2018年10月24日

低温調理器「ボニーク」が大活躍│連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#18 (2/2)

 シンプルに塩とごま油だけで食べたのですが、その味はというと、もう大満足。レバーがほろほろになって、口に含むと果実のような味わいで、本当においしかった! 自分でいうのもなんですが、お店で出してもいいかと思う出来栄えです。

▲自家製の鳥レバー

 ボニークはデジタルの数字が表示される機器なので、温度や時間を真面目に気にする方もいらっしゃるようですが、私はわりといい加減です。低温ですから殺菌を気にしなければなりませんが、炒めものをする時に、いちいち炒める油をスプーンで計ったりしませんよね。それと同じ感覚です。

 他には、鳥の胸肉とかささみとか、どうしてもパサパサしやすいものだとボニークのすごさがわかりやすい。じっくりと旨味を凝縮してくれる、といったらいいでしょうか。

 もちろん、ビーフもおすすめですよ。赤身の塊200グラムを放り込めば簡単にローストビーフが出来上がります。下味はつけなかったので、食べる時に塩だったりお醤油だったり、はたまたタルタルだったりをつけました。

 お魚や野菜、卵料理なんかも作れます。私は未経験ですが、お菓子もいろいろできるみたい。試行錯誤して、自分のレシピを見つけようと思います。

 以前に書きましたが、母が膵臓癌をわずらい、油物を制限しなくてはならなくなり、友人がボニークを勧めてくれて知りました。揚げたり炒めたりしなくてもいいだけでなく、上質のたんぱく質を効率よく摂取できるから、と。

 自分が若くはなくなり、親が大病をしたりすると、口から入れる栄養源の大切さを思い知ります。ジャンクなものも時々欲しますし、レトルトの便利さも捨てがたいですが、なるべく質の良いものを余計な加工は抑えてそのまま食べたいなあと思う今日この頃です。

[プロフィール]
甘糟りり子(あまかす・りりこ)
神奈川県生まれ、鎌倉在住。作家。ファッション誌、女性誌、週刊誌などで執筆。アラフォーでランニングを始め、フルマラソンも完走するなど、大のスポーツ好きで、他にもゴルフ、テニス、ヨガなどを嗜む。『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』『エストロゲン』『逢えない夜を、数えてみても』のほか、ロンドンマラソンへのチャレンジを綴った『42歳の42.195km ―ロードトゥロンドン』(幻冬舎※のちに『マラソン・ウーマン』として文庫化)など、著書多数。『甘糟りり子の「鎌倉暮らしの鎌倉ごはん」』(ヒトサラマガジン)も連載中。河出書房新社より新著『鎌倉の家』が刊行。

<Text & Photo:甘糟りり子>

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