久々のケガで実感した、スポーツができる喜び│連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#23 (2/2)
思い起こせば、あれは4年前の12月。鎌倉の友達に誘われて、数年ぶりにテニスをしました。逗子マリーナのコートでした。久しぶりだからこそ、頭の中の自分は全盛期のまま。いや、まあ全盛期といっても大したものではありませんが、ブランクがあったから逆にもっとも身体が動いていた時期の自分に踊ってしまったのですよね、イメージだけは。そんな状態で、バックハンドで構えてロブの深追いをしたところ、左のふくらはぎに「ピキっ」という感触が走りました。で、そのままコートの端っこに倒れこみました。
病院に行くと、見事な肉離れでした。1ヶ月ほど松葉杖で過ごすことになったのです。あの時はね、準備運動不足。これに尽きます。久しぶりのテニスにすっかり浮かれちゃって、ストレッチもそこそこにコートに立った私が悪い。身体が暖まっていないのに、ダッシュしたんじゃあ、そりゃあ壊れます。
たまにケガをすると、何も気にせずにスポーツができることのありがたさが身に染みます。昨年の12月は、寒い中、アイシング三昧の日々でした。
さあ、パソコンを閉じたら、いつも通りの距離を走ってこよう。今年もよろしくお願いいたします。
[プロフィール]
甘糟りり子(あまかす・りりこ)
神奈川県生まれ、鎌倉在住。作家。ファッション誌、女性誌、週刊誌などで執筆。アラフォーでランニングを始め、フルマラソンも完走するなど、大のスポーツ好きで、他にもゴルフ、テニス、ヨガなどを嗜む。『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』『エストロゲン』『逢えない夜を、数えてみても』のほか、ロンドンマラソンへのチャレンジを綴った『42歳の42.195km ―ロードトゥロンドン』(幻冬舎※のちに『マラソン・ウーマン』として文庫化)など、著書多数。『甘糟りり子の「鎌倉暮らしの鎌倉ごはん」』(ヒトサラマガジン)も連載中。河出書房新社より新著『鎌倉の家』が刊行。
<Text & Photo:甘糟りり子>