分を自分で見つけてもらえたらうれしいです。
現役選手だからできること
来年にオリンピックを控えている中、ほかのことを始めるということはどうなのかと考えたりもしたのですが、現実問題、私があとどれくらい現役選手として活動できるかはわかりません。
現役だからこそできることは多いし、現役がやるからこそ価値があることも理解しています。なので、忙しくなる時期にチームのスタッフのみんなに理解してもらって一緒にプロジェクトを進めてもらえることを本当に感謝しています。
そして多くの学生のみなさんに参加していただいて、おもしろいプロジェクトを一緒に作っていけることを願っています。
・A-STRAT 公式サイト(エントリーは12月10日まで受付中)
https://www.a-starts.com/
・A-STRAT 公式Twitter
https://mobile.twitter.com/teradaasuka1284
[プロフィール]
寺田明日香(てらだ・あすか)
1990年1月14日生まれ。北海道札幌市出身。血液型はO型。ディズニーとカリカリ梅が好き。会いたい人は、大谷翔平と星野源。小学校4年生から陸上競技を始め、小学校5・6年時ともに全国小学生陸上100mで2位。高校1年から本格的にハードルを始め、2005~2007年にはインターハイ女子100mハードルで史上初の3連覇。3年時には100m、4×100mリレーと合わせて同じく史上初となる3冠を達成。2008年、社会人1年目で初出場の日本選手権女子100mハードルで優勝。以降3連覇を果たす。2009年世界陸上ベルリン大会出場、アジア選手権では銀メダルを獲得。同年記録した13秒05は同年の世界ジュニアランク1位だった。2010年にはアジア大会で5位に入賞するが、相次ぐケガ・病気で2013年に現役を引退。翌年から早稲田大学人間科学部に入学。その後、結婚・出産を経て女性アスリートの先駆者となるべく、「ママアスリート」として、2016年夏に「7人制ラグビー」に競技転向する形で現役復帰した。同年12月の日本ラグビー協会によるトライアウトに合格。2017年1月からは日本代表練習生として活動した。2018年12月にラグビー選手としての引退と陸上競技への復帰を表明。2019年シーズンから競技会に出場し、6月に日本選手権女子100mハードルで9年ぶりの表彰台となる3位に入り、7月には100mでも自己記録を更新。8月には19年前に金沢イボンヌ氏が記録していた日本記録13秒00に並ぶと、9月1日に「富士北麓ワールドトライアル2019」で史上初めて13秒の壁を突破し、12秒97の日本新記録を樹立。カタール・ドーハで開催された「世界陸上」に出場。再び陸上競技選手として、2020年東京オリンピックを目指す。
◎所属企業:株式会社パソナグループ
◎主な記録:100mハードル日本記録保持者(12秒97)/100mハードルU20日本記録保持者(13秒05=2009年世界ジュニアランキング1位)/100mハードル日本高校歴代2位(13秒39)/100m:11秒63【今後の主なスケジュール】
●2020世界室内選手権
2021年3月19日(金)~21日(日)会場:中国・南京
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1416/
【関連URL】
◎公式サイト https://asuka-terada.jp/
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<Text & Photo:寺田明日香/Edit:松田政紀(アート・サプライ)>