梨の“意外な”栄養効果とは?疲労回復や水分補給にもオススメです[医師監修] (2/4)
梨は1日何個まで?基本は「1日1個」
梨は1日1個(約300g)までが適量と考えるのが安心です。
まず、厚生労働省の「健康日本21」では、果物の摂取目安を1日200g程度としています。梨1個が約300gなので、半分〜1個で十分カバーできる量です。

梨を食べ過ぎると、どんなデメリットがある?
お腹がゆるくなる・下痢になる
梨は水分量が非常に多く、1個(300g)で約270g前後の水分を含みます。
これに加え、ソルビトール(糖アルコール)や食物繊維も含まれているため、胃腸が弱い人・冷え性の人・冷えた梨を一気に食べた場合には、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
体が冷える
梨は中医学(東洋医学)で「身体を冷やす性質(陰性食品)」の果物とされており、冷たいまま食べると内臓の温度を下げてしまう可能性があります。
体が冷えると、代謝が落ちたり、消化力が低下したり、疲れやすくなったりすることも。冷えた梨ならさらにリスクが高まります。
糖質の摂りすぎになる
また、梨1個(300g)には約30gの糖質が含まれています。食べすぎれば血糖値の上昇や脂肪の蓄積につながる可能性もあります。
とくに、夜遅くに食べる・運動不足の日・他の甘いものと一緒に食べるといったケースでは、「太りやすさ」につながります。
梨を食べるのを控えた方がいい人とは
体質や健康状態によっては、摂りすぎに注意するか、控えたほうがよい場合もあります。
冷え性・胃腸が弱い人
梨は東洋医学では「涼性(身体を冷やす食べ物)」とされており、冷え性の人やお腹が弱い人が朝晩に多く食べると、体調を崩す原因になることがあります。
とくに以下のような症状がある人は注意が必要です。
- 朝起きたときから手足が冷たい
- 冷たいものを食べるとすぐにお腹を壊す
- 慢性的な下痢、便がゆるい
どうしても食べたい場合は、常温に戻す、少量をゆっくり食べる、加熱するといった工夫をすることで体への負担を軽減できます。
下痢気味の人
梨には「ソルビトール」という成分が含まれています。これは便通を促す作用がある一方、摂りすぎるとお腹がゆるくなる可能性があります。特に以下のような人は注意が必要です。
- もともと過敏性腸症候群(IBS)である
- 食後にお腹がゴロゴロしやすい
- 冷たい果物を食べるとすぐに下痢になる
ソルビトールはFODMAP(発酵性の糖質)の一種でもあり、腸が敏感な人には不調の原因になることがあります。
糖尿病や血糖値が気になる人
梨は果物の中では比較的血糖値を上げにくいとされますが、果糖(フルクトース)やブドウ糖も含まれています。量や他の食べ物で調整しましょう。
アレルギーのある人(とくにバラ科アレルギー)
梨は「バラ科」の果物で、りんごやももなどにアレルギーがある人は、梨でも口の中がイガイガしたり、かゆみが出ることがあります。以下の人は控えましょう。
- りんごやもも、さくらんぼを食べてかゆくなった経験がある
- シラカンバ(白樺)やハンノキの花粉症がある
アレルギーが心配な方は、加熱調理(コンポートなど)でアレルゲンが弱くなるため、一度加熱してから試すのも選択肢のひとつです。
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