エビやサケに含まれる栄養素「天然アスタキサンチン」に筋肉疲労を和らげる効果アリ。東海大駅伝チームが研究協力し実証
アスリートにとって厄介な「筋肉疲労」。何とかならないものかと試行錯誤している方は多いはずですが、そんな方に朗報です。東海大学駅伝チームを対象にした臨床試験で、「天然アスタキサンチン」という成分に疲労軽減効果が認められたといいます。どういうことか見ていきましょう。
「アスタキサンチン」は甲殻類やサケなどに含まれる栄養素
今回の研究は、東海大学医学部・体育学部・医学部付属東京病院と、天然アスタキサンチン製品を供給する企業・アスタリールによるものです。
すでに本記事にも何度か登場している「天然アスタキサンチン」ですが、決して怪しい成分ではなく、エビなどの甲殻類やサケなどに含まれる赤橙色の色素のことを指します。
抗酸化および抗炎症作用があり、持久力向上や筋肉損傷軽減など、アスリートにとって有用性が期待できる複数の効果が報告されてきましたが、これまでトップアスリートにおける検討は十分ではありませんでした。
東海大学駅伝チーム30名を対象に研究
今回の研究対象となったのは、2019年の箱根駅伝で初優勝を飾った、大学陸上競技界トップチームである東海大学陸上競技部中・長距離ブロック(駅伝チーム)に所属する選手30名。それこそ、トップアスリートといえる面々ですね。
【第95回東京箱根間往復大学駅伝競走】
— 東海大学陸上競技部長距離ブロック (@TokaiLong) 2019年1月3日
総合1位
10時間52分09秒
※次大会シード権獲得
大会新記録で初の総合優勝を果たしました!
2日間に渡り、多くの皆様の熱いご声援ありがとうございました!#GOTOKAI pic.twitter.com/zbOKPxtT7Q
まず、アスタキサンチンを摂取したグループでは、摂取8週後において、問診項目「疲労の回復速度」「筋肉痛」「身体の重さ」が有意に改善あるいは改善の傾向を示しました。こうした"体感"結果だけでなく、筋肉損傷と関係がある血清中のクレアチンキナーゼ(CK)は、摂取8週間後において、アスタキサンチンを摂取したグループが有意に低かったといいます。つまり、アスタキサンチンは本当に筋肉疲労軽減に効果があったわけです。
こういう話をすると、「ドーピングなどが心配だ」という声も出てきそうですが、その点も問題がないとのこと。本試験で用いた天然アスタキサンチンを配合したサプリメントはすでに市販されており、アンチドーピング認証である「インフォームドチョイス」を取得しているので、アスリートが摂取しても問題ないといえます。
筋肉疲労に悩んでいる方は、天然アスタキサンチンを多く含む食材を食べたり、サプリをチェックしてみてはいかがでしょうか。
<Text:辻村/Photo:Getty Images>