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ストレッチできちんと筋肉を伸ばすには?正しいやり方をトレーナーが指南

 誰もが知っている「ストレッチ」ですが、ただの体操と勘違いしている人はいないでしょうか。筋肉を伸ばす運動ストレッチの基礎を学べば、より効果の高いストレッチを行えるようになるはず。今回はストレッチの基礎知識をお伝えします。

ストレッチは筋肉を伸ばす運動である

 ストレッチは正式にはストレッチングといい、「伸ばす」という意味です。1970年代、柔軟性を高めるための運動として、アメリカのボブ・アンダーソン氏により開発されました。ストレッチはさまざまな姿勢によって、筋肉を伸ばすことを目的としています。

 ストレッチには、カラダを柔らかくするというイメージを持っている方が多いでしょう。「カラダが硬い」というのは骨や関節が関係しているわけではなく、関節の可動域(動く範囲)が狭いということ。そして関節の可動域を決めるのは、関節をまたいでいる筋肉なのです。

正しいストレッチを行うために重要な「起始」と「停止」

「起始」と「停止」とは

 筋肉には骨に付着している部分があります。専門用語ではカラダの中心に近い付着部を「起始」、そしてカラダの中心から遠い付着部が「停止」です。ストレッチではその筋肉の起始と停止を遠ざけるような姿勢・動作を行うことによって、筋肉を伸ばすことができます。そのため、伸ばしたい筋肉がどのようについているか理解していなければ、効果的なストレッチは行うことができません。それが、ストレッチの難しさのひとつと言えるでしょう。

 たとえば、同じポーズをとっても筋肉が伸びていなかったり、伸びが悪かったりする。これはポーズを真似しているばかりで、この起始・停止がしっかり遠ざけていない可能性があります。

 正しいストレッチは起始・停止を離すこと。頭では理解しても、実際にどう違うのか分からない方は多いでしょう。実際に、ここでハムストリングスのストレッチを例に考えてみます。

ハムストリングスのストレッチは上体をまっすぐにしながら倒す

 ハムストリングスのストレッチでよく行われるのが、長座で座って上体を前に倒すポーズです。このとき、つま先を触るように背中を丸めて上体を倒す人が多いのではないでしょうか。

 まずハムストリングの起始は坐骨、停止はスネの骨である脛骨(けいこつ)となります。最大限のストレッチを得るためには、起始と停止をできるだけ離すことが必要です。しかし上体を丸めると骨盤が後傾してしまい、起始である坐骨の位置はほとんど変わりません。

 ハムストリングスを最大限に伸ばすには、姿勢をまっすぐにして上体を倒すのが正解です。上体をまっすぐにすることで骨盤が前傾し、起始である坐骨の位置が停止の脛骨から遠ざかるのです。

 このように、ほんの少しの姿勢の違いで大きな効果の差が生まれます。ストレッチの効果を得たい人は、筋肉についても学ぶ必要があると言えるでしょう。

どうしてカラダは硬くなるのか

 なぜ筋肉の柔軟性が低下し、カラダが硬くなってしまうのでしょうか。その原因を探ってみましょう。

原因その1「加齢」

 年齢の増加とともに、カラダの機能は衰えていきます。柔軟性が低下する原因もそのひとつで、筋肉に対して刺激がなければどんどん衰えてしまうのです。

 反対に、年齢関係なく普段からカラダを動かして刺激を与えていれば、年を重ねてもカラダが硬くなるのを最小限に防ぐことができます。加齢でカラダは硬くはなるものの、それが最大の原因ではありません。

関連記事:「年をとると体が硬くなる」はホント?体が硬い原因と、柔軟性を高める方法

原因その2「運動不足」

 カラダが硬くなる最大の原因は、年齢ではなく運動不足です。運動不足でカラダを動かす時間が減ると、筋肉を使わなくなり柔軟性の低下につながります。

 子どもの頃は授業や部活動、遊びなど日常的にカラダを動かす機会あったうえ、遊びでも積極的にカラダを動かすことが多かったでしょう。しかし、年齢を重ねるごとに運動をする機会が少なくなります。日常生活でも電車通勤や車通勤、デスクワークなど、カラダを動かす機会が減少します。

 普段から意識的に筋肉を使わなければ、筋肉は必要ないとカラダが判断して自然と委縮し、衰えていく。これを「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」といいます。骨折などによるギプス固定で長期間筋肉を動かさないと、筋肉が硬く細い状態になるのも廃用性萎縮です。元の状態に戻すまでには相当なリハビリ期間を要します。

 こうしたことからも、日頃から筋肉を動かすことで、柔軟性を保つことができるのです。

原因その3「疲労」

 日常生活の疲れから、筋肉に張りが出て硬くなることも考えられます。しかし、これは運動不足によって筋肉量が落ちた結果、起こっていると言えます。

 運動不足で筋肉量が低下していけば、筋肉にかかる負担は徐々に大きくなります。さらに、体重が増加したなんてことがあれば筋肉は大変です。筋肉への負担が大きくなれば筋肉も疲労して緊張し、結果として伸びにくく硬くなっていきます。

 筋肉量を維持するとともに、張りを感じたらすぐにストレッチをする。これだけでも、柔軟性の低下は防ぐことができます。

関連記事:ストレッチはなぜ必要?筋肉をほぐすと疲労回復に効果的な理由

 今回はストレッチについて、少し専門的に解説しました。しかし、これを知っているのと知らないのとでは、効果に大きな差が生まれます。「カラダが疲れている」「筋肉が張っている」という人は、まずその筋肉がどこについているのかを確認しましょう。そのうえで、起始・停止を最大限広げるにはどうしたらいいか考えながらストレッチしてみてください。そうすることで、カラダに対する知識も増えていくはずです。

関連記事:ストレッチの効果を感じていない人が意識すべき5つのポイント

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>

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