ヘルス&メンタル
2025年10月24日
もう限界!発達障害の人との関係に疲れた…「カサンドラ症候群」のサインと、なりやすい人の特徴 (4/4)
家族(親・きょうだいなど)が相手の場合
<よくある悩み>
- 一方的に話される、コントロールされる
- 感情に寄り添ってもらえない
- 家族だからこそ「関係を切れない」と悩む

<対処法>
- 自分の“立ち位置”を再確認する
家族であっても、自分がすべて背負う必要はありません。相手の問題は相手のもの、と線引きする視点を持ちましょう
- 物理的、心理的距離をとる
必要に応じて実家から離れる、会う頻度を減らすなど、「距離をとること=冷たい」ではなく、自分を守る手段として使うことが重要です
- 家族支援の場に相談する
家族支援を行っているNPOや支援機関、家族会に相談することで、孤立を防ぎ、理解者を得ることができます。
友人が相手の場合
<よくある悩み>
- 一方的な話ばかりで疲れる
- 相談しても返答がズレていてつらい
- 心の距離があるのに気を遣って関係を続けている

<対処法>
- 「距離感の調整」で付き合い方を変える
無理に頻繁に会ったり、深く関わる必要はありません。「この人とは〇〇の話しかしない」と割り切ることで、ストレスを減らせます
- 気持ちを優先し、関係を見直す
コミュニケーションの相性が合わず、自分が傷ついているなら、距離を置く、関係を終了する選択も視野に入れていいのです
- 共感し合える新たな人間関係を育てる
今の友人関係にこだわりすぎず、自分が安心して話せる居場所を新たに見つけることも大切です
生活に支障をきたすなら、専門機関への相談も視野に入れる
自分だけで抱えきれないと感じたら、心療内科やカウンセリングを利用するのも選択肢の一つです。カサンドラ症候群は正式な診断名ではありませんが、うつや不安障害などの症状が出る場合は、適切なサポートを受けることが大切です。
専門機関への相談を検討すべきタイミング
- 心身の不調が2週間以上続いている
- 日常生活(仕事、家事、育児など)に明らかな支障が出ている
- 自傷行為や希死念慮(死にたいという気持ち)がある
- 周囲のサポートだけでは改善が見られない
早めの相談が、回復への第一歩となります。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることを検討してください。
一方だけでなく、互いが適したサポートを受ける必要がある
カサンドラ症候群は、コミュニケーションスタイルの違いから生じる、双方にとってつらい状態です。ASDの方も、社会生活において多くの困難を抱えています。
どちらか一方が悪いのではなく、お互いの特性を理解し、それぞれに適したサポートを受けることが、より良い関係づくりにつながります。
監修者プロフィール
不登校/こどもと大人の漢方・心療内科
出雲いいじまクリニック 院長
飯島慶郎(いいじま・よしろう)
心療内科医、臨床心理士、総合診療医、内科医、漢方医、産業医など、マルチドクターとして活動。得意とする分野は「心身症・不定愁訴」に対する漢方薬・向精神薬・心理療法・ケースワークを統合した総合的対人援助。心身の軽微な不調を入口にクライアントの「人生そのもの」を癒やすことを実践。近年は特に不登校診療に特化し、多くのこどもたちを改善に導いている。
公式サイト https://sites.google.com/view/izumo-iijima-clinic
<Edit:編集部>








