2017年8月15日

C・ロナウドも愛用!新トレーニングマシン『アクアバイク』に乗ってみた

 サッカー界でも名高いクリスティアーノ・ロナウド選手といえば、注目すべきはあの鍛えられた肉体美。誰もが思わず見とれてしまう絞り抜かれた身体に、憧れを抱く人も少なくないですよね。

 そんな一流と言われるプロスポーツ選手が、自宅で愛用していることで話題となっている「アクアバイク」をご存知でしょうか? 効率よくカロリーを消費でき、足腰に負担がかからない新しいトレーニングとして注目されています。

 その実態に迫るため、今回は東京・メガロス田端店で、アクアバイクを実際に体験してみました。

わずか4分間で一気にカロリーを消費できる!?

 

 今回の取材にご対応いただいたのは、スイミングチーフマネージャー砂川大介さん。スポーツジムのトレーナーさんって、なんでこんなに爽やかなんですかね。そこにいるだけでマイナスイオン出しながら浄化してそうです。

 そして噂のアクアバイクがこちら!

 想像より大きくてずっしりしていました。水中で浮かないように重くなっているみたいです。これなら私の体重でも支えきれなくてずれたりしなそう。さっそく、トレーニング用の水着に着替えて、いざ体験!

 ペダルに足をかけ、サドルにまたがると水面はお腹のあたりにきました。試しに何回か漕いでみると、水の抵抗感で適度に重く、浮き上がってくるペダルを踏みつけるため自然と力が入ります。これは下半身に効きそう。

 アクアバイクの使い方はさまざまですが、メガロスでは2種類のコースを用意しています。一つは30分かけてマイペースに漕ぐ方法、もう一つは4分間全力で漕いでは休んでを繰り返す方法です。

  この日は4分間で一気にカロリー消費ができる、HIIT BIKE(ヒートバイク)に挑戦しました! やり方は簡単で、一時期ダイエッターの間で流行ったタバタ式トレーニングを参考にして作られたもの。20秒漕いで、10秒休むをワンセットとして、これを計8セット繰り返し行います。

最初は余裕……と思っていたけれど

 アメリカから取り寄せたという専用の音楽を聴きながら、いよいよスタート!

「じゃあ、まずはサドルに腰掛けて20秒間全力で漕いでください! 足の力で押し出すように!!」

 軽快な音楽とカウントダウン。その中で砂川さんからの言葉に必死に耳を傾けます。「20秒なんて余裕じゃん。元バスケ部の脚力をなめてもらっては困る」と全速力で漕ぐ私。すぐに1セット目が終わり、10秒間の休憩タイムとなりました。

「足を止めても、ゆっくり漕ぎ続けても構わないので、力を抜いてリラックスしてください。いかがですか?」

 そんな、トレーナーの言葉に「足にとてつもなく負荷がかかってくる感じはあります。でもまだ余裕です!」と意気揚々と大口をたたきながら2セット目に突入。すると、トレーナーからの指導が、徐々に細かくなっていきます。

「じゃあ、次は姿勢を意識して! お腹に力を入れて胸を張り、腰を曲げないように! 自動的に腕が伸びるので体幹、お腹、腕も鍛えられます」

 こ、これはきつい。まだ始めたばかりなのに、姿勢を意識しただけで疲労感が全然違いました。無酸素運動をしながら、有酸素運動を同時にするのってきついです。冷え性で代謝の悪い私でも、額から汗が垂れてきました。

「慣れてきたら少しお尻を浮かせて。だんだん腕が曲がってきてるよ! 手でハンドルを押すようにすると自然と体も起きる! 上半身にも意識を向けて!」

 一向に自らアクアバイクを漕ぐ速度を変えずに、的確な指導をする砂川さん。その底なしのエネルギーには圧巻。必死にペダルを漕ぎ続けます。やっと4セット目が終わり、折り返し地点にたどり着く頃には息も絶え絶え……。それでも10秒間のオアシスが心の支えになっていたので、「もう絶対ムリー!」とはならなかったです。

わずか4分でも半端ない運動量! その時、私は子鹿になった

「では今度は立ち漕ぎでやってみましょう! 鍛えられる筋肉がまた変わってきます!」

 5セット目に入ると、さらなる試練が与えられました。この時、爽やかお兄さんのはずだった砂川さんが、私の目には悪魔にうつったのはいうまでもありません。6セット目、7セット目は、もうなんだかよくわからなくなってきて、無我夢中でペダルを漕ぎまくりました。

 私がきつそうな顔を見せれば見せるほど煽る砂川さん。その表情はどことなく楽しそうで、追い込まれている側も徐々に快感になってくるという砂川マジック。痛快という言葉は、この瞬間のためにあるんだと思いました。

 最後の8セット目が終わった時、その開放感と脱力感はくせになりそうでした! すぐにはバイクから降りずに、クールダウンとストレッチ。陸で行うのと違って、水による浮力のおかげで力を抜いたままできるので気持ちよかったです。また、水中なので火照った体をいい具合に冷やしてくれます。

 そして、ストレッチも終わり、プールから出て立ち上がろうとすると……。

「た、立てない!?」。

 水中では平気だったのに、上がった瞬間、自分の体重を支えきれないほど足が震えていました。まさかプールサイドで、生まれたての子鹿の気持ちを味わうことになるとは。更衣室で着替えている時も、足と腕と体幹の疲労感は凄まじいものでした。

 わずか4分という短時間に、これだけの運動量をこなせるトレーニングは、ちょっと他にないのではないでしょうか。体はすごく疲れますが、動いている時は楽しくて、日々のストレスが水に溶けて流れていきました。

 トレーニングジムだと、冷房のガンガン効いた室内でバイクを漕ぐため、体が温まるまでに時間がかかります。汗をかくまでに、冷え性の私だと下手したら30分以上かかることもあります。

 しかし、高めの温度の室内プールという環境のおかげで、アクアバイクでは体を冷やすことなくすぐに発汗できました。そして適度な水圧により、パンパンだった足のむくみを解消! ありがたや〜。

 ただ、年配の方やリラクゼーションを求める方には、ちょっと不向きかなと思いました。私のような自分を追い込みたい人や、一人じゃ頑張れない方、誰かと一緒に楽しんで運動したい方にとっては試してみる価値ありです!

 学生の時にやった坂道ダッシュを思い出して、なんだかものすごくあの頃に戻りたくなりました。頭の中に流れたBGMはきっと、ゆ◯の夏色。

アスリートが最後の追い込みに利用することも

 砂川さんによると、このプログラムに通っている客層の男女比は半々ぐらいとのことです。

「ただ、どちらかというと女性が多めですね。時間帯にもよりますが、アスリートの方や競泳選手も自分のトレーニングが終わったあと、最後の追い込みとして利用されることもありますよ」

 そう、体験してみて魅力に感じたのは、やはり所要時間の短さと効率の良さでした。ジムで運動しようと思うと、着替えも含めて1時間半〜2時間はかかります。多忙な社会人にとって、日常生活の中でそれだけの時間を確保するのは大変でしょう。

 それに比べてアクアバイクは30分〜1時間もあれば、同じくらいのカロリーを消費し、同時に身体全体を鍛えることができちゃいます。そして何と言っても楽しいのでストレスも吹っ飛ぶ!!

 まだ国内では設置施設が少ないので、これからもっとプールのあるジムや学校に普及してくれたら、より通いやすくなってうれしいですね。次世代のトレーニングとして、ダイエットや健康のために取り入れてみたい方は、ぜひ挑戦してみてください!

[プロフィール]
砂川大介(すなかわ・だいすけ)
2004年、メガロス柏店に入社。スイミングインストラクターとして指導を行い、現在6店目の田端店にスイミングチーフマネージャーとして勤務。メガロスオリジナルプログラムの格闘技系アクアエクササイズ「T-Crush30」の制作を担当。ほかにも、ダンス系のレッスンも手掛けており、健康であることの素晴らしさを、より多くの人に提供できるよう努めている

<Text:渡部有未菜/Photo:辰根東醐>