もう限界!発達障害の人との関係に疲れた…「カサンドラ症候群」のサインと、なりやすい人の特徴 (1/4)
発達障害の特性を持つ人と近しい関係にあるとき、「相手の感覚がわからない」「話が通じない」などの違和感が高まり、ストレスが限界になることがあります。
もしかするとそれは、通称「カサンドラ症候群」と呼ばれる状態かもしれません。激しい怒りや嫌悪、うつ状態など心身に不調をきたすケースも少なくありません。
不登校/こどもと大人の漢方・心療内科である出雲いいじまクリニック院長の飯島慶郎先生監修のもと、解説していきます。
「カサンドラ症候群」とは
「カサンドラ症候群」とは、発達障害(とくに自閉スペクトラム症=ASD)など、情緒的な相互関係や共感的なコミュニケーションに特性がある方との関係によって、周囲の人が強いストレスや孤独感を抱える状態を指します。
カサンドラ症候群は医学的に定義された病名ではありませんが、実際に抑うつ状態や適応障害、不安障害などと診断される場合も多く、心療内科やカウンセリングで支援を受ける人も存在します。
名前の由来は、ギリシャ神話に登場する予言者カサンドラにちなんでいます。
未来を見通す力を持ちながら、その言葉を誰にも信じてもらえず苦しんだカサンドラと同様、カサンドラ症候群の人も「自分のつらさが誰にも理解されない」という強い孤独感に悩まされるのが特徴です。

重要な前提として、ASD(自閉スペクトラム症)の方も、コミュニケーションや社会生活において困難を抱えています。
カサンドラ症候群は、どちらか一方が悪いという問題ではなく、相互理解とお互いへのサポートが必要な状態です。
「カサンドラ症候群」はどんな状況で起こるのか?
「カサンドラ症候群」は、たとえば次のような状況で発症するケースがあります。
- パートナーが感情の共感や気遣いを示してくれず、会話が一方通行になる
- 頑張って関係を築こうとしても伝わらず、自分だけが我慢しているように感じる
- 周囲に相談しても「対策不足」「あなたが細かいのでは?」と理解されない
- 徐々に心身に不調が出てくる(イライラ、不眠、体調不良など)
相手に悪気がなくても、非言語的なコミュニケーションが伝わらないことが繰り返されると、関係の中で孤立感が深まり、精神的な負担が蓄積していきます。

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